岩手県矢巾町(やはばちょう)の中学2年の村松亮君(13)がいじめを苦に列車に飛び込んで自殺したとみられる問題で、村松君の母親(44)が11日、産経新聞の取材に応じた。
10日に初めて読んだ村松君のノートで、同級生からの暴力や悪口に苦悩していたことを知ったといい、「ここまでひどいいじめとは…。なぜここまで追い詰められる必要があったのか」と悔しさと憤りを露わにした。
元夫からの2年半ぶりの連絡が…
5年前の8月に(村松君の父親と)離婚しました。東京都内で中学1年と小学3年の娘(亮君の妹)と住んでいます。
初めは亮も(東京に)連れていったのですが、おばあちゃん子だったのですぐに「おばあちゃんが心配。岩手に帰っていいかな」と言い出したんです。本人の意思を尊重したら、こんなことになってしまいました。
(村松君が死亡したという)一報を受けたのは6日の午後5時18分でした。元夫とは2年半の間、連絡を取っていなかったので、びっくりしました。
久しぶりの連絡がこれかよと。7日にこちら(矢巾町)に来るまで、冷静でいられませんでした。悲しみ、驚き、戸惑い、(亮を預けた元夫への)怒りが入り交じり、言葉で言い表すことができませんでした。
遺体と対面し、現実を見て、何で死んだんだろうという疑問がわきました。なぜここまで追い詰められる必要があったのか。
相談あれば「行くな」と言ったのに…
(村松君と)連絡が取れていれば、いじめのことを言ってくれたかもしれない。私なら「行くな」と言いました。亮の姉も同じ中学校に通い、いじめを受けていました。「行くな」と言いました。所属していたバレーボール部の顧問が親身になってくれました。学校とは関係なくだったと思います。
10日に初めて(村松君の生活記録)ノートを見ました。子供たちがこう(死を示唆する内容)書いているのに、他の子でも「研修たのしみましょうね」と書いてしまうのでしょうか。
生徒が40人もいれば、面倒みるのは大変でしょう。先生も人だから。でも「死ぬかも」とか「生きているのが嫌になった」とかつづっているのだから、一言でいいから元夫か、おじいちゃんに電話してくれていれば…。(学校に対しては)不信感だけ。
1年生のときの担任はすごくいい先生でした。1年生のときの担任なら助けてくれたと思います。引き継ぎしていなかったのかなぁ。亮は「何とかしてほしい」と頼んだのでしょう。
いじめ、ここまでひどいとは…
ここまでひどいいじめとは思っていませんでした。(いじめていたという)子たちを恨んでもしようがないが、この先、どういう人生を歩むのでしょうか。
(同じ中学校で)他にもいじめられている子がいると思います。全国でいじめられている子には「死ぬな」と言いたいです。中学校では「(今回の件を報道機関などに)言うな」と(箝口令が)出ているらしいです。
(村松君は)最初は卓球部に入りたがっていたらしい。でも(ラケットで)ポンポンと20回以上できないと入れないと言われてバスケ部に入ったそうです。バレーボール部でも、文化部でも良かった。絵を描くのが好きだったんです。
(いじめた子は)バスケ部にも同じクラスにもいるそうです。「人の嫌がることをするな」。この子たちにそう言いたいです。亮が何をしていたか分からないが、うちの子が悪いことをしていたら、私は土下座でもします。世の中はおかしい。いじめはなくならない。だけど、何かしたら、いずれ返ってきます。