28.02.13 混 ぜ る な NO.1068
「混ぜるな危険!」・・・と申しましたが、混ぜてよいものもあります。 天ぷらの廃油に苛性ソーダ―
を加えますと、まったくイメージが違った石鹸になります。 私の知人に金属工学をやってる人が
いました。 融点がく(1455度)固い材質のニッケルと、融点が低く(29度)の柔らかいガリウム
の特性を生かして、固くもあり柔らかくもある夢のような合金(歯科材料)を創る研究をしていました。
ニッケルの融点でガリウムを投入すると、ガリウムは気化し(飛ぶと言います)てしまい、反対にガリ
ウムの融点でニッケルを投入してもニッケルは溶解しません。 丁度氷の天ぷらを創るような難しい
研究でした。
あるとき、ガリウムをニッケル箔に厳重に包んで、融点に達して溶解したニッケルの炉の中に強制
投入したところ見事溶融に成功しました。 これを商品化し・企業を立ち上げるための組織作り・
事務所の選定・協力業者の探査・税務対策・人事採用などの事務方の仕事をすべて私がサポート
しましたが、業績が向上するとともに彼の性格と私の性格の不一致が顕著となって「融合」すること
が出来なくなり、残念ながら離別することになりその後疎遠になりました。
化学屋と事務屋の「融合」が一番難しかった。