出張前ですが、少し気になる記事があったので紹介します。
まずはこちら(短いので、全文引用です)
医師ら長時間労働、県立がんセンターに是正勧告
http://sp.yomiuri.co.jp/national/20170705-OYT1T50028.html
新潟県は4日、県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)が新潟労働基準監督署から、労働時間などに関する是正勧告を受けたと発表した。
発表によると、労基署は同病院に対し、労使協定に定められた上限を超えた時間外労働が行われていると指摘。特に、3月には2人の医師と2人の事務職員が「過労死ライン」の一つとされる月80時間を超える残業を行っていたとして、8月3日までに是正して労基署に報告するよう勧告した。
また、病気の検査などで用いる溶剤の取り扱いについて、注意を促す表示が不十分であることや、溶剤を扱う作業に関わる装置の定期点検が行われていないことについても是正するよう求めた。
県病院局は「労基署の指摘を真摯しんしに受け止める。長時間労働については詳細な把握・分析を踏まえて具体的な対策を検討する」としている。
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現時点では長時間労働もやむなし・・・という状況だとは思います。純粋に医師が少ない(偏在と言うべきではないと思います)のです。
昔、もし今の医師数でやるならば「戦力の集中(医師を拠点病院に集める)」「時間的距離の短縮(病院への通院手段、救急搬送時間の短縮)などが必要と書きました(探しきれませんでした)
今のように少ない医師数で、多くの病院が乱立している状況では・・・病院によっては医師の負担はかなり大きくなります。
病院がどのような患者さんをよく見る病院なのか。救急が多い、急変が多い、重篤な患者さんが多い病院は基本的に過労死レベルで働いていてもおかしくはないと思います。医師数を集めたらよいのでしょうけど、それほど集められません。余っていたら、良い医師がそう言う施設にどんどん集まってくるのでしょうけど。
そういう病院に行く医師は「やる気」もあって、「能力」も高く、「ストレス耐性」も高いのだと思います。しかし、必ず精神的、肉体的に擦り減っていきますので、あるレベルを越えれば倒れたりします。
前も書きましたが、よく知っている医師がくも膜下出血で倒れて、最終的に亡くなられました。過労死でもおかしくないと思っています。本当に忙しかったですし・・・。
僕も休みが2年間で2週間くらいで、ほぼ毎日病院にいた頃は体重が65〜67kgから53kgまで減りました(笑
また、そういう病院で働いていた方が燃え尽きたように、「疲れた」「家族との時間を大切にしたい」と言って患者をあまりみない医師の仕事(保険関係、薬屋さん関係、産業医など)に就職されたりしたのを知っています(こう言う仕事についているのが悪いわけではなく、新しい薬を開発したりするのも大事ですし、産業医って大事だと思いますよ。僕が今それに近い仕事ですから)。
ですので、今のような形(フリーアクセスで、どこでも救急搬送先がある状況)で医療を維持したいのであれば、医師数は増やさざるを得ないと思います。今の形でなくて良いならば、病院をいくつか選定して、必要な医師を集中。特に地方には総合内科医などある程度の判断能力がある医師を中心にする。必要な病院に専門性の高い医師は集中させる。
すぐそばに大きな病院は無くなるかもしれないが、必ず一定の距離にはそこそこの病院があり、専門性の高い患者さんは必ず「特定の病院」が引き受ける
すでにある程度そういう形でやっている地域や病院はあると思いますが、住民の了承がないと完全にその形には移行できません。
難しいですが、そういう考え方も必要かなと思っています。最近、医療システムのことを深く考えたり、情報収集したりしていないので、もしおかしなことを書いていたら教えてください。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。