未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




「Google」は人の記憶能力を低下させるか
http://wired.jp/2011/07/15/%e3%80%8cgoogle%e3%80%8d%e3%81%af%e4%ba%ba%e3%81%ae%e8%a8%98%e6%86%b6%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e4%bd%8e%e4%b8%8b%e3%81%95%e3%81%9b%e3%82%8b%e3%81%8b/
検索エンジンとネットのおかげで、ほとんどの事実は記憶する必要がなくなった。しかしこのことは同時に、われわれの記憶能力に影響を与えている可能性がある。心理学実験を紹介。
新しく学んだ事実をコンピューターに記録した場合、その事実を思い出す確率が下がるという。つまり、オンラインでいつでも便利に入手できると思えば、それについて学んで記憶する意欲が下がるのだ。


単純に実験結果のみを判断した場合、

コンピュータに記憶される→記憶する必要性が薄いと判断→覚えようという集中力が落ちる→記憶率が下がる。

とのロジックから、それほど目新しいことを言っているようにも聞こえない。

『交換記憶』

原語では「Transactive Memory」であり、文中でも『対人交流的記憶』とも訳しているが、筆者が主張してるのは、もう少し別の視点だ。

前述の流れで、『記憶する必要性が薄いと判断』するためには、

①ある物事について、それを自分が覚えなくとも、誰に聞けば良いかを自分が知っている必要がある。

②「誰に聞けば良いかを自分が知」るためには、「その者がその事項について知っている」ことを自分が知る必要がある。

③そのためには、ある状況において、「○○については、彼が覚えた。」ことを、いちいち「これ、ちゃんと覚えた?」と確認しなくとも、その場の相手の表情などから的確な判断を下す能力が必要だ。

つまりは、高度にコミュニケーション能力に優れた『ヒト』という動物のみがもつ行為であり、もっと言えば、コミュニケーション能力の高いものほど、この傾向がある。との論点が読み取れる。

だが、はたしてそれは、人類のみに許された、それほど高度な能力なのであろうか。


「さっきの話だけどさ、含有率は、どれくらいって、言ってたっけ?」
「・・・すみません、後で資料見れば解ると思って良く聞いてなかったんですが、業界では一番。のようなお話しぶりでしたよね。」
「俺はさ、きっとお前のことだから、その手の数値はちゃんとメモしてるだろうと思って、良く聞いてなかったんだよね。いつも、そういう情報って、後でお前に聞けばすぐに答えるだろ?」
「いえ、ですから、自分の場合、帰社してから資料で確認してますので。」
「えっ?いつも熱心にメモしてるだろ?今日もお前がメモしてるの見えたから、安心して聞き流してたんだよ。」
「その場でメモ撮ってるのは、『○○の数値について後で確認。』みたいな内容です。」
「ばかじゃないの?お前。わざわざそんなメモ撮るぐらいなら、直接数値をメモした方が早いだろ。」
「含有率の値に限ればそうかもしれませんが、相手の話の疑問点など、すぐにその場で確認できないような内容について、覚書をメモしてるんですよ。」
「くどいようだけど、含有率に限って言えば、聞き逃したんなら、その場で聞き直しても問題ないだろ?」
「正直、含有率の所で、先方の話しぶりに、何か引っかかるものがあったんで、後で確認したかったのは、そういうことなんですよ。」
「『そういうこと』って?」
「あの手の商品で、ふつー、『含有率』って言いませんよね?恐らく『含有率』では業界一位かもしれませんが、もっと一般的な表現をすると、決してそれほど訴求力のある商品ではないのではないか?と、疑問に思ったものですから。」
「そうなのか?」
「えっ?いや、ですから、部長が私に含有率についてお尋ねになったのは、部長も何か引っかかることがあったんで、気になられたからではないんですか?『さすが部長だっ!』って、実は感心していたんですが。。。」
「いや、まぁ、それはそーなんだけど。」
「そーですよね。何か、引っかかる言い方でしたよね?」
「そーだな。・・・ところでさ、『含有率』って何だね?」


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