昨日、私の母が日本に帰国しました。私たちのパリでの生活の第二ステージをがっちりと支えてもらい助かりましたし、普通の旅行とはかなり異なるパリを楽しむこともできたようで、私としてもうれしかったです。
パリでの家族の生活は軌道には乗ってきていますが、まだまだ変化の途中にあり、今週末に、ようやくホテルから住居に本格移動ができそうな状況です。
私の仕事も追い立てられていた状況がかなり収束に向かっており、戦略的に仕事と勉強をバランスよくできそうな状態になってきました。
もちろんですが、パリに来てからまだ一度も出張をしていません。土木遺産などを遠出して見学に行くこともまだできていません。奥さんの尽力で、パリでもシッターさんを見つけることができたので、子供たちのお世話をシッターさんがしてくれる体制ができてくれば、私もフランス国内や国外への出張をできるようになるかと思います。焦る気持ちもほとんど無くなってきていますが、少しずつ少しずつ。
今日はあまり天候が良くなく、昨夜からほんの少し頭痛がすることもあって、無理せずに仕事をしています。オフィスでは、ベートーヴェンの協奏曲を聴きながら仕事するのが気に入っています。
今朝思いついて、オフィスでの仕事を16時くらいに切り上げて、セーヌ川のソルフェリーノ橋を見に行くことにしました。オルセー美術館のすぐ近くにある、国際コンペでマーク・ミムラムさんの設計で建設された素晴らしい歩道橋のようです。伊藤学先生と久保田善明先生が書かれた「橋のディテール図鑑」という写真がふんだんに載っている本も購入し、これを参照しながら、橋の勉強をしたいと思います。セーヌ川には多くの優美な橋が架かっているのはもちろんですが、一つ一つをじっくり見ることから始めてみたいと思います。
フランスでの時間は私の人生においても非常に貴重な時間であることはもちろん認識しています。時間を無駄に過ごすつもりは全くありませんが、時間を充実させることは決して簡単なことではなく、ほんのちょっとした工夫の積重ねや、瞬間瞬間を大事に過ごすこと、でしかなし得ないと思っています。
スピード・ラーニングを核としたフランス語の勉強も、パリに戻ってきてから再開しました。とても楽しいので、諦めずに継続し、いろいろと感じながらステップアップしていければと思っています。
研究所での活動も、ほんのちょっとしたことを積み重ねていくことで展開を図ってみたいと思います。今日の午後は、私のいろいろな面倒を見てくれている技官の実験作業を見学させてもらうことにしました。また、よくコミュニケーションしている中国人の研究者とも会話し、執筆中の投稿論文の原稿のタイトルを教えてもらいました。興味深いものだったので、彼が時間のあるときに研究の内容を説明してもらおうと思っています。
「世に棲む日日」は三巻に入っており、高杉晋作がいよいよ大暴れを始めました。私も日本に戻ったら、もっと徹底的に実践しないと、と励まされています。
今朝は、4歳半の次女をスクールまで送りました。
歩いているときに、「1足す1は?と聞いて」と次女が言ったので、「1足す1は?」と聞くと、「2」と答えました。
「すごいね」とほめてやりました。
じゃあ、「1+2は?」 正解。 「1+3は?」 正解。 ほめてやりました。
何度か合計が5までの足し算をやった後、5を超える足し算を出したところ、不正解。
手をつないで歩いているので、片手を超えるとできないようです。次女もそれを分かっていて、次は5を超える足し算を出して、手を離して数え、正解。
数えている様子をちらっと見ると、両手を使って数えていることを恥ずかしく思う気持ちがあるようで、隠していましたが、それが正攻法であることを伝え、ほめてやりました。
しばらく、5を超える足し算が繰り返されました。ほとんど正解。問題を出すたびに、次女の左手が離れ、ほほえましく思っていました。
答えが10になっても問題なくできるので、いよいよ10を超える問題を出し始めました。
「3足す7は?」 正解。
途中でメトロに乗ったので、電車に乗り込むときや、降りるときは中断しましたが、スクールに着くまでずっと続きました。
「これはできないと思うけど、8足す7は?」 正解。
「すごいねー。もう一年生になれるね。」 とほめてやりました。
スクールに着いた後、先生のエミリーに、足し算ができてすごかったこと、8足す7までもできたこと、を英語で伝え、次女もすごく満足そうでした。
