未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




今回の問題で、過剰に反応している人の意見を聞いてみると、

「政府発表は信用できない。」

というものが大半である。

普段から、政治絡みの報道では、信用できないものが多いのは事実だ。

だがそれらは大抵、一議員の弁明であったり、政党の見解であったりする。

また、薬害エイズ問題を始め、過去の公害問題などで、政府発表に実態を隠蔽する意思が働いてしまったことがあるのも、また事実である。

だが、だからと言って、政府発表は全て何かを隠すために間違った情報を伝えており、ネットに反論があれば、それが全て正しい。

と思うのはどうであろうか?

少なくとも、今回発表されている、農産物から検出された放射線濃度の測定値については、全くの事実が伝えられていると思って間違いない。

全てについて測定しているわけではない。具体的な測定方法が不明なので、正しいかどうか判断できない。

などの反論があるようだが、この数値自体を疑っている者は少ない。

ほとんどの者が、それから導き出された政府の対応「『直ちに健康被害が出ない』『将来にわたって健康に影響を与えるような放射線量を受けることにはならない』と言いながらも、『こうした状況が今後も継続することが想定されることから、いまの段階でできるだけ摂取しないことが望ましい』として、出荷制限、摂取制限を実施していること」に不安を覚えている。

「安全であるならば、『出荷制限』『摂取制限』をする必要がないはずだ。それを実施するのは、危険があるのを、隠しているからに違いない。」と。

だが、そうであろうか?

今回の問題は数値がはっきりと発表されてるいので、検証がしやすい。また、発表されている数値自体には、大きな疑問を投げかけている人が少ないので、誤差はあったとしても、政府が意図的にコントロールしているとは、考え難い。

恐らく、政府が今回の施策の判断基準にしているのも、発表されている数値であろう。

私の考えでは、全く危険性はない。その理由は、下記の記事の内容から判断できると思う。

政府発表がウヤムヤなのは、万が一にも将来に何か起こった時に、責任を取るのがいやだから。で、ある。

それは、政府に限らす、マスコミ各社にも当てはまる。

こういう状況では、「安全である。」と言う方にリスクがある。

「大丈夫だ」と言っていて万が一にも何かが発生した場合、関連性がはっきりと提示されなかったとしても、世間は彼を糾弾し、損害賠償を求めるであろう。

「危険だ」と、断言してしまえば、それはそれで問題があるであろうが、「恐れがある」と言っておけば、全く何事も起こらなかったとしても、彼を糾弾する者はいないであろうし、損害賠償を求めるものも現れない。

政府発表が信用できないのであれば、自分でちゃんと調べて欲しいし、それが面倒なのであれば、少なくとも、政府・マスコミの発表に含まれたニュアンスを感じ取れるようになって欲しい。

「何か隠しているのよ。出荷停止になった地域の農産物は、全て危険に違いないわ。」
「いや、単にみな、腰が引けてるだけだろ。」

と。

ヨウ素は尿で排出 セシウムは筋肉蓄積も心配低い 長崎大・山下教授
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110323/dst11032321290069-n1.htm
 放射性ヨウ素はガス状で、呼吸などを通じて体内に入ると甲状腺に集まり、長期間にわたって蓄積した場合は甲状腺がんなどを引き起こす危険性がある。
 ただし放射性物質の量が半分になる半減期が約8日と短く、尿で排出されやすい。



核医学検査のQA
http://www.fmu.ac.jp/home/radtech/RI/RI_QA.html
Q16 患者さんは、放射線をどのくらいうけるのですか?
核医学診療の安全性
核医学検査を受ける患者さんは、放射性医薬品を投与されますので、ある程度の放射線被ばくがあります。核医学検査 1回あたりの被ばく量は、0.2~ 8ミリシーベルトで、エックス線検査と大きな違いはありません。核医学検査は、わが国全体で年間 180万件以上実施されていますが、放射線障害の事例は発生していません。また、最近 5年間の副作用調査によりますと、核医学検査 10万件あたりに 2.1~ 2.5件と、ごくまれに副作用があるという報告があります。副作用の内容は、発疹、嘔気、悪心、皮膚発赤、顔面紅潮、掻痒感出現などで、軽微又は中等度の副作用です。これらは、放射線による影響ではないことが確認されています。


(中)農産物の暫定基準値は、体に影響する数値の0・00005%
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110322/scn11032218000005-n1.htm
 私たちは普通に生活していても年間約2・4ミリシーベルトの自然放射線を受けているが、暫定基準値レベルのヨウ素なら、その0・21%。さらに、一般に人体に影響する線量は、一度に約100ミリシーベルトとされているが、それに比べると、わずか0・00005%にすぎない。


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