新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

中小病院と拠点病院のすみわけ政策

2013-04-15 22:51:05 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。いろいろやることは多いのですが、終わらないものですね。

頭の中で明日はこれとこれを少なくとも仕上げないと・・・と思っております。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します

外来医療の機能分化と連携

 中央社会保険医療協議会(中医協)が入院、外来、在宅医療をめぐる「包括的な議論」を一巡させ、2014年度の診療報酬改定に向けた論点が少しずつ見え始めている。現時点で浮上しているのは、外来診療の機能分化や急性期病院の在院日数短縮、在宅医療サービスの量的確保と質の担保など―。社会保障・税一体改革をにらんだ2回目の報酬改定の焦点は? これまでの議論を整理した。【兼松昭夫】

【「外来医療の機能分化と連携」詳細】


 中医協による現在の議論は、前回改定の答申書と共に厚生労働相に提出した附帯意見がベース。この中には、長期入院の実態を横断的に把握するための調査実施など計18項目が盛り込まれ、中医協では、これらの調査結果がまとまってから、テーマごとの本格的な議論に入る。厚労省は、附帯意見に盛り込まれなかった課題についても、必要なら順次取り扱う方針だ。

■大病院の一般外来は一層縮小
 3つの分野のうち外来の見直しは、12年度報酬改定の議論でもテーマになった。その結果、大規模病院(特定機能病院や500床以上の病院)の一般外来を縮小させるため、紹介状なしにこれらの病院を受診した場合には、初診料や外来診療料を引き下げ、差額分の患者への請求を認めるなどの措置を取った。診療所などとの機能分化を推進し、大病院の医師の負担を和らげるのが狙いだった。
 中医協の附帯意見では、入院や外来医療に関して、「機能分化の推進や適正化について引き続き検討を行う」こととされており、次の報酬改定に向けても対応を話し合う。

 中医協は1月23日の総会で、外来診療をめぐり1回目の意見交換を行った。この日のポイントは、同省が提示したイメージ図だ。 介護保険施設なども巻き込んで相互連携し、外来ニーズに応えるという内容で、患者がアクセスしやすい中小病院や診療所では、「全人的かつ継続的な診療」を、地域の拠点病院では「専門的な診療」をそれぞれ提供する形が示された
 中小病院や診療所が担うのは、
・複数の慢性疾患を持つ患者への対応
・必要なときにいつでも連絡が取れ、適切な指示を出せる体制づくり
・専門医や介護保険施設などへの適切な紹介
・継続的な服薬・健康管理
など。

 これに対して拠点病院の課題には、医師による外来業務の負担軽減や、専門外来の確保、一般外来の縮小などを列挙した。

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別に大規模病院にいるから「専門だけ」診るわけではないのですが、前も書きましたが専門的なこと以外までやりだすと時間が足りなくなります

患者さん1人に10分の予定で予約を組んでも、だいたい1時間以上遅れます。僕が遅いだけかもしれませんが、まともに患者さんの話を聞けばそうなります。しかも一部の患者さん(白血病や悪性リンパ腫の経過観察中の方)では5分以内には終わるようにしていても、そうなります。

 

そこに高血圧などの生活指導などを組み入れるとさらに時間が推してきます。

 

そういう意味ではここに書いていることは正しいのでしょうけど、別に僕たち専門診療をしている医師が「全人的」に診なくてよいわけではないですし、診るつもりでいます

ただ、あくまで外来診療に関して「専門」に特化し、他のことまでいろいろやらないというやり方で『機能わけ』をするということでしょうか。

 

それでは、今日はこのあたりで。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

P.S

こちらの記事も気になりましたので、参考程度に紹介します

新しい「出生前診断」では、妊娠した女性の血液から、胎児に染色体異常があるかどうかがわかるという

妊婦の血液を調べることで、胎児に染色体異常があるかどうかを知ることができる新型「出生前診断」が、今年4月1日より昭和大学病院などではじまった。この新しい診断方法は、従来行われてきた羊水検査よりも、妊婦の身体に負担が少ないというメリットがあるという。一方で、「人工妊娠中絶の増加につながるのではないか」という反対の声もあがっている。

染色体異常の一つとして、ダウン症が知られているが、その発症確率は、妊娠した母親の年齢との相関関係があると言われ、女性の年齢とともにリスクも上がるという。そのため、高齢出産に不安を感じる女性を中心に、新しい診断方法が広がっていくとみられているが、異常が見つかった場合には、妊婦が人工中絶を選択することもありうるのが現実だ。

では、そもそも、人工妊娠中絶は法的にどう解釈されているのだろうか。刑法には「堕胎罪」についての規定(212条)があり、「妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する」と書かれている。はたして、「染色体に異常があった胎児」を法的に中絶してよいという根拠はあるのだろうか。東川昇弁護士に聞いた。

●母体保護法の拡張的運用で「人工中絶」が広がった

まず、東川弁護士が言及したのは、人工妊娠中絶の条件を定めた母体保護法だ。

「母体保護法14条1項1号は、『妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある』場合には、指定医師が、『本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる』と定めています。これが拡張的に運用されてきたために、人工妊娠中絶の件数は飛躍的に増加してきたといえます」

このように述べたうえで、次のように続ける。

「この条文の定める要件の有無の判断は、人工妊娠中絶をなしうる指定医師に委ねられています。そのため、堕胎罪の取締りは実際にはほとんど行われないようになり、その結果、現在のわが国では、堕胎罪は事実上『非犯罪』化されたともいいうる状況にあります」

つまり、母体保護法の拡張的な運用により、刑法の「堕胎罪」は有名無実化しているといえるのだ。

「このような状況において、ダウン症胎児の堕胎が、法的承認なく、当たり前のように行われてきました。そこに今回の『新出生前診断』が登場したということです」

●「新出生前診断」にもとづく人工中絶に対する懸念

日本産科婦人科学会は3月9日、妊婦の血液で胎児のダウン症など3種類の染色体異常を高い精度で調べる新しい出生前診断『母体血胎児染色体検査』の実施指針を理事会で決定。4月1日から、昭和大学病院などで診断が始まった。

このような動きについて、東川弁護士は「強く異議を唱えたい」と口にする。「ダウン症児などは、この世に貢献できない悪しき存在として、その生命を抹殺してもよいというのでしょうか。健常者のおごり高ぶった姿勢の現れといえるでしょう」

出生前診断にもとづく人工妊娠中絶は「生命の選別」につながるのではないかと、倫理的に懸念する声があがっているが、法的な観点からも疑念があるといえるだろう。そもそも人工中絶をどのように評価すべきなのか、立ち止まって議論すべき時期にきているのかもしれない。

 

 

コメント (2)
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