「夜も足し算をやりたい」とのことでした。
自分からやりたいと言い出した時に、それをアシストしてやると、グッと伸びるのでしょうね。
大学生や研究室の学生たちの指導も、このようにうまく行くとよいのですが、なかなかそうはうまく行きません。。。
11/10にフランスに戻ってきて、11/11がフランスの祝日であったこともあり、今日、11/12に久しぶりにIFSTTARにやってきました。
前回、10月下旬の滞在時はなぜかWiFiへの接続がうまく行かず、自分のオフィスに来るとインターネットを使えない、というあまりよろしくない状況だったのですが、今日はうまく接続できました。これでいろんな意味で体制が整ったので、私もフランス留学期間の本格発進の気分です。
今朝は、またオフィスでインターネットが使えないと急ぎの仕事ができないので、長女を通学バス乗り場で見送った後、近所のスターバックスでWiFiに接続して仕事。気が付けば2.5時間があっという間に立っていました。日本では、落ち着いた環境で仕事をする時間がほとんど取れないのですが、フランスでの時間のまず良いところは、集中できること。2.5時間の集中作業の後、通勤中にフランス語のスピードラーニングの勉強を行い、久しぶりのオフィスに到着しました。
研究所のオフィスでの時間は、現在は大きく分けると三つの過ごし方に分類できます。近い将来、四つに増えると思いますが、焦らないようにします。
一つは、急ぎの重要な仕事を片付けること。日本の仕事です。私の体はフランスにありますが、日本にいる多くの学生の研究指導はもちろんそのまま続けていますし、研究プロジェクトも私がどこにいようが関係なく続いています。また、学会関係の仕事も多く引きずっています。大学の事務作業などと合わせて、これらは当然に着実にこなしていく必要があります。先ほど、ノートにリストアップしましたが、思ったよりも数・量が減っており、安心しました。先日までの日本出張の成果です。
二つ目は、これまでの研究成果の論文投稿です。和文、英文ともに結構な量に上りますが、早めにこの仕事を軌道に乗せたいと思っています。
三つ目は、勉強。日本でなかなか読むことのできない分厚い書籍を読み込むことや、基礎固めのための勉強、将来の展開のための勉強です。
近い将来、増えるであろう四つ目は、こちらでの研究プロジェクトの展開。10/29に研究所の月例ミーティングで私が行ったプレゼンもその布石になるでしょうし、まずは研究室の研究者とコミュニケーションを個別に行い、彼らの行っている研究を知りたいと思います。全く焦るつもりはありませんが、先ほど、一番コミュニケーションを取っている中国からの研究者に、近いうちに研究の話を聞かせてくれ、とお願いしておきました。すべては布石です。
上記に含まれていない「急ぎではないが重要なこと」というのがもちろんあり、ときどきそれを進めるための思索の時間を持つことにしました。
以上のように、私のやるべきことはいくつかのカテゴリーに分かれるのですが、それぞれのカテゴリーのノートを作るのが良いように思っています。ノート自体も自身の財産になると思います。
さて、今日のオフィスでの仕事を本格始動です。ベートーヴェンの協奏曲を聴きながら、3時間強、集中した時間を過ごしたいと思います。
11/10にパリに戻ってきました。11回目の結婚記念日でもありました。奥さんが作ってくれたムール貝のワイン蒸しを、私は空港からの交通渋滞で少し遅れて参加しましたが、ディナーでおいしくいただきました。
家族はパリでの生活の第二ステージに入っています。第一ステージは9/10の渡航から10/12の日本への出発までで、義理の母が第一ステージの立ち上げを支えてくれました。
その後、VISAの取得や日本の住居の引越しなどのため全員で帰国し、10/24にパリに戻り、第二ステージが始まりました。第二ステージは、私の母が手伝いに来てくれました。奥さんもパリで働いていますし、また生活が確立できておらず、私の11泊の日本出張もあったため、母の手伝いはとてもありがたかったです。
そして、私の日本出張が終了し、ようやく家族の第二ステージに戻ってくることができました。母の帰国が明日に迫っており、その後は、いよいよホテル生活が終了して家での生活が始まります。それが第三ステージでしょうか。
