デンパークで 典型的な雌花が見つからなかったので、急遽、南公園に行ってきました。 ↑ これが 典型的な雌花です。
雄花が壺形~釣り鐘型をしていたのに対し、 雌花はチューリップのやや開いた形をしています。大きさは 雄花よりやや小さいことが多いです。
花弁の中には 雌しべしかありません。さっぱりしたものです。
柱頭は3つに分かれています。
キラリと光る水玉状のものは 蜜でしょう。
横顔です。
花によっては ウメのように開いている雌花もあります。その場合も花弁の内側はローションの膜でおおわれているように見えます。
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つぎに、別の株の花です。
この花は 両性花の状態です。雌しべの柱頭が3つに分かれ、周囲