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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

いろんな人が子育てに関わる社会の方が、人間らしい社会

2016-04-13 08:06:36 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
ティク・ナット・ハーンさんとマインドフルネス
  マインドフルネス。愛着障害の子どもたちの治療に良いと、岡田尊司さんの本『回避性愛着障害』に出て来たけれども、それが何なのかいまひとつわからずに来ましたね。ただ...
 

 

 

 子どもは、いろんな人から育てられるからこそ、この世は恵み深い、と信頼することが出来る。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.237の7行目から。

 

 

 

 

 

ハーディさんの本『母なる自然 母性本能と母性本能がいかに人類を形成したのか?』は、大きな家族の大切さを強調しています。大きな家族をハーディ女史は「アロペアレント(親以外に子育てをしてくれる人たち)」と呼びました。ハーディさんは、「ネグレクトの危機にある子ども達にとって、親以外に子育てをしてくれる人たち、たとえば、おじいちゃん、おばあちゃんが関わってくれたら、どれだけ事情が違ってくることでしょう」と記しています。私どもは、このような思慮深い論考をこの本で読むことが出来ます。

 

 

 

 

 ハーディさんの本『母なる自然 母性本能と母性本能がいかに人類を形成したのか?』は邦訳もあるとのことです。関心のある方はどうぞ。

 いろんな人が子育てに関わる社会に方が、人間らしい社会と言えますね。

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臨床心理学入門

2016-04-13 07:09:25 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
神をも畏れぬ
  人間の知性はどこまでもとらえ切れるということでしょうか? Young Man Luther 『青年ルター』p192の第4パラグラフから。 ...
 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、普通の日常生活を送るのも、大変です。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.248、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 しかし、言葉のもう1つの落とし穴は、自分達の考えは、「つじつまがあ」わなければ、容易に正すことが出来る、という幻想です。認知行動療法の「認知」の部分は、このような「うまく働かない考え」を変えることに焦点を当てます。これはトップ・ダウンのアプローチで変えるやり方でして、そのやり方では、セラピストは、否定的な認知に挑戦し、「その枠組みを変える」ものです。たとえば、「ご自分がレイプされたのは自分が悪いと責める気持ちと、ことの実際とを比べてみてくださいね」とか、「あなたが運転する時の怖さと、現在の交通安全の統計とを比べて下さい」とかいうことです。

 

 

 

 

 

 認知行動療法の認知は、その枠組みの展開が、実感の変化を伴って、ようやく、「枠組みが変わった」ということが出来ます。しかし、「枠組み」が変わっても、それに伴って、「なるほど」「確かに」と言う実感を伴うことがなければ、本当には「枠組みが変わった」ということにはなりません。

 この辺は、ヴァン・デ・コーク教授は、臨床心理学の基礎を教えているみたいですね。

 

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加藤周一さんの遺言

2016-04-13 02:27:08 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
エピジャネシスの概略図
  子どもが育つとき、正しいやり方と正しい段取りが必要です。  The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p28の第5パ...
 

 

 

 加藤周一さん。私が一番好きな思想家です。評論家と呼ばれる場合もありますけれども、評論家の私の定義からは、遥かに学識深い方なので、思想家、あるいは、哲学者と呼ばざるを得ません。

 加藤周一さんは、2008年12月5日亡くなったのですが、その4ヶ月ほど前、8月4日に、旧知の放送ジャーナリスト、桜井均氏らのインタヴューに、上野毛の自宅で応えています。私は、その様子を、NHKの放送で見たことがありますが、もう痩せこけていて、ちょっと痛々しい佇まいでした。それでも、言い残しておきたいことがあったし、それを記録したいと考えたジャーナリストがいた、ということだろうと思います。その全貌は、岩波現代文庫の『私にとっての20世紀 付 最後のメッセージ』で読めます。私は加藤周一さんの遺言だと考えています。

 そこで、加藤周一さんは、今のニッポンは「閉塞感」に包まれていると言います。息苦しさですね。石川啄木が言ったという「閉塞感」です。そして、「明治維新以来の日本は、ずっと非人格化、非個人化、間化と言う代価を支払って、経済的発展や軍事的な力を持つようになった」ズバリと指摘します。それに対して、未来に対する希望として、「なんとか人間らしさを世界の中で再生させることを意識しなければならない」ということをおっしゃいます。そのために必要なこととして、少なくとも2つを上げます。

 1つは、「何が相手なのか、敵なのかを理解すること」と言います。

 もう1つは、「事実認識」です。事実を正確に知り、本当のことを言わなければダメだ、ということです。

 

 今私どもも、何が「閉塞感」をもたらすもとになっているのか、その「敵」を理解する必要性があるでしょう。

 しかし、それだけでは足りません。今起こっていることを正確に知ること、そして、知るだけではなくて、それはハッキリと、パレーシアに言うことが必要だ、ということです。

 

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発達トラウマ障害が重いと、日常生活もままならない

2016-04-13 00:32:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

ティク・ナット・ハーンさんのはインドフルネスは、発達トラウマ障害の治療に役立ちます。同じ息を扱ってても、あの無知で無恥な「専門家」の息とは、天地の差があります。

 
ティク・ナット・ハーンさんとマインドフルネス
  マインドフルネス。愛着障害の子どもたちの治療に良いと、岡田尊司さんの本『回避性愛着障害』に出て来たけれども、それが何なのかいまひとつわからずに来ましたね。ただ...
 

 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の13日目。

今晩は、 「発達トラウマ障害≒愛着障害の証拠」の章の3日目。

 

 

 

 

 

 

 B.2. 身体の働きをコントロールすることが出来ない

身体の働きをコントロールする、年相応の力がない、ということは、睡眠、咀嚼、消化、身体的な刺激に対して過剰反応の、様々な障害を含みますこのような様々な障害は、日課が変更になった、という程度の弱いストレスがあるだけで、生じる場合があります。NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の臨床医の調査によれば、発達トラウマ障害の子ども達の3分の1は、ストレスに対して、重篤な生理学的な症状が出ます。NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の核になるデータによれば、発達トラウマ障害のある子ども達は、他の子ども達、PTSDの症状が重たいコントロール群と比べても、睡眠障害ストレスとに対する生理的な症状が、出る場合が多いです。CCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)のデータによれば、発達トラウマ障害のある子ども達の73%に、睡眠障害があります。リチャードら(2008)によれば、発達トラウマ障害のある子ども達の特色は、触れられることと音に対して感覚過敏がある、ということですし、また、発達トラウマ障害のある子ども達の半分以上に、多くの発達の領域で、微細運動の発達なども、発達の遅れや偏りがある、ということです。

 

 

 

 このように、発達トラウマ障害は、その障害が重いほど、タッチや音に過敏なほど敏感です。過敏に反応してしまいますと、その引き金、トリッガーになるタッチや音、あるいは、言葉が何かは、人によって違います。周りの人にとっては、何でこの子はこういう行動をとるのか、わかりません。しかし、いったん過敏な行動が起きてしまえば、いわゆるサバイバル脳が働いてしまいます。それは、サイレンが鳴っている時の、地震や火事から逃げるときみたいな、行動になってしまいます。理性的に物事に対処すると言うよりも、とにかく逃げましょう、と言う行動です。常生活もままなりませんね。

 


 

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