こんにちは
今日も病棟は安定しています。いつも安定しているとよいのですけどね。
先程、Pneumocystis pneumoniaのため入院していた患者さん家族に説明し、近日中に転院という方向で話が進みました。
前教授の退官パーティの日に呼吸困難で運ばれてきて、僕と研修医で対応して(僕はそのためパーティには参加せず)挿管して治療して乗り切った患者さんですが、80以上という高齢というのもありADLがなかなか保てず
(現時点での問題点:食事と歩行のみ)
御本人と家族の了解を取って家の近くの病院で転院先を探すことになりました。
まぁ・・・救命できたからよかったです。家族も喜んで帰っていきました。
と、書いている間に病棟に呼び出されて今まで対処していました。安定していると言いましたが、一般的には安定しているうちに入らないのでしょうね
まぁ、頑張ります~♪
医療・教育・社会福祉に力を入れなくては駄目だと書いてきましたが、教育費だけでなく研究費も基本的に国からの支援は「日本」はOECDでも低い国です。
それがこんなところにも出ているといってよいのではないでしょうか?
読売新聞です
iPSで日本抜かれた
「米に1勝10敗」開発者の山中教授
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090419-OYT8T00309.htm
山中伸弥・京都大教授が世界に先駆けてつくった新型万能細胞(iPS細胞)は、アルツハイマー病や骨髄損傷などの治療を可能にする再生医療につながるとして、世界中で研究競争が激化している。
しかし、日本は米国に押され気味だ。さらに再生医療に力を入れるオバマ政権誕生で、日本発のiPS細胞も、その果実はさらわれつつある。
(ワシントン支局 山田哲朗、科学部 木村達矢、米山粛彦)
オバマ大統領は再生医療重視
「オバマ大統領は生命科学に理解が深く、これで再生医療が前進すると、業界は沸き立ってますよ」。全身の筋力が徐々に失われる筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)(ALS)患者に対し、世界初の再生医療の臨床試験を、今夏にも始めるニューラルステム社(米メリーランド州)のリチャード・ガー社長(56)が語る。
同社は、神経の元になる特殊な細胞(神経幹細胞)を中絶胎児から採取し、培養・凍結保存する技術を確立。この細胞を患者18人の脊髄(せきずい)に注射し、失われた神経の働きを取り戻す方針だ。
ALSは往年のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグが発症した病気として知られ、治療法がない。ガー社長は「毎日のように、世界中から研究の進み具合を尋ねる電子メールが届きます」と誇らしげだ。
ブッシュ前大統領は生命倫理の観点から、人間の受精卵を壊して作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦政府助成を禁じていた。iPS細胞とほぼ同じ性質を持つ万能細胞のことだ。これに対し、オバマ大統領が3月9日、助成を解禁する大統領令に署名すると、経済危機で低迷していた同社の株価は反転上昇した。
ジェロン社(カリフォルニア州)も今夏、人間のES細胞を使って、脊髄損傷患者8~10人を治療する世界初の臨床試験をスタートさせる。オバマ大統領が就任した3日後、米食品医薬品局が臨床試験を承認したと、同社が発表した。日本の患者団体「日本せきずい基金」の大浜真理事長は、「日本でも早く同様の治療を始めてほしい」と期待する。日本では、米国のような動きはまだないからだ。
悲壮感
「研究競争は非常に激しいが、iPS細胞というと必ず日本が出てくる状況を5年後、10年後も何としても維持したい」。3月31日、優れた医学研究者に贈られるガードナー国際賞の受賞記者会見で、受賞の感想を聞かれた山中教授の発言には悲壮感すら感じられた。
主要科学誌に昨年掲載された国別のiPS細胞関連の論文数は、日本の1本に対し、米国が7本、ドイツが1本。日本オリジナルだったはずのiPS細胞研究はすでに、「1勝10敗」(山中教授)と、苦戦を強いられている。
米の研究者・予算は日本の10倍 治療活用などの技術、特許化狙う
こうした日米格差は、なぜ生まれるのか。一つは研究者数の違いだ。ES細胞やiPS細胞などの研究者が集まる国際幹細胞研究学会の会員数は米国人1128人。日本人は118人で10倍の開きがある。
研究予算も差がある。米国は再生医療研究に、国立衛生研究所だけで年間約940億円の予算を組む。オバマ大統領は科学技術予算の上積みを決めており、研究費はさらに増える見通し。カリフォルニア州が10年で3000億円、メリーランド州が1年で23億円など、各州政府も独自に助成する。
日本政府もiPS細胞を将来の産業の柱として位置づけ、今年度に55億円の研究費を支出する。再生医療全体では200億円を投入。景気対策の補正予算でも大幅な上積みをめざすが、「日米の研究費には10倍以上の差がある」(内閣府)のが実情だ。
大学での研究成果を産業につなげる手法も確立されていない。ニューラルステム社のような再生医療関連の企業数は、米国内で80社超。対する日本は10社余りしかない。京大は昨年9月、マウスや人間のiPS細胞作製方法について国内特許を取得した。しかし、世界の医薬品市場(66兆円)の半分を占める米国で、誰がiPS細胞の特許を握るかは米特許商標庁が審査中で、まだ見えてこない。
米国の研究者たちは、山中教授とは別の手法で、より効率的で安全性の高いiPS細胞を作製したり、iPS細胞を心筋や神経など様々な細胞にして治療に活用したりする技術の特許化を狙う。カリフォルニア州にあるアイズミ・バイオ社は、製薬大手のバイエルが山中教授とは別手法でつくって特許出願したiPS細胞を使い、臨床応用を急ぐ。
このままでは山中教授のノーベル賞受賞はあっても、政府が膨大な予算を投じる研究成果の大半がさらわれかねない。ガー社長は、「山中教授は研究以外の雑務にも忙しいはず。日本型モデルは大学に頼りすぎているのではないか」と指摘している。
廃棄受精卵の使用がES細胞助成の条件…米国立衛生研
【ワシントン=山田哲朗】
米国立衛生研究所(NIH)は17日、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究指針を公表した。オバマ大統領がES細胞研究への助成を解禁する大統領令に署名したのを受けたもので、指針は、連邦予算による助成対象を、不妊治療施設で余ったため廃棄される運命の受精卵を使った研究に限定した。最初から研究目的で受精卵を作るなど論争の多い手法に対しては助成を禁じた。
(2009年4月19日 読売新聞)
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実際のところ、こういった分野の発達により新たな産業も生まれるでしょうし、患者さんの役にも立つはず
そう考えると「研究費」などに関しても国はもっと関与してもよいような気がします。それをいかに国民に還元するか、そのシステムも作らないといけないでしょうね。
日本の場合は「研究費」の大半は「会社」から出ています。これは先進諸国では同じ傾向があるようです。しかし、ここまで国家の関与が少ない国も珍しいのではないかと思っています
先日OECDのDataを提示して教育などに関して書きましたが、今回は文科省でだしているDataを紹介します
国の負担率は他の国々が30%以上はあるのに、日本は18%程度と一カ国だけ低いわけです。 直接的に経済への影響が少ないと、あまり国庫負担はしない国が日本のようです。
教育も医療も重要なんですけど、すぐに結果がでない分野に対する「先行投資」が日本という国は少ない。 そう感じています。
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本当はそういう分野(結果がすぐにはでない分野)にこそ投資しておくべきだと思うのですが・・・。
さて、今日はいったんこのあたりで失礼します。