エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

被災地の雪は汚れていた

2016-04-10 23:21:22 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
三浦雄一郎さんの場合 命がけの悦び
  三浦雄一郎さん。一年前に話題になりました。80才でエベレスト登頂。3度目。 老化予防の専門家も驚くのは、三浦さんの筋トレや低酸素トレーニングではない。はっ...
 

 

 ヴァン・デ・コーク教授が、311の2年前の2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf

を翻訳して、10日あまり。この5年間の被災地の心理的支援が、いかに捻じ曲げられていたかが、ウソとゴマカシで満ち満ちていたかが、ハッキリしましたね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもだらけなのに、PTSDという、恵まれた環境で育てられた子どもにして初めて発症するレアケースを探すように、行政の支援体制が、間違って作られて、間違った方向に、お金も人も時間も投じられていたのですから。

 被災地の雪は白だと思っていたのに、実際には真っ黒だった!

 当然、ミスリードしてた人は、その責任を取って、その職はお辞めになったことでしょう。当然ですよね。間違ったことを、「専門家」面して、伝えただけではなくて、間違ったことで税金まで貰ってたんですからね。科研費では出ない、レンタカー台まで、税金からもらってたんですよ。5年もの間、イケシャーシャーと善くもやれたものだと感じます。

 今年度からは、心機一転、発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもを前面に出した心理的支援をやって、どうしたら、よりよい心理的支援が出来るか、知恵を出し合い、話し合って、そのシステムを作っていきたい、と考えているところです。

 

 皆様にも、平和がありますように。

 

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ホームを求めた内村鑑三

2016-04-10 10:30:40 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
臨床は、オープンマインド
  心の発達は積み木ですから、信頼が一番大事。信頼の弱いところでは、その次はない。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成...
 

 

 内村鑑三と言えば、「単独之幸福」、「独立」という言葉を好んだように、孤高なイメージがつきものです。でも、鈴木範久先生によれば、「ホーム」と言う言葉も大事にしていたと言います。ちょっと意外な感じです。

 でも、実際に、内村は、奥さんにも、お手伝いさんとして働いていた若い女性にも、櫛や赤い靴をプレゼントをした、と言いますよ。

 心づくしのプレゼント、それがホームを創る、と内村は考えたようですね。

 

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すべての町に、高齢者施設付きの公園を

2016-04-10 08:32:09 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
ユマニストの目と手
  ルネッサンスになると、人間はカメレオンのように変幻自在、「自由」になりました。しかし、それは恵みの始めであると同時に、呪いの始めでもありました。 Youn...
 

 

 弱い立場の人が、人間らしい暮らしをすることを支援するためには、いつでもトータルなヴィジョンが必要です。「人間を上下2つに分けるウソ」では、歯が立ちません。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.118の、第2パラグラフ、7行目途中から。

 

 

 

 

 

1つの解決法は、夢かもしれませんが、すべての街に、いつくかの公園を、よく手入れにされた庭のある公園を作って、誰でも使えるようにするのです。公園の真ん中には、年寄りのための住処を作るんです。まだ力がある時には、短い散歩もできますし、親類や親しい友人と公園を車いすで回れます。親類や親しい友人たちは、年寄りを訪ね、座り、テラスやデッキで、年寄りと話しもできます。私どもは皆、年寄りに話しかけ、年寄りの話にも耳を傾けることが出来ますもんね。そうすれば、皆に、その叡智を手渡すこともできると、皆も分かります。

 

 

 

 

 年寄りをどこか遠くにやるのではなくて、近くでいつでも関われた方が良い。それは障害者でも、心を病む人でも、犯罪を犯した人でも同じです。

 それは、国際障害者年の行動計画にあるように、「一部の社会のメンバーを締め出す社会は、病んで不毛な社会」だからです。あらゆる人を社会の中に留める社会ほど、身も心の魂までも健全な社会だからです

 

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発達トラウマ障害≒愛着障害のこどもは、集中力にも、お勉強にも課題がある

2016-04-10 07:29:19 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
臨床は、オープンマインド
  心の発達は積み木ですから、信頼が一番大事。信頼の弱いところでは、その次はない。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成...
 

