細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

護ること

2013-11-25 17:23:12 | 人生論

先週末もいろいろとありました。

土曜日には、次女の度重なるリクエストにより奥さんが奮起して予約してくれた、劇場でのブロードウェイミュージカル「美女と野獣」の鑑賞。すごくクオリティの高い内容で、皆が満足しました。帰宅してからの夕食でもその話題で持ちきりでした。

日曜日には、借りているホテルから、新居への最後の荷物移動。これでほぼ完全に荷物が新居に移動しました。まだ船の中で揺られている荷物も多いですが、この数か月の引越し作業の大きな一区切りです。ほっとしました。

また、子供たちも日本での慣れた生活から大きな変化を経験していることは言うまでもありませんが、それぞれ苦労しているようです。一人で抱え込む必要はなく、少なくとも家族の間では情報を共有し、うれしいことも悲しいことも共有し、問題・課題があれば一緒に考えながら解決していくポジティブな雰囲気を家庭に構築したいと思います。強くそう思ったので、日曜日の夕方以降はそのような雰囲気になるように私も努力し、実践しました。明るい雰囲気で、子供たちは寝るのを惜しがっていました。

読者の皆さんには意外かもしれませんが、私には女性的な面もあります。Facebookでは子供たちのために作ったお弁当の写真を記録として残していますが、「え?あの先生が子供のお弁当なんか作るの?」という感想を持つ人も多いと思います。私にとっては、お弁当を作ることは自然な行為で、むしろ得意な仕事の一つです。

子どもたちが学校やスクールでの生活で少し困ったことがあると知ると、それを全力で護ってやりたいという本能的な感情が昨夜は非常に強かったです。母性的な感情なのでしょうが、私にはそのような傾向があるようです。

もちろん、実際の護り方はライオンキングの父親のように、父性的な護り方となると思いますが、とにかく、何があろうとも親だけは100%、子供の味方であることを、陰に陽に示してやろうと思っています。大丈夫、君たちのパパは強い。

「世に棲む日日」の中では、高杉晋作は、家庭的なものを捨てることにより、自身の命をかけての使命を果たそうとしました。

コンクリートの混和剤の大家である服部先生からも、「世界のトップを目指したければ、夫婦のどちらでもよいがトップを目指す方を、もう片方が完全に支えなければならない。支えられて研究に没頭しなければならない」というようなアドバイスを、修士課程のときにいただいたことがあります。

今日は、家の洗濯機の修理に業者が来るらしく、私はその対応をするために自宅で仕事、片付けをしています。初めて、家に掃除機もかけます。

お弁当作りなどの家事全般に私は関わりますが、高杉晋作の生き方や服部先生のアドバイスからはほど遠い。

でも、私はそれでよいと思っています。時代は変わっています。

これからも、高杉、服部タイプのように、自分の「道」に没頭し、世界の頂点を目指すスペシャリストは必要です。

一方で、タコ壺的な状況から、横断的に、システム全体がよくなるようにダイナミックに活動する実践的な人間が、以前よりももっと必要です。

横断的にやるためには、いろんな人の気持ちが分からないといけないし、いろんなことに興味を持てる人間でないとできない。全部自分でやる必要は全くないけれど、世の中にはいろんな人がいて、それぞれの役割があり、生きがいがあるべきであることを知ろうとする人間でないとできない。

インフラの維持管理の問題は、医療の問題と似通っています。また、これらの問題も、労働・雇用の問題も、教育の問題も、大学の問題も、防災の問題も、保育園の待機児童の問題なども、 それぞれがバラバラな問題というわけではなく、根っこは共通だったりします。

私はすでに自覚していますが、タコ壺的な研究・教育で世界のトップを目指せる人間ではありません。ですが、横断的な活動では、トップレベルに迫っていけると思っており、そうすることで社会に貢献できる、と思っています。

フランスでの生活の間に、また生活そのものからも学ぶことが多そうですが、普通の家庭の主婦と同程度に家事をすることで見えてくるフランスの面も多くあります。それも、私にとってはとても大きな経験・財産になることでしょう。

さて、今日はこれから家の全部屋に掃除機をかけ、ゴミ捨てもして、それから論文執筆です。

読書は「世に棲む日日」が終わったので、村上春樹の「国境の南、太陽の西」を読み始めました。村上さんの文章はやはり私には非常に心地よい。また、中野剛志さんの「保守とは何だろうか」も読み始めており、読み応えがあり、勉強になります。

午後は、ショッピングセンターに、おたま(スープなどをすくうやつ)と、長女と遊ぶバスケットボールを買いに行く予定です。長女の小学校でバスケットボールを授業や休み時間にもやるようになっているようで、私の得意なバスケットボールを教えてあげるよ、と約束したからです。長女の快適な小学校生活のための一つの手段になればと願っています。