エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

目当て  「毎日がキラキラしてきた」

2016-04-19 07:34:32 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 目当て。目標、夢、目的、狙い、望、願い、根源的欲求…。いろんな言葉がありますね。三浦雄一郎さんがメタボの塊から、エベレストに登るまで回復したとき、驚異の体力の回復があったと言います。三浦雄一郎さんを、高齢者医療の専門家が追跡調査していて、一番の老化予防は何だと言っていると思いますか? それは目標を持つこと(三浦雄一郎さんの場合 命がけの悦び)。

 三浦雄一郎さんは、エベレストという目的を心に抱いてから、「毎日がキラキラしてきた」と、率直に仰っておいでです。

 目標は、日常生活の延長線上にあるものである場合でも、日常を≪超越≫するところに特色があります。

 あなたも、目標という≪超越≫を心抱いて、今日という日を過ごしてくださいね。

 

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ニッポンはまだ、「戦国時代」

2016-04-19 07:23:56 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 今のニッポンでは、親達が真面目に普通に生きていることが、子どもにとってネグレクト、虐待になってしまうほど、社会が病んで不毛になっている訳です。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.238の 第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 多くのヨーロッパ諸国は、とくに、スカンジナビア諸国は、生産性の高い経済と、質の高い子育て政策と家族休暇(介護休暇)とを兼ね備えています。同じような政策を実現したいものですね。

 

 

 

 

 

 ブルース・ペリー教授さえ、羨む北欧諸国。なんでスウェーデンやデンマーク、ノルウェーが福祉と経済を両立しているのか? それは、徹底的に話し合いを大事にしているからです。道は花が定期的に植えられ公園みたい、失業しても、賃金の90%が無期限に保障される、保育園~大学・高齢者施設までの利用料・授業料がただ…。安心の質が、ニッポンとは、けた違いに違います。ニッポンは、北欧に比べたら、500年遅れていると私は考えます。ニッポンはまだ、「戦国時代」です。

 

 

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感覚麻痺にならざるを得ない発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、重たい自閉症の子どもに似ている

2016-04-19 06:45:03 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「田舎」の開発 改訂版
  被災地に、新たな事業がなかなか興らないのに、立川駅西側にあった「第一デパート」の跡地が、清水建設によって、再開発されている(上掲の写真)のを見て、「立川駅前、...
 

 

 一端サバイバル脳になってしまったら、かなり良くなることはあっても、完全に元通りにはならないようです。それだけ、0、1歳が大事です。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.249の第4パラグラフから。自分の身体が、他人の身体みたいになる節の続きです。

 

 

 

 

 

 いろんな体感の元になる人から絶えず脅かされていれば、たとえ意識的な遮断しても、感覚麻痺になりますよ。すなわち、自分に起きていることを感じないばかりは、自分に起きていることとやり取りすることもできません。自分の身体に自分で触れることによって初めて、すなわち、自分自身に本能的に触れることによって初めて、自分とは何か、自分の順位と価値とを、取り戻すことが出来ることになります。感覚麻痺、解離、感覚遮断は全て、脳の構造と関係があります。その脳の構造とは、自分が感じていることに注目し、知ることですし、自分の身を守る行動をすることです。

 

 

 

 

 この状態は、自閉症が重たいケースと極めて似ています。自閉症のドナ・ウィリアムズさんの自伝の記述を思い出します。感覚麻痺、感覚遮断。たほう、感覚過敏もありますから、周りの刺激に非常に敏感だったり、非常に鈍感だったりすることが同居しています。たとえば、痛みには鈍感で、光には過敏に反応する、と言うようなこともあります。

 人と関わりながら生きるのが、とても大変です。

 

 


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発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、物質乱用と自殺に陥りがち

2016-04-19 05:09:29 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 
性の発達だけじゃぁない
  思春期を迎える前の「前性器期」、それは性の成熟とは直接には関係のない大事な意味のある時間です。 The life cycle cpmpleted 『人生の...
 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の19日目。

今晩は、 「発達トラウマ障害≒愛着障害の証拠」の章の9日目。発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準C.3.です。

 

 

 

 

     診断基準C.3.自分を落ち着かせる間違った様々な試み

 

     診断基準C.3.が記録されるのは、繰り返されるマスターベーション、繰り返されるロッキング、繰り返される自傷、その他の繰り返される自己刺激行動という形です。NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)のデータによれば、発達トラウマ障害の、思春期以前の子ども達は、他の、PTSDの症状が重たいコントロール群と比べてさえ、物質乱用が多いのです。他の研究でも、物質乱用が、自分を落ち着かせる不適切な方法として記録しています(ドラード、バーソス、ファン、コーコス、バングナー、2008)。CCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)のデータによれば、自分を落ち着かせる間違った方法がいろいろ広がっていることを示しています。発達トラウマ障害の子ども達は、子ども性行動尺度(フライドリッヒ、1997)で、他のトラウマに晒されている子ども達と比べて、有意に高得点を示します。ただし、発達トラウマ障害の子ども達と、発達トラウマ障害ではない子ども達では、性的虐待を受ける頻度は、違いがありません。フォード等が示しているのは、虐待にあった子ども達は、他のトラウマに晒された子ども達に比べて、物質乱用で困難に直面することが多かったのです。少年法の例では、フォード等が示しているのは、発達トラウマ障害の子ども達は、物質乱用の課題と自殺の危機が、PTSD、うつ、不安障害のコントロール群に比べても、多かったのです。

 

 

 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもたちは、精神疾患の総合デパートです。物質乱用と自殺という、人生を左右する危険にも、発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、陥りやすい。いかに深刻な障害であるかが分かるだろうと思います。

 

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