こんばんは。
今帰ってきました。
さて、今日は疲れたので、こちらの記事を紹介して、寝ます。というか、昨日当直明けに本を2冊買ってきたので、それを読みたいのもあるのですけど
因みに買ってきたのは
「ザ・クイックニング」
「超訳・ブッダの言葉」
の2冊。
まぁ、まずは読んでみたいと思います。
論文も早く書きあげたいのですけど・・・ね。
日本新薬が急伸、骨髄異形成症候群治療薬の薬価承認
サーチナ 3月3日(木)10時42分配信
100ミリグラム1瓶4万9993円。米系証券では「想定以上に良い価格である」としている。また、一部では日新薬ではビダーザを11日に発売する見込みで、2015年度に52億円の売上高を見込むと伝えられた。ピーク時年商は200億円程度と見られ、市場予想の150億円前後を上回る。骨髄異形成症候群とは高率で白血病への移行がみられる予後不良の難知性疾患。(編集担当:山田一)
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ビダーザ:アザシチジンですが、僕も患者さんに使いたくて待っていた薬です。実際にこの治療薬の登場を待っていた患者さんは何人もいます。薬剤部からも電話を受け(日本新薬のMRさんが、どうも薬剤部に僕の名前も出したらしい)、使用する体制を作っておりますが…この薬はたぶん大きな問題になると思います。
別に、この薬はいい薬です。
皮下注、もしくは静注で1日1回7日間投与して、3週間休薬。これを繰り返します。
骨髄異形成症候群
この病気は僕は患者さんに
「血液の不良品を作ってしまう病気」:「医学用語では無効造血」
「不良品の一部は白血病細胞」:「医学用語では白血病の前癌病変」
という点をお伝えしていますが、High risk MDS(IPSS)は 0.4年・・・という白血病よりたちが悪いと言わざるを得ない。IPSSのInt-2で1.2年くらい。
移植できない年齢だと非常に厳しいですが、それらの予後を大きく改善する可能性があります。
しかし、それだけ多くの患者さんに使うことになると、それだけ血液内科の余力はなくなっていきます。さらにこれは良いことではあるのですが、今までは亡くなっていた患者さんが助かるのです。頑張ったら治療法がある患者さんが増える。いいことです。本当にいいことなんです。
非常に良いことですが、僕らは自分たちの首をどんどん絞めていくことになります。
今までは助からなかった人が助かる=患者数が増える。
医師の負担はそれだけ大きくなります。
僕はこの薬にも期待していて、たぶん新しい薬を使うのが一番早い方(レボレードは後輩が最初に使いましたし、僕はまだ使っていない)ですが、それでも将来病棟が回っていくのか不安です。
医者の数を増やしてほしい。
本当に・・・。そう思っています。
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何で良い薬が出ているのに、それを不安に思わなくてはならないのか?
不思議に思います。
それでは、また。
私の父も待ち望んでいた薬でした。もぅ他界しましたが、 これから 少しでも 希望がもてる 薬が 承認になり 私も嬉しく思います。 もぅすこし 早ければ 父も まだ 生きてたのかなっと 思うと残念な気持ちも あります。 先生も 体調気をつけてくださいね。
こんばんは、コメントありがとうございます
アザシチジン、本日薬価収載されたはずです。うちの薬剤部にはもうすでに内々には頼んでありますが、改めて届け出をして患者さんに使えるようにしたいと思います。
多くの人が有益な薬を使えるようになればよいのですが、血液内科医が足りるかどうか。病棟もですが・・・
また、コメントいただければと存じます
主治医は、全国から患者が押し寄せる知名度の高い某大学病院の教授先生です。(私も他府県から、セカンドオピニオンでご相談し、この先生なら命を預けよう・・・と決めました)このブログにあるように、「今までは助からなかった人が助かる=患者数が増える。
医師の負担はそれだけ大きくなります」は、かなりショックな言葉です。だったら、患者数が増えないように、患者は死んだらいいの?って思えます。私の主治医は絶対言わない言葉です。(もちろん私の先生も、食事なんかまともに取ったことないね・・って、笑っていましたが)ATG入院の時も、副作用で死ぬ目にあいましたが、毎日病室に来てくれ、手を握ってくれました。看護婦長が言ってました。何人もの先生に仕えたけど、こんな優しい先生は初めてだと。私は、今の先生に出会えた事が、生きてきて一番ありがたい事だと・・・どうぞ、こんな先生になってください。
こんにちは、コメントありがとうございます
はじめまして。
書き方が悪かったようです。申し訳ない。
ただ、現実はそういう状況にあるということだけ、多くの人に認識してほしいとは思っています。
多くの人が助けられるようになっても、患者さんをTriageせざるを得なくなりつつある状況。それが今の日本であるということを伝えたいだけです。
患者さんにショックを与える書き方をして申し訳なく思っていますが、全ての患者さんにAzaC(アザシチジン)が使用できるかどうか・・・。使えば良いとわかっていても、どうしようもないこともあります。
医者が患者を選別しないといけないことは、非常にストレスなことです。できればそんなことをしなくて良いように、他の病院の先生からは「あり得ない医師数で、あり得ない患者数を診ている」と言われても、できることをしている。ただ、限界がある。
それだけはわかっていただきたいと思います
また、コメントいただければと存じます
私もさくらさん同様ショックをうけました
アンフェタミンさんの思いに理解できる部分もありますが
公に発言する必要はあるのでしょうか?
父がIPSSで余命宣告を受けたばかりの私には
辛い言葉で読んだことを後悔しています
主治医はこの薬を父に使用しましょうと言っていますが
父の命が延びる=血液内科の余力がなくなる
良い薬が出ること=医師の首をしめる
患者や家族は医者のそういう思いに配慮しながら
治療を受けなければならないのでしょうか
今度京都のMDSの集いに参加するので
参加される医師の意見を聞いてみます
お目よごし失礼いたしました・・
おはようございます。コメントありがとうございます。
僕はビダーザ自体を使用することは否定していません。実際僕もかなり積極的に導入していました。
一例目の方はかなりよく効きましたので、その後も何名かの方に使用しました。
これは状況にもよる(外来で化学療法を行い、もし感染症が起きた時には余裕を持って対応できる病院)であれば、何とかなるのではないかと思います。
また、患者さんは医者のことまで考えて治療を受ける必要はないと思います。患者さんやその家族は、一つしかない大事な命をどのように使うのか。
大事な時間をどのように作っていくのか。それを考えていかれればよいと思います。
しかし、現実的にもうそろそろ破綻すると思います。
僕の知っている先生でも40歳前後でやめられたりする先生がいらっしゃいます。
今、医療全体がそうだと思いますが…血液内科領域はまさにデフレスパイラルという状況に入ってきていると思います。
血液内科がきつい(やりがいはありますけど)。志望者少ない。その割に新しい薬剤がどんどん出てきて、患者さんは増えていく。さらにきつくなる。血液内科医が辞めていく。
僕はその状況を改善させるための手を持ち合わせておりません。それ故にインターネットの場を通して、そのようなことを書いております。
正直…僕も86歳の患者さん(QOLもよい、PS0・・・日常生活を普通にできる患者さん)に使用したぐらいですから・・・一人一人の患者さんを考えたら、患者さんの状態を見て適宜使用するべきだと思います。
しかし、血液内科の領域が…厳しくなっていっているというのは…僕が感じる正直なところです。
ショックを与えるようなことを書いていて、申し訳なく思います。
しかし、僕はこのような考え方を書いておく必要性があるのではないかと思っています。それゆえ、申し訳ございませんが・・この記事をとどめておくことをご容赦いただければと存じます。
また、コメントいただければと存じます
どの文献がそれを擁護するのですか?
輸血依存度を改善する可能性がありますが治癒に至る程の特効薬ではないはずです。
あくまでも造血幹細胞移植が唯一治癒が期待できる(合併症死が非常に高いですが)治療法です。
効果とリスクを合わせて慎重に判断するべきです。
また忙しい業務であっても命を託せる職業は唯一医師のみです。仕事量が増えるのなら患者さんの制限や職場環境の変更と検討したらどうでしょうか?
血液内科のみが忙しい訳ではないと思います。
こんばんは、コメントありがとうございます
まさにおっしゃる通りで治りません。寿命の引き延ばしの効果があるということになっていますが、発売して一年。効果のある人にはとても良い薬ですが、どのような人に対して効果があるかがわかっていません。
骨髄異形成症候群の治療に関してはおっしゃっている通りです。
骨髄異形成症候群の説明(患者さん向き)
http://blog.goo.ne.jp/amphetamin/e/484b90c17f031c934e1ea9ffab4522fd
という記事を書いていますので、ご参照ください。
ちなみに僕は自分のことをすごい医師だとは思っていませんが、「熱意」「やるき」「誠意」に関してはあると思っていますし、医療の中に楽しみも見出している人間です。
ただ、言いたいことはおっしゃるように「血液内科」だけが忙しいのではなくて「治らないものの延命ができるようになってきている」ことにより「必要医師数が増えている」ことを訴えているだけです。
末期がんです。これ以上やることはありません…などというのはないです。
その意味を込めてこの記事を残させていただいております。
もしご不明な点がございましたら、またお返事ください。
また、コメントいただければと存じます
縁あって、自分が生まれ育った地域で薬剤師として働いております。
昨日、MDSと診断された知り合いに相談され、治療法ならびに予後について調べており、ここに立ち寄りました。
コメントをよませていただき、理想と現実とを感情的に話すといろいろな意見が出てくるものなんだなと各コメントを拝見させて頂き思いました。
先生の発言を擁護するつもりはございませんが、血液内科だけではなく、介護の現場にも医療は必要で、時間とマンパワーは全く足りておりません。
これまで日本を創ってきてくれたご老人の首をしめたくはないのですが、現場がまわらないのが現状なのかもしれません。
ある一面だけでなく、あえてだしたらまずいと思う部分を出す医師は非常に信頼でき、逆にコメディカルから見れば安心です。
患者さん、その家族には1つの命なので、感情的にうけとれば、残酷な言い方だと思いますが、わたしは新薬=助かる命=業務増加多忙、この多忙を気づかせて頂き、より一層Drの業務の一助、患者さん達の不安の払しょくに私の仕事が役立てばと思えました。
倒れない程度に無理して頂きたいと思います。
こんばんは、コメントありがとうございます
MDSは治癒が難しい(骨髄移植のみが治癒につながる)疾患で、どう病気と患者さんとが付き合っていくかが重要になっていくと思います。
介護現場も医療現場も人手不足というのは同じだと思います。それが現実で、患者さんや介護を必要とする老人の皆様のために尽くしたいと思っても限界が生じているのだと思います。
介護薬剤師さんのように医師を含めた医療中j者、患者さんのために尽くしたいという方が一人でも増えていけば、少しずつ現場が良くなっていくと僕も信じて、無理していきたいと思います。
また、コメントいただければと存じます