こんばんは
明日から釧路やオホーツクの方で活動するため、月曜日の夜か火曜日にならないとコメントの返信ができません。医療の関する質問などでお急ぎの方もいらっしゃるかと存じますが、ご容赦いただければと存じます。
明日の出発は6時なので、12時前には寝る予定ですが、その前に一つ記事を紹介します。
フェイスブックで知りました記事を多くの方にお知らせしたいと思った次第です
2016年度、自治体病院の6割超が赤字で、経営状況はさらに悪化—全自病
http://www.medwatch.jp/?p=14846
自治体病院(地方公営企業法適用病院)における2016年度の決算見込み額を調査したところ、赤字割合は前年度から4.9ポイント増加して62.8%となり、黒字病院は37.2%にとどまる。黒字病院の割合は、2009年の40.1%から2010年度に52.3%に増加したが、その後、2011年度:51.9%→12年度:48.4%→13年度:44.5%→14年度:43.3%→15年度:41.0%→16年度:37.3%と減少を続け、非常に厳しい状況である—。
全国自治体病院協議会(全自病)の邉見公雄会長は、12日の定例記者会見でこのような状況を明らかにしました(全自病のサイトはこちら:「平成28年度 決算見込額調査報告書(平成29年3月31日)」をクリックしてダウンロード可能)。
なお働き方改革について邉見会長は、「一般と同じ時間外労働規制をされれば、産科や救急など、日本の地域医療は崩壊してしまう。地方(田舎)の医療を支えている全自病の考え方を9月に公表する」考えを明らかにしました(関連記事はこちら)。
(以下略)
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自治体病院、特にある程度の大きな病院になると産科や救急など「赤字になりやすい」部門を削るわけにも行きませんし、診療報酬は減らされているし・・・赤字が増えるのは理解できます。
赤字が増えると当然、そこに税金が使われて行きます。
自治体病院の中には小さいながら「ある自治体」の住民を支えるのに不可欠のように見える病院があります。実際は無くなったら無くなったで、どうにかなるのだと思いますが、住民の不安は増大します。
そのため、自治体病院をなくすという話がなかなか出ないわけですね。
僕は以前から3つのことを書いております
「医師は増やすべき」だが、医療教育システムが半分崩壊しているから医学部新設よりは今の大学病院勤務医の待遇を改善し、教官となる医師を集めた上で医学生を増やす方が良い・・・という考えが1つ。
医師の残業規制:最初にやるべきなのは大学病院の待遇改善だと思う
医学教育の質の改善が必要:教育提供体制の改革が必要・・・全く同意見です
医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う
(過去記事です)
もう一つは医師や看護師など不足している医療従事者を分散配置すると、病院ごとに各個撃破されてしまうので、時間的距離を縮めて(輸送手段などの開発)病院の集約化を進めるべき・・・という考えを書いています。
医師の集中と通院(搬送)時間の短縮が必要:医師の長時間労働問題
医師の長時間労働とストレスの話:医師が自分を「スイッチオフ」できるシステム作りを
若手医師の勤務時間報告より:システムの改善は必要だが、患者さんが求めているものから入るべき
OECD dataより:病床の集約化と回転効率の上昇、そして時間的距離の短縮が必要
あとは医局ごとに色々違う診療内容(自分たちがスタンダードと思ってやっているので・・・だいたい)の良いところを取り入れ、悪いところ(改善できるところ)を治すようにするとより良くなるだろう(横の連携強化)という考えを持っております。
ある自治体病院がある街でどのような病院があるかで対応は変わると思いますが(自治体病院が3次救急などを行なっている場合、他病院との連携容量など、他に大きな病院があるならば、他との差別化をどう測るか)、状況によっては輸送手段を確保して病院閉鎖も選択肢ではないかと思いますけどね。
その方が医師や看護師の勤務体制は改善しますし、医療システムもよくなり患者さんにも有益だと思いますけどね。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。