いろんな本を並行して読み始めましたが、村上春樹の「国境の南、太陽の西」という本をスピード感よく読んでいます。
文庫本の裏の書評の一部。「日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作」。
村上春樹の作品で私が好きな点はいくつもありますが、その一つが見事に日常を切り取ること。私も何となく感じているのだけど、そこまで明確に意識しないようなことを次々と切り取ってくれます。
私も生きた生身の人間であり、今現在を生きていますが、すべてはこれまでの積重ねの延長であり、過去から逃げることもできません。
極めて真面目に生きているつもりですが、人間は100%善でも100%悪でもありません。私の中にも悪の部分はもちろんあります。それがたまに顔を見せることもありますが、ほとんどの部分を占めている善が、その悪を飼いならしながら、大人として前進しているつもりです。ですが、今の私から見ると、若いころの自分はもちろん自己制御ができておらず、そのころに感じていたことも、村上春樹の本を読んでいるとみずみずしく思い出されます。そして、それらは決して過去ではなく、今の私ともつながっていることをしっかりと認識できます。
この本もまだ3分の1も読み終わっていないですが、読むことによって感受性が敏感になるのが分かります。
今日の火曜日は、一週間の中で最もオフィスにいる時間の長い日(といっても夕方5時過ぎには退出します)なので、読み進めている「PC構造の原点フレシネー」のいよいよプレストレスとコンクリートの開発の部分を読み、日本の学生たちの研究指導をfacebookで行った後、集中して論文執筆を進めたいと思います。