26.07.30 与 力 NO.497
時代劇などに登場する役職で警察組織的な役割をしていました。
一人の与力が数十人の同心を束ね、その一人の同心が数名の岡っぴき(民警)を差配して
都市の治安を守っていました。 でも、こんなもの遠くの昔になくなっていたものと思って
いましたが、少なくとも昭和30年代ころまで、奈良県の一部(柘植村・針村など)に、その与
力の名称が残っていたと聞いたことがある。
勿論、公的な役職ではありませんが大きな農家の一族を統率する役目を負っていた。
古来、他人様が作った農作物を盗むことはご法度中のご法度だったが、どんな社会にも中
には不心得者がいて、その禁制を破る奴がいる。
そういう奴が被害者側に取捕まった時には、その一家の長老的な立場の「与力」が、被害の
弁済をするとともに、不心得者の身柄を引き取りお仕置きをし、2度とそのような不始末をし
ないように一族の綱紀を引き締める役目を司った。
この場合の仕置きの方法は、その不心得者を一昼夜の「野壺」(糞尿溜め)に首までつける
(罰を与える)のが習わしだったと聞いています。
*差配(さはい) 指図すること。 取りまとめる事。
*ご法度(ごはっと) おきて 禁令 禁制。 ・・・続く。