とにかく家族の調子がよく、皆が元気で活発です。パリに戻ってきた夜の長女、次女の歓迎ぶりはすさまじく、父としてうれしかったです。
昨夜は私もトマトソースのイワシ、ナスのパスタを夕食に作りました。皆においしく食べてもらいました。パリ滞在中は日本での生活以上に料理をすることになりますので、電子図書のレシピも購入しました。レパートリーも増やしたいと思います。
パリ到着後、相変わらず日本の急ぎの仕事が舞い込んできますが、遅れていた「目視評価法」の原稿も執筆終了し、編集者に送りました。最近は、執筆する原稿が実務の方々を中心にしっかりと読みこんでいただけるので、執筆する側としてもありがたいです。締切りを過ぎていて恐縮ですが、恵まれた環境に改めて感謝しながら、パリのホテルで執筆しました。
11日はフランスの祝日でしたので、今日12日から研究所への通勤を始めます。
読書習慣が完全に復活し、今は「世に棲む日日」の二巻をとても楽しみながら読んでいます。遥か遠い存在ではありながら、吉田松陰の突き抜けた楽観思考や周囲を根こそぎ巻き込む影響力については、私も見習いたいところが多く、前回6年くらい前に読んだときよりも、もっと多くのことを感じながら読んでいるように思います。
本は読みたいものをそれなりに持参し、船便でも多く送り、電子図書でもそれなりに整備しました。フランス滞在中に退屈しないくらいの量は揃っていますので、大きな楽しみの一つとして充実した読書を行いたいと思います。
研究としては、博士学生の投稿論文の添削などが急ぎですが、いよいよ、自身の論文執筆に本腰を入れる状況になってきました。今回のフランス滞在の主目的の一つでもあります。早めに一本投稿を完了させ、波に乗れればと思っています。一本目は、書きかけの原稿である、山口県のひび割れ抑制システムのこ効果(ひび割れ抑制、表層品質向上)に関するものです。大事な論文と思いますので、落ち着いた環境でベストを尽くしたいと思います。
日本では身が入らなかった、フランス語の勉強、建設マネジメントの勉強も、本日から本格再始動したいと思います。
気球に乗っていると風を感じない、ということを聞きます。風に乗っているからです。
今日、11/9で日本出張の仕事を全て終え、明日の昼過ぎの便でパリに戻ります。
家族や職場の環境が驚くほど変化をしているのですが、すでに変化の真っただ中にいるので、自分自身はむしろ変化の流れに身を任せているような状況です。
8か月前はどうであったか。
4月から研究室の体制も大きく変化し、講義の負荷も例年の二倍程度となりました。
また、フランスに渡航することは家族としても決めていましたが、具体的にいつ、どのような形で渡航するかは未定。家をどうするのか、子供たちの学校や奥さんの仕事などももちろん具体的には決まっていない。家をどうするのかも大問題でした。
8ヶ月前の3月の段階では、その後に大きな変化がいろいろな点で生じることはもちろん分かるのですが、あまりに変化が大き過ぎて具体的に想像できない。そうするとプレッシャーやストレスになるわけです。あまり考えないようにしました。
実際に変化が始まると、日常で一つずつ段取りして対処していくことになります。奥さんも非常にたくさんのことをやったし、私もやりました。子供たちも環境の大きな変化に適応することは簡単なことではなかったと思います。
今日、ついにマンションの引き渡し。あまり楽しい作業ではありません。不動産会社やリフォーム業者などが合計で6~7人くらい来て、私は一人。敷金返還でトラブルが多いのはよく知っていますので、毅然とした態度で対応しました。日本の商習慣をそれなりには尊重しますが、あまりに理不尽な場合は策を講じることも伝えました。この辺りも年齢を重ねて経験を積むと、慣れてきます。
家を引き渡すと、日本には実家以外に戻るところは無くなりました。戻るところは家族の待つパリです。
大きな変化がまだしばらく続くと思いますが、いろいろな方々に支えられながら、家族で力を合わせて変化に対応してきました。傍から見ているとおそらくすごい変化だと思いますが、当事者は日々のプロセスを必死にこなすのみでした。
家の引き渡しが終わった後、大学に行って5つの研究の打ち合わせ。学生たちも一所懸命頑張ってますので、私にできるアドバイスはしましたが、主役は学生たちです。社会から注目されている研究も少なくないので、ぜひ全力で頑張ってもらえればと思います。
すべて終わりました。