 

 

 安心・安全の島が大事、陽気で楽しいことが大事。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.247、ブランクから。

 

 

 

 

 しかし、トラウマの記憶を治療することは、ほんの治療の始めです。たくさんの研究によって明らかになったことは、PTSDの人は、注意を集中することと、新しいことを学ぶことに、課題があることがとても多い、ということです。アレクサンダー・マクファーレンは、単純なテストをしました。マクファーレンは「一分間に、Bの文字で始まる言葉を出来るだけたくさん上げて下さい」と尋ねました。研究協力者の平均は15の言葉でした。PTSDの人は、平均3か4でした。普通の研究協力者は、「血」、「傷」、「レイプ」言う言葉を見せられたら、躊躇しました。マクファーレンのPTSDの研究協力者は、「木」、「アイスクリーム」、「自転車」みたいな普通の言葉にも躊躇するように反応しました。

 

 

 

 

 この場合、PTSDの人は、ことばを思い起こすことが難しそうですね、普通のことばにも、過剰に反応していることが分かります。学習にも、日常生活にも困ってしまいそうです。

 

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発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準 EからG

2016-04-10 05:56:20 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
子どもの貧困 最終回 安倍晋三政権の不作為(やるべきことをやってない)がいけないのです 改訂版
  子どもの貧困。その最終回。 マザーテレサに言わせたら、日本はパンも貧困。ハートも貧困です。 何故でしょう? それは政治的無作為。貧富の差を縮小し、...
 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の11日目。

今晩は、 「もう1つの別の診断」の章の2日目。発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準の後半です。

 

 

 

 

 

E.トラウマ後症候群。 この子どもは、3つのPTSDの症状郡、B, C, Dの内、少なくとも2つの症状群の症状が1つずつがある。

 

 

F.混乱の期間。(DTDの診断基準の症状群、B, C, D, E)が少なくとも6か月間は続く。

 

G.機能障害。この障害のために、次の領域の機能の2つの領域で、臨床上重大な困難や出来ないことが生じる。

     

     1)    学習面: 学力不足、授業に出ない、ルールを守れない、落ちこぼれ、成績が上がらない、教員との諍い、学習が出来ない、神経学的な理由などないのに知的な遅れや偏りがある。

     2)    家族面: 家族との諍い、家族を避ける/家族の言いなり、家出、家族がバラバラ、血の繋がらない家族がいる、身体的に、情緒的に傷付けようにとする家族がいる、家族内でいろんな責任が全うされない。

     3)    仲間関係面: 孤立、非行グルーブに入る、絶えず、身体的諍い・情緒的な諍いがある、仲間を避ける/仲間の言いなり、暴力や危険なことに関わる、年に相応しくないグルーブに入る、あるいは、年に相応しくない付き合いがある。

     4)    法律面: 逮捕/常習犯、拘留、有罪、投獄、執行猶予中の違反、その他の裁判所命令、違反するたびに、ますます重大になる規則違反、他者に対する犯罪、法、もしくは、常識的な道徳を無視、ないしは、軽視、

     5)    健康面: ケガや病気といった理由では説明できない、身体の病気と身体的課題、消化器系、神経系(転換症状、無痛覚を含む)、性的、免疫系、心肺系、固有受容系、感覚系が含まれる、重い頭痛(偏頭痛を含む)、恒常的な痛みと疲れ

     6)    職業面(休職中、ないしは、照会中の若者や、ボランティアや職業訓練中の若者も含む):仕事をすること/仕事に興味がない、仕事に付いたり、仕事を続けることが出来ない、同僚や上司と常に諍いがある、能力を生かしきれない雇用、期待された進歩が出来ない

 

 

 

 

 

 病気のところは特殊な用語が多く、翻訳しずらいものですね。

 さて、こうしてみると、発達トラウマ障害≒愛着障害がいかに広範な影響のある障害かが、分かります。一昨年、心理臨床学会の招聘されて講演された、ルース・ラニウス教授が、その講演でも言っていましたし、その後出版した『トラウマを負わされた本当の自分を癒す』 Healing the Traumatized Self』でも述べていますが、ありとあらゆる精神疾患(境界性人格障害、薬物その他の依存症、摂食障害、うつ病等)をもたらすことを考え併せても、捨て置くことが出来ない重病だということです。

 そんな子どもが溢れているのですから、今のニッポンの危機の最大ものが、私は発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達だと考えます。

 

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