アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (5) ハシバミ

2021-03-24 18:08:54 | みんなの花図鑑
ツノハシバミ (安城デンパーク)

デンパークに ハシバミがあるのは知ってたけれど、 花木園に ツノハシバミ があるのは今まで知りませんでした。
ツノハシバミは 雌雄異花で ひとつの木に 雌花と雄花が咲きます。
次に見るように 雄花はイモムシみたいで すぐ分かるのですが、この雌花のほうはとても小さく、あることを知ってないと気が付かないでしょう。



こちらが雄花です。ハンノキや ヤシャブシ の雄花に似て イモムシみたいな花です。
鱗(うろこ)のような部分を「苞鱗」といいます。
その下で 葯が裂開し始めています。
この時期、なかなか味わいのある色になります。




「ツノハシバミの雄花序は枝の途中から数本尾状に垂れ下がり、雌花序は雄花序の上の方につく。」(面白い接写の世界「ハシバミとツノハシバミ」)




ツノハシバミの名は 果実が角を付けているようだからです。



「ハシバミの語源については、葉皺実(ハシワミ)、榛柴実(ハリシバミ)、葉柴実(ハシバミ)などいろいろあるが定かでない。角のあるハシバミの意。」(樹木図鑑「ツノハシバミ」)




ハシバミ (堀内公園・安城市)

ハシバミもツノハシバミも カバノキ科ハシバミ属の木です。



なので、花はどれもとてもよく似ています。



「雄花序は枝先から数本尾状に垂れ下がり、雌花序は枝の下方につく。」(面白い接写の世界「ハシバミとツノハシバミ」)




ツノハシバミのほうの「雌花序は雄花序の上の方につく。」でしたから、雌花序の位置で 区別できるようです。




「ハシバミの実はヘーゼルナッツとして食べることができます。厳密にいえば、ヨーロッパ原産の「セイヨウハシバミ」の実がヘーゼルナッツですが、国内で生産されたハシバミの実もヘーゼルナッツと呼ばれることが多いです。」(「ハシバミってどんな植物?その特徴や...」)




「ハシバミの実はヘーゼルナッツとして食べることができます。厳密にいえば、ヨーロッパ原産の「セイヨウハシバミ」の実がヘーゼルナッツですが、国内で生産されたハシバミの実もヘーゼルナッツと呼ばれることが多いです。」(「ハシバミってどんな植物?その特徴や...」)







樹に咲く花 (4) ヒサカキ

2021-03-24 10:24:39 | みんなの花図鑑
梅で知られた南公園ですが、池の周りをまわる散策路の両側の林には ヒサカキの木がいっぱいです。ヒサカキ林といってもいいほどです。
ヒサカキの色々な花を観察するにはもってこいの林です。


ヒサカキ 雄花 (南公園・岡崎市)

ヒサカキの花は、きのうのキブシの花によく似た釣り鐘形の花です。やはりびっしりついてます。



ただし、キブシのばあいは 房となって垂れ下がっていましたが、ヒサカキの花は節々から直接開花しています。
ヒサカキは鋸歯の葉がほぼ一平面に並ぶように枝に付くため、枝の下には花がよく見える空間が生じます。



ヒサカキの花は 一般には(*)「雌雄別株。」(樹に咲く花)ということになっていますが、キブシ同様、そう単純なものではないことをこれから見ていきます。
(*)「一般には」の見解は 。「(樹に咲く花)松江の花図鑑」の見解ということにします。

まず、上の花ですが、雄しべばかりなので 「雄花」といってよいと思いますが、「雄花」といったらみな このような形態をしているかというと・・・



色々バラエティーがあるようです。一つ前の雄花は おしべが 適当な間隔を開けて均等に配列していましたが、こちらのほうは おしべが2重に円を描いて配列しているように見えます。


もう少し寄って、おさらいしてみます

こういう おしべが均等配列しているものと・・・



こういう おしべが 中心と周囲に分かれているものと、です。



ヒサカキ 雌花 (南公園・岡崎市)

(林の中は暗いので、なかなかピントが合った画像が撮れませんでしたが、どうぞお許しを )
花弁の中にあるのは 雌しべ一個だけ。これは 明らかに「雌花」です。
雌花は 雄花に比べて若干小さめのようです。




この雌株の花(つまり雌花)は めしべが透明の液体の中に慕っているように見えます。これはヒサカキの蜜でしょうか?!




この株も同様です。




花弁にピンク(または赤紫)の斑の入ったもの。
緑の球体が子房、その上の3裂しているのが 柱頭です。

キブシのときには出会えなかった 典型的な雌花に 出会えました (^^♪

でも、ヒサカキの花も 典型的な雌花と雄花だけではなかったのです。




両性花?いろいろ (南公園・岡崎市)

まずこの花をご覧ください。りっぱな(8本?の)おしべの中央に、めしべがやはり立派な3裂した柱頭を伸ばしています。



これ、どうみても 両性花ではありませんか?!



また中には こんな花もあります。
雄しべの葯は黒変し 花粉を出し終わったのか 元気がありませんが、めしべの柱頭はまだみずみずしいです。



これも同様です。
めしべの子房の周囲が蜜と思われる液体に浸っている花もあります。




これは 先ほど「雌花」として扱った株の花ですが、(実を言うとその時にも うっすら見えていたのですが)めしべの周りに かげろうのような退化したおしべが見える花があります。



こちらの画像のほうが より分かりやすいでしょうか。
めしべを取り巻く5枚のシベは (退化した)おしべではないかと思われます。



同じ株の花なのに、一方は 雄しべらしきものが見え、もう一方は 雄しべらしきものは見当たりません。

「個体群の中には、いかにも両性花であるように雄しべと雌しべを備えている花があります。  
 しかし花が開いているにもかかわらず、雄しべの葯が白いままのものがあり、これは葯が未発達の状態です。」
(なかなかの植物ルーム「ヒサカキ 両性花」)

また
「雄しべと雌しべを備えている花で、葯から花粉を出していて胚珠も確認できる花を探してみたところ、数は少ないのですがありました。同じ枝に両性花と雄花があり、すべての花は花粉を出しています。」(同上)