勘違いでホテルを一泊少なく予約していたので、今朝、Hamed先生と別のホテルに急遽移動する、というハプニングもありましたが、大森のホテルで一泊して、明日、パリへ戻ります。
唯一やり残した、目視評価に関する原稿の執筆を自分の気分と相談しながら開始して、明日の離陸までに編集者にお送りしようと思います。
11泊の日本出張でしたが、非常に充実した出張でした。
以下、私の近い人には福島のバスの中でお話ししたことなのですが、ブログの記事にもしておきます。
私たちが住んでいた賃貸の住居を撤退して、パリで家族で住むことになり、すでにその生活が始まっています。
住んでいたマンションは川沿いにあったのですが、多くのマンションがスーパー堤防上に並ぶエリアで、駅までは徒歩でも十分に行けますが、バスを使う人も多いです。
どのマンションかは知りませんが、その辺りに住むあるご婦人(面識はない,30代中盤と思われる,もちろんきれいな人)がおられました。旦那さんは外国の方で、私の出勤時にご夫婦揃って出勤でバスに乗られるのも何度か見たことがあります。そのご夫婦にお子さんが生まれ、 おそらく奥さんは育児休暇中のようです。
10月30日に私が単身でパリから日本に帰国したとき、駅からバスでマンションの片付けに向かう途中、バスの中でたまたまそのご婦人が私の席の前に立っていました。買い物を終えてのご帰宅の途中のようです。ご婦人は私のことは認識していないようでした。
そのご婦人がブックカバーの無い文庫本を読んでいました。ときどき本から目を離してバスの窓から外を見て、ふっと微笑んでおられるような表情をしておられました。
二回くらいそのような微笑む状況があり、たまたま(でもないですが)、文庫本のタイトルが私の目に入りました。「世に棲む日日」。どうやら二巻のようですので、吉田松陰です。驚きました。
大人の女性が「世に棲む日日」を育児休暇中(あくまで複数の事実観察に基づく想像)にバスの中で読み、おそらく松陰の生き様に微笑む。とても素敵な光景でした。
そして、それに触発されて、私の職場の通称「細田ライブラリー」から世に棲む日日の文庫本4冊を持ち帰りました。フランスに持って行ってゆっくり読みたいと思いますが、今、もうすぐ新潟に到着する新幹線の中で一巻を読み始めましたが、非常に面白い。もちろん以前に読んだ本ですが、この激動の時代に読むと、また感慨深いものがあります。
非常に濃厚な日々が過ぎていきます。
6日はほぼ終日、研究漬けでした。
10:30~、カイロ大学のHamed先生の特別講義。ELSという構造物などの破壊シミュレーションに非常に強い解析ツールを用いた種々の研究について説明してもらい、ディスカッションも活発に行われました。共同で研究している津波による橋梁の破壊についても有意義なディスかションができ、よかったです。
13:00~、津波で甚大な被害を受けた津谷川橋梁のELSでの解析について、Hamed先生や林さん、日本人学生たちも含めてのミーティング。
15:00~、復興道路の田老トンネルでの目視評価、SWATの計測についての詳細打ち合わせ。
17:00~、小松君の博士論文の最終審査。
その隙間を縫っていくつかの研究打ち合わせや事務作業を行いました。非常に頭を使う一日でしたので、疲れました。
19:15~、最終審査終了後、副査をしていただいた石田先生にもお越しいただいて、小松君、Hamed先生と私とで天一にて懇親会、お祝い。しっかり仕事をした後の、気心の知れた方々との楽しい会話は最高の時間でした。
昨日、7日は土木学会の津波委員会の報告会とシンポジウム。無事に、盛大に終えることができたと思います。コンクリートライブラリーとして発刊できましたので、ホッとしました。
海岸工学の研究者たちと深く会話・交流することができ、田中先生を中心に私より若い幹事団に強力にバックアップしていただき、幹事長としての大役を何とか務め切ることができました。
報告会終了後の懇親会でも丸山先生や幸左先生らとおいしいお酒を飲みながら楽しく会話することができ、疲れが飛びました。
これで、幹事長を務めていた大きな委員会(JCIデータベース委員会、土木学会津波委員会)も無事に終了し、次々と肩の荷が下りていきます。
今日、8日は昼に新潟に着くように出発し、北陸地整の方々に表面吸水試験や目視評価など、表層品質に関わる勉強会でレクチャーをさせていただきます。これは、私にとっては慣れた業務ですので、楽しく議論させていただき、北陸での取組みが活性化するように尽力したいと思います。
日本出張は終盤に入っています。9日の土曜日は家の鍵を返却して、住み慣れた我が家の処理も完済。その後、大学で少し学生たちの指導をする必要がありそうですが、それで日本出張終了です。
10日の昼過ぎの便でパリへ戻ります。日本の様々なことが片付いたので、いよいよ本格的に私のフランスでの生活が、家族とともに始まります。少し不思議な気分です。
今日は金沢八景で研究室のOBOGバーベキューでした。三年連続で実施しました。今年はOBOGが少なかったですが、来年以降も続いていくことを期待します。
今朝、バーベキューの会場に行く前に、ドトールにて最終審査直前の小松君の発表の指導。PCでスライドを見せて発表してもらいながら、アドバイスをしました。内容はかなりブラッシュアップされてきましたが、あと一息です。
小松君の研究は、私が主査として指導する博士論文としては3つ目になります。これまでの3つは、結果としては全く異なる内容になりましたが、それが私のやり方を表しているとも思います。小松君の研究は、新しく来日したスリランカの留学生が引き継いで、発展させていくことになりそうです。
小松君の研究は、実は私が修士論文でチャレンジしようとしていたようなことを、はるかに高レベルにチャレンジしたものです。材料、部材、構造物のすべてのレベルで、実現象(実験、構造物の挙動)とシミュレーションを比較検証し、最終的には構造物の挙動を把握し、設計や施工でその挙動を制御しようというものです。設計や施工の情報以外としてひび割れの情報のみが記録された実構造物(東北新幹線の構造物)の挙動を時系列で解明することができたと思っています。
この研究の内容の本格的な論文投稿はこれからですが、このような研究を形に仕上げたのは私としては初めての経験です。
この研究の延長上には、PRCやRCのひび割れ幅算定式の検証や、場合によっては改良なども視野に入ってきます。当然チャレンジします。そのような研究も私にとっては初めてです。
研究とは何をやってもいいのですが、私の場合はやはりどんな研究を行うにしても、実社会とリンクした研究をしたいという気持ちが根底に強くあるように思います。
未熟な段階では、実社会とのリンクの程度が低い、弱いのですが、諦めずにコツコツやっていると徐々にリンクのレベルが上がってくる。実社会とは極めて複雑で難しいので、そう簡単にはレベルアップできませんが、コツコツやるしかない。
そして、そのような意識でやることによって、研究を通して実社会の実相が少しずつ少しずつ分かるようになり、それを研究にフィードバックする。ポジティブなスパイラルがわずかながら築かれ始めた感覚を持ち始めています。どの研究においても。
今回、私は10日程度の日本出張で来ていますが、かなり多くの時間を研究に割いています。事務的な会議も無いし、講義も11/5に行う90分のみ(これも、維持管理について90分、私の思うことを話すだけなので、研究に近い)ですので、その他の時間は当然に研究に使うに決まっています。当たり前ですが、復興道路の品質確保も、津波委員会のシンポジウムもすべて研究です。
非常に非常に未熟な稚拙な研究者としてスタートを切りましたが、コツコツコツコツと日々を重ねてきました。今朝の小松君の発表指導は、来日中のカイロ大学のHamed先生も見ていました。ときどき私が英語で内容の説明をしたので、彼にも十分に内容が伝わり、「とても良い研究だ。今後の展開もいろいろとあるのも素晴らしい。」と言っていただきました。曲りなりも褒めていただけるような研究を学生たちとできるようになってきました。
そして、やはり今回思うのは、私は研究が好きであること。それが最も大切なことかなと思います。
昨日,11/2は仙台から大宮まで移動して,大宮でランチを食べながら打ち合わせをしました。最終審査が11/6に迫った小松君の発表の打ち合わせ。すでにパワーポイントの原型はできているので,全体がよくなるような大きなアドバイスをしました。11/4の研究室OBOGバーベキュー@金沢八景の前に再度,細かいチェックをすることになりました。
大宮での打ち合わせの後,浦和の実家へ向かい,ゆっくりさせてもらいました。楽天を応援しましたが残念でした。でも,田中将大の気迫の完投には心を打たれました。
日本出張の第一ステージは東北でしたが,第二ステージは研究室の学生たちの指導が中心です。
11/4は近年では三年連続開催となった秋の研究室OBOGバーベキューです。とても多くのOBOGが集まってくれるので,非常に楽しい,食事もおいしいイベントです。
本日11/3の夕方にカイロ大学からHamed先生も私の招へいで来日されるので,明日のBBQには一緒に参加してもらって皆さんとコミュニケーションしてもらおうと思っています。
11/5(火)の10:30からは,大学院の「維持管理計画学」で一コマだけ講義をします。今学期,講義は一回だけですので何を話そうかと思っていますが,インフラの維持管理の今後の進むべき方向について私の考えを話したいと思います。
今回の出張が終わると,2ヶ月半くらい日本には戻ってきません。指導学生たちには今回の私の滞在期間中を活用してもらいたいと思っていますが,研究が順調に進んでいない学生にとっては私との打ち合わせは難しいようで,なかなかアポイントも取れない学生たちもいます。生きることとは,コミュニケーションすることです。私の指導のもとで研究を進めているのだから,私とのコミュニケーションは最も重要なことの一つのはずです。大人ときちんとコミュニケーションする,ということがとても大切な能力なので,逃げずにチャレンジしてもらいたいと思います。私たちも継続的に成長してきているのは,適切な,濃いコミュニケーションを信頼できる方々と重ねてきたからなのです。
11/6(水)にはHamed先生の特別講演や,林さんとのSWAT打ち合わせ,小松君の最終審査が予定されています。夜は,Hamed先生の大好きな天ぷらのお店で,副査としてもご指導いただく石田先生も一緒に,小松君と私と四人で懇親会。研究者,教育者が熱く語ることでしょう。これで第二ステージが終わり。
第三ステージはまた外回りで,土木学会の津波委員会の報告会・シンポジウム(11/7(木)@東大の浅野キャンパス,最寄駅:根津,当日参加受付も大丈夫と思います)と,11/8(金)の長岡での勉強会です。
長岡での勉強会では,北陸地整の方々がコンクリート構造物の耐久性向上や表層品質の評価方法などに多大な興味を持っておられるとのことで,招待していただきました。東北が走り始めていますので,全国に一気に広がっていくかもしれませんね。私にできることであればご協力させていただきます。
11/9(土)は家の引き渡し。これで5年以上住んだ思いでの詰まったマンションとお別れです。
11回目の結婚記念日である11/10(日)にパリへ出発です。記念日の夜に家族の待つパリに到着できますので,少しお祝いでしょうか。
日本出張、一つ目の山が終わりました。
宮古市の田老第六トンネルでの品質確保の打ち合わせ、ガチンコで心地よかったです。これはかなりの取組みになります。私も種々の経験をしてきていますが、これだけの関わり方をすることは初めてでしょうか。SWATや目視評価のために修士2年の学生も長期派遣することになりそうですし、最初のSWAT計測時には林さんが現場の指導に行きます。
田老の仕事を終えて、福島県の郡山へ。コンクリート技術大会のパネルディスカッションに登壇しました。非常に濃厚な情報発信がパネラー、コメンテーターから続けられ、会場からは長瀧先生、阪田先生、丸山先生という超大御所から非常にポジティブなメッセージをいただきました。復興道路の品質確保は多くの方々に認知されつつあり、我々も使命感とチャレンジ精神をかき立てられました。
パネルディスカッションの後は、原発の帰還困難区域にまで入る見学会に参加。帰還困難区域の中でもNEXCO東日本の方々がすさまじい使命感で常磐道を建設されている様子が詳しく分かり、感銘を受けました。様々な風評被害と闘いながらの建設です。もっともっと国民に知ってもらうべきだと思いました。私にも微力ながらお役にたてることもあると思うので努力したいと思います。
(パネルディスカッションにも一緒に登壇した、山口県の二宮さんと建設中の常磐道の上で。原発に近く,帰還困難区域の中です。)
充実した懇親会も終えて、一つ目の仕事の山が終わり。今日は浦和の実家に泊まって骨休めです。
その前に、大宮駅で途中下車して、最終審査の迫った小松君の指導を、ランチしながら行います。
明日、11/3には私の招へいするカイロ大学のHamed先生が来日しますので、またまた忙しくも充実した日々が始まります。