こんばんは
3月ももうすぐ終わり、新しい年度が始まろうとしております。それに合わせて送別会や歓迎会が色々予定されております。そうでなくてもかなり飲み会が多いのですが・・・
このblogはもともと医師不足や医療制度の問題に関して書いていたものです。今から10年前に最初のblogを立ち上げ、そちらは月に14、5万人来てくださるほどになっていました。
その頃はこういった内容に関して色々突っ込んで書いていたものですが、こんな話が出てきました。
医師の残業 法施行5年後に規制へ
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170323-00000220-fnn-pol
フジテレビ系(FNN) 3/23(木) 4:54配信
「働き方改革」をめぐって、政府が、医師の残業時間の上限について、法律を施行して5年後に規制をかける方向で検討していることがわかった。
政府は、残業時間の上限を年間「720時間以内」とし、忙しい月は「100時間未満」とすることを盛り込んだ法案を提出したい考え。
しかし、医師については、患者の求めがあれば、診察や治療を行う義務があるため、法律施行後5年間は「猶予期間」とし、その後、残業時間の規制を設ける方向で検討していることがわかった。
医師を増やすためには、医学部の定員を増やすなど、時間がかかることも背景にある。
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う〜ん、今はもう無理だと思いますが、30歳頃は1年で1日しか病院にいなかった日がなかったり、翌年も年末年始、夏季休暇合わせて10日くらいしか病院にいない日がありませんでした。
まぁ、医師ってそんなもんだと思っていましたが、この2年間で体重が65kgから53kgまで落ちたのを覚えています。うちの嫁さん(当時は結婚してませんが)から「休めばいいのに。けど、休むと患者さんに不利益だよね」と言われていました。
そういうところではすごく理解がある妻です。
まぁ、それは良いのですが、朝7時に出勤して、夜12時頃帰るという日常だと・・・16時間くらい働いていることになります。血液内科だと夜中呼び出される回数がかなり多いので、さらに働いている時間は長くなったりします。
僕が30歳前後の時はともかく「上司の負担を減らす」というつもりで、全ての患者さんを把握し、全ての急変に対応するようにしていたので、こんな風になっていました・・・。当たり前ですが、残業代なんてありません(笑
ということで、残業というのは本当に認識されているのか・・・という話になりますが、ついにこんな話が出てきたのだなと思います。
ただ、ここで一つ。「医師国家試験の結果発表:うちの大学も成績が落ちるばかりなり」というこの1つ前の記事にも書きましたが、良い学生を育てるためには「良い教官」が「質の良い教育」をしなくてはいけません。学生の数を増やすなら、教官の数も増やすべきです。教官の数が増えても教育する時間がなくてはいけません。
しかし、教官の数を増やすといっても医師は全体的に足りていませんので、無理やり集めればどこかに歪みが生じます。
教官の数が増やせないならば、大学病院の医師の待遇を改善して教官らが教育や研究、臨床に専念できる環境づくりを早急に行うべきだと思います。
今の大学病院はそういうシステムになっていないです。少なくとも「教師」としての給与しかもらっていないため、一般の医師と比較してかなり大学病院の医師の給与は低い。そのため「他の病院」でアルバイトをして、他の医師より少し少なめの収入を得ている状況です。
かといって、アルバイトを禁止にして「教育」「臨床」「研究」に没頭しなさい・・・といっても、今度は収入が仕事に見合わないため、良い医師が集まりません。質の良い教育を行える医師が集まらないならば本末転倒です。
今までも書き続けていますが、最初に行うべきことは大学病院の待遇改善です。それをやらなくては「医学生の質」、ひいては医師の質の改善が見込めない。
医学教育の質の改善が必要:教育提供体制の改革が必要・・・全く同意見です
医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う
10年前から同じことを書いているのですが、まずは「大学病院の質の改善」「教官数の確保」から始まり、大学病院の医師が大学病院での「臨床」「研究」「教育」に集中できる環境を作ります。そうでなくては医学教育の質は低下するに決まっています。仕事量が増えるだけなんですから。
そう僕は考えています。どうしてそういう話が出ないのかが僕は不思議です(まぁ、大学病院の医師のアルバイトで成り立っているところもあるからなのかもしれませんが・・・。ますますよくわからない)。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。