未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




これからの「原発」の話をしよう
http://wired.jp/2012/03/22/atomic-dream-event-report/
「原発」は一体どこで間違えたのか? 原発は本当にすべてが間違いなのか? 安全でクリーンな「原発」はありえないのか? 原子炉工学の専門家を招き、原発の開発史の闇に消え去った「ありえたかも知れない原発」の可能性を検証したトークイヴェントの内容をご紹介。

紙媒体『WIRED』VOL.3」を読むまで、『トリウム熔融塩炉』について全く知らなかった。

昨年、あれだけ原発関連の特集番組が作成されたにもかかわらず、この方向でのアプローチはなかったようだ。

今の反原発の様子は、「ヒンデンブルク号」の事故を見て、「全ての飛行船は(爆発するから)危険だ。」と言っているようなものだと、私は思う。


福島第一の事故映像を見て、「なぜ背後の高台に作らなかったのか?」と、疑問に思った。

あそこに建てていれば、今回の津波など、何の問題もなかったのに。と。

その疑問は昨年のNHKの検証番組で明らかにされていた。

「ターンキー契約」

開発元であるGEが、設計から施工までの一切を行い、使用する日本側は、完成した設備を引き渡された時点で、キーを回すことによって使用開始する。

それにも大分問題があると思うが、さらに悲惨な事実がある。

費用を安くする代わりに、GEは一切の仕様変更を認めなかった。

米国のどこか向けに設計されたものを、そっくりそのまま、福島に建造したのだ。

件のNHKの番組は、衝撃的なシーンから始まった。

発電所を迎えるために、あの海抜35メートルの高台を、ブルドーザーで切り崩していた。

高台をわざわざ20メートルも切り崩し、代わりに10メートルの防波堤を築く。

この技術的なナンセンスがまかり通った最大の理由は、GEの設計図にあったポンプの能力では、海水を35メートル汲み上げることが出来なかったからである。

ポンプをもっと能力の高いものに変更するのに、実質的にはどれくらいの手間や費用がかかるのか?

当時日本に原発を売りに来ていたGEセールスマンの、姑息で幼稚な営業手段(本人は手腕だと思っていたのであろうが)が、今回の大災害の根底にある。

さて、『トリウム熔融塩炉』だ。

詳細は冒頭の記事や、ネットで検索して欲しいが、現在主流の「軽水炉」方式の原発の欠点を、かなり克服できる技術だ。

絶対に安全とは言い切れないが、その安全性は、水素ガスを満載した「ヒンデンブルク号」と、近代のヘリウムガスにより浮力を得ている飛行船ぐらいの違いがある。

そもそも40年前の技術。それも、当時の技術の粋を集めて練られた設計であるならばともかく、全く違う条件のために設計されたものを、なんの技術的な改善や考察を行わぬまま、だだコピーしているようなものとは、雲泥の差がある。

非常電源が地下にあるのは、ハリケーン対策のための設計だったようだ。

もっと安全な「原子力」の利用方法がある。

日本の生き残る道は、そこにしかない。

その理由はまた、次回としたい。

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