未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




アマゾン関係者がアップルのソーラーファームに疑問符
http://wired.jp/2012/03/24/amazon-apple-solar/
広大な土地を利用しているAppleのソーラーファームでさえ、隣接するデータセンターの稼働に必要な電力の4%しか供給できない

以前から疑問に思っていたことがある。

「自然エネルギーが普及すれば、原発は不要だ。」との主張を良く聞くが、何か根拠があって言っているのであろうか? と。

自然エネルギーとして持ち出されるのは、太陽光と風力だ。

実際にどちらも、実用化されている。

だが果たして、日本中の電力を賄うのには、どれだけの太陽光パネルが必要なのであろうか?

そう言った試算を見たことも聞いたこともない。

前から気になっていたこの疑問に、少しでも答えてくれそうな記事が冒頭のものだ。

この主張をしているJames Hamilton氏は、Amazonでデータセンター設計の責任者を務めるし、かつてMicrosoftでもデータセンターの設計に携わった経歴の持ち主だ。

かなり信憑性のある試算だと思われる。

Appleがノースカロライナ州に建造したデータセンターは約4万6000平方メートル、東京ドーム1個分だ。(Appleの超巨大なノースカロライナデータセンターの空撮ムービー

そして、そこに隣接して建設が予定されているソーラーファームは約40万平方メートル。

「バチカン市国」とほぼ同じ大きさだ。

ピンと来ないと思うので補足すると、東京ディズニーランド(約51万平方メートル。ディズニーシーを含まず)より少し狭い。

これで4%であるので、単純に計算すれば、Appleのデータセンターの電力を全て太陽光パネルで賄うためには、

40万平方メートル÷(4/100)=1000万平方メートル=10平方キロメートル の敷地が必要だ。

これはほぼ中央区の面積にあたる。

23区全部を太陽光パネルで覆ったとしても、得られる電力は、Apple のデータセンター4・50個分だ。

実際に23区内の電力を全て、太陽光パネルで賄おうとすれば、この100倍。いや、おそらくはもっと2・3桁上の発電能力が必要になるであろう。

「太陽光エネルギーが普及すれば、原発は不要だ。」

そう唱える人は恐らく、コンピュータの処理速度や記憶装置の容量などの飛躍的な進歩を見て、漠然と、それぐらいの技術の進歩はすぐに達成できる。と、思っているのであろう。

太陽光エネルギーを、100%以上の効率で電力として取り出すことは出来ない。

試算の元になったエネギー変換効率がどのくらいか不明だが、少なく見積もって10%だとしても、改善の余地は10倍しか残されていない。

太陽光エネルギーで、電力を全て賄うのは、どんなに技術が発達したとしても、理論的・技術的に不可能なのではないのか?

ビルゲイツが、「単なる『子どもだまし』」と言っていたのは、こんな単純明快な理由からではないのか?

誰か真っ当な反論をしてみて欲しい。

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