アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (9) ライラック

2021-03-26 20:07:39 | みんなの花図鑑

ライラックの花(リラの花)がもう咲いてました。
と言うとき、「ライラック(Lilac)」は英語、「リラ(Lilas)」はフランス語です。




で、和名というのも当然あり、それが「ムラサキハシドイ」というのです。
なんだか、ライラックとかリラのほうがこの花に似つかわしい気がしてなりませんが、ライラックは 「ハシドイ属(Syringa)」という属に属すのです。どこまで行っても 「ハシドイ」と無関係ではリラの花と付き合えなさそうです (´・ω・)




で、「ハシドイ」とは何かというと、wiki 「ライラック」には 以下のようにあります:
「日本には近縁種ハシドイ (Syringa reticulata) が野生する。開花はライラックより遅く、6-7月に花が咲く。ハシドイは、俗称としてドスナラ(癩楢、材としてはナラより役に立ちにくい意味)とも呼ばれることがある。
ハシドイの名は、木曽方言に由来する[要出典]。」

別の説として 以下のような説もあります。
「木の枝先に集まって花が咲く様子が、「端集い(ハシツドイ)」と表現され、これが詰まって「ハシドイ」になった。」(森と水の郷あきた「樹木シリーズ164 ハシドイ」)




ライラックも ハシドイも、寒さに強い北国の代表的な花木のようです。




さて、この花、色を黄色(または金色)に変えると 何の花に変わるか お判りでしょうか? (^_-)-☆




答えは 同じモクセイ科の キンモクセイです。この花のかたち、そっくりだと思いませんか (^^♪
でも、キンモクセイの開花時期は、9月中旬〜10月下旬ですし、花の付き方も 全然違います。



「一般にイボタノキを台にしてライラックの枝を接いだ接ぎ木苗が広く流通しています。時折、台木にされたイボタノキが枝を伸ばすことがあります。」(ヤサシイエンゲイ「ライラックの育て方」)

ご注意を!



樹に咲く花 (8) アケビ

2021-03-26 09:21:00 | みんなの花図鑑
<樹に咲く花>の第8回は つる性ですが 木のアケビです。なぜなら アケビは「木通」 と書きますから (^^ゞ

アケビ (前山ダム・常滑市)

アケビの花は 毎年4月1日 (センニンソウは9月1日)と撮影日を決めているのですが、今年はすでに皆さんがアケビの花をアップされているので、私も1週間早く 行ってみました (^_-)-☆

*前山ダムは 木曽川から知多半島に灌漑用の水を取り入れている愛知用水の調整池の一つで、私たちが調査設計したダムです。



さて、アケビの花ですが、(後述する ミツバアケビは いっぱい花が咲いていましたが)こちらは まだちょっと早かったようでした。
ここにアップしたアケビだけが花を付けていました。



アケビの花ですが、雌雄異花です。つまり、ひとつのツルに 雄花と雌花を咲かせるのです。
そして ここに掲げる花はすべて雄花です。雌花はまだ 咲いていませんでした。


雌花はどんなのかというと・・・
去年の4月12日に撮ったアケビの写真 に 雌花が入っています。




つぼみです。(もしかしたら 雌花?)
アケビの葉は このように 5枚一組となっています。
ちなみに アケビの学名は Akebia (アケビ属)です (^_-)-☆
この小葉が5枚のアケビは Akebia quinata といいます。




次に掲げるミツバアケビと比較して 特に水を好むようです。



ミツバアケビ (前山ダム・常滑市)

こちらが 同じ日、同じ場所で撮った ミツバアケビです。



ミツバアケビの名の通り、小葉は3枚で ワンセットです。
学名も Akebia trifoliata
trifoliata は三枚の葉の意で、 カラタチも Poncirus trifoliata と同様の種小名となっています。



こちらが 雌花です。全身 濃い赤紫色なので見にくいですが、めしべが 複数あります。うまくいくと この雌しべの数だけ 実が生ります。




こちらが 雄花。房状に付きます。




下(枝先)が 雄花、枝元のほうが 雌花です。




上の雌花ですが、6本のめしべの付け根を見ると めしべではない器官が見えます。これは 退化したおしべの名残りでしょうか?