新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

公立病院の身売り加速:そのうち医局も崩壊するな

2008-08-24 16:20:50 | 医療

さて、まずひとつ記事を書いて、近くのスーパーに買い物に行ってきます。

いつも店が閉まる時間にしか動いていないので、必要な物の買い出しは土日のどちらかだけです。 危うく、先週頼んでいたスラックスの裾上げを回収するのを忘れるところでした。

 

まず、今日はこの話から。

朝日新聞に公立病院の身売り加速という記事がありました気になったので紹介します。

公立病院「身売り」加速 医師不足、19カ所民間譲渡(1/2ページ) http://www.asahi.com/national/update/0823/TKY200808230258.html  

全国に約千ある公立病院で、医師不足による経営難のため民間に売られたり、運営を任されたりする例が相次いでいる。今春までの6年間に民間譲渡されたのは少なくとも19病院、公設民営化は44病院。国は今年度中に公立病院改革の計画をつくるよう自治体に求めており、この流れが加速するのは必至だ。  

千葉県の銚子市立総合病院(393床)が9月末で休止することが決まった。22日、市議会で関連議案が1票差で可決されると、傍聴席に詰めかけた市民からおえつが漏れ、怒号が飛んだ。病院存続を公約に2年前に初当選した岡野俊昭市長は、「苦渋の決断。責任をすごく感じる」と頭を下げた。  

同病院は昨年度、患者数が4年前に比べて4割近く減った入院と外来の収益は約17億円減り、4割以上減。毎年約9億円を病院に支出し、昨年度は基金を取り崩して15億円まで支援を広げた市も、昨年度以上に収益が悪化しそうな状況下ではこれ以上無理だと判断した。  

 

引き金を引いたのは、医師不足だ。常勤医は06年まで約35人いたが、昨春は22人、今春は17人になった。医師が減るごとに患者も減った。市によると、医師研修制度の変更を受け、日大医学部が医師を引き揚げたのが原因。昨秋には「今後の派遣は難しい。院長も出せない」と言われた。「翻意をお願いしたが、国立の2大学からも派遣依頼がきているという。どの大学も医師不足だ」と岡野市長。  

 

市は公設民営か民間移譲を探っているが、市民の反対はまだ続きそうだ。  

 

佐賀県武雄市は今年5月、累計赤字が約6億4千万円となった市民病院(155床)を、10年2月に民間移譲することを決めた。医師不足のため4月から救急部門を休止、診療時間も短縮。今は、移譲先に決まった福岡県の医療法人から医師派遣を受け、救急を再開している。 だが一部市民は「共有財産を民間に売り渡すのは許せない」と強く反発。差し止めを求めて住民監査請求し、却下されると住民訴訟を検討し始めた。地元医師会も「市との信頼関係が崩れた」と、予防接種や乳幼児健診などから手を引く構えを見せており、混乱は尾を引く。  

 

大阪府南部の忠岡町では、人工透析やリハビリ治療が特色で、地域医療の拠点だった町立病院を昨年3月末、岸和田市民病院と統合再編する形で閉院した。赤字が膨らみ、「このままでは町本体が財政再建団体に転落する」と判断した。跡地と建物は民間に売却。今年9月から民間診療所として、医師3人体制で外来患者を受け入れ始める。(桂禎次郎、吉村治彦、龍沢正之)

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別にきっかけが新臨床研修制度であっただけで、昔からどう考えても日本の医師数は足りませんでしたよ。

2000年までにはそのくらいの情報は少し気になって調べれば転がって来ていたわけですから・・・。

 

 

医師不足の問題がYahooなどでも「項目」の中にあげられるようになりましたが、医師不足で困るのは国民であり、実は医師ではないという話もあります。

 

医師は医師一人一人の価値が上がるだけで、困りはしないでしょう。どうしようもなくなれば・・受け入れられなくなるだけで、医師一人一人が頑張ってできる範囲は限界があります。その限界をすでに超え始めたので、今の問題が起きているだけです。

 

僕を含めた様々な医師ブロガーがBlogで発信し続けているのは、日本の将来が崩れると思っているからで、別に自分たちの勤務環境云々ではないです。 僕なんかは独り身の強さを生かして、ずっと病院にいることが多いですしね。別にたいして気にもしていません。

 

ただ、将来的に様々な病院が閉鎖し、その地域の住民が困るというのが分かっている以上発信し続けるしかないとも思っています。

 

 

地域の末端まで医師が配置されるほどの充足率になるのは、遠い将来のことだと思います。おそらく、様々な条件が改善されなければ地域に医師は行かないでしょう。

 

地域になればなるほど条件が厳しくなるので(家族の関係、特に子供の教育、単身赴任、一人医長など)、医者が「来たい」「ここに赴任したい」と思うようにするにはそれなりのことをせざるを得ないというのもあります

 

また、大学に医師を引き上げている問題もありますが、いずれこれが効かなくなったときに大学の医療も崩壊するのではないかと思っています

 

以前、少し話をしたことがあるのですけど…新臨床研修制度が始まってからの医師である「僕たち」以降の学年であれば・・医局との関係はどんどん薄くなっていき、最終的に医師引き上げという手も医局は使えなくなりますからね。 僕らが中堅の医師になり、臨床の主軸となったとき・・・大学医局がどうなっていくのか…と思ったりしています。

 

医局に対して恩とかを感じている人も少なくなるでしょうし、出身医局とか関係なく生きてきた人たちばかりになるわけですから。

 

さて、あと5年ほどの間に大きく状況が変わらなかったら医局も崩壊するだろうという僕の読みが当たるかどうか。

結構予想は当たっているんですけどね、いままではw

 

 

まぁ、医局の再生から日本の医療再生まで考える必要があると思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

それでは、僕はスーパーに買い物に行ってきます。

部屋の清掃もこのチャンスにしないといけないな~。

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