おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

農山漁村の自然は子供の遊び場か?

2011年04月02日 03時49分26秒 | 農村


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 筆者が小学校入学前にすごした集落に保育園や幼稚園はなかった
 筆者は、目を覚ますと船着場へ標高差100mほどを下り、出船を見送った
 朝飯は船着場近くの親戚縁者の家で食べる日もあった
 どこで食べようと、遊ぼうと、筆者も、親も気にしなかった
 親の目が届かなくても、安心・安全な地域社会だった

 さて、本日は東北地方の漁村の3歳未満の子どもをもつ母親と、60歳代の子育て支援女性との会話を紹介
 前者を母親、後者を支援者と記す
 母親は、子どもの遊び場がなく困っている

  母親:お寺の本堂で遊んでいるが、毎日行くのも気の毒で。行く場所がなくてねー
  支援者:自然がいっぱいあっても、行く場所がないのー?
  母親:だって、それぞれの持ちものでしょ。自然つったって、みんな個人のものじゃないですか
  母親:じゃ、田んぼが空き地だからつって、よそのうちの田んぼに行って遊べますか、遊べないでしょ
     自分のうちの田んぼだったらいいけど
  母親:道路行ったり来たりするしかないでしょ


  母親の考えと行動を聞いて、支援者は次のように語る。
   「今の若い人たちは、そいうこと感じるわけ。個人のとこ(田・畑・山)行って遊ばない
    昔だったら、どこに行って遊んでも、誰も何も言わなかったでしょーけど
    今の人たちは、(田・畑・山に)個々の所有権があるので、入れば入ったと
    犬が入ってさえも糞が落ちてるなんのと騒ぐとき(時代)ですからね
    ですから、どこに行って遊べるんですかって言うわけ」


 筆者を含め昔の子どもは所有権や利用権に関係なく自然で、具体的には田・畑・山・川・海などで仲間と遊んだ
 今の子どもは親がついて遊ばせ、所有権や利用権を気にするため自然で遊べない
 はたして、今の農山漁村の自然は子どもの遊び場なのか疑問
 農山漁村は遊び場としての自然が豊かなのか疑わしい

 写真は、大船渡市にある地区拠点施設(駅舎・診療所・市役所支所・地区公民館)の貸本棚で本を選ぶ子どもたち
 地震・津波被害の大きい大船渡市、3人をはじめ皆様の再起を祈念します

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2005年11月30日 撮影地:岩手県大船渡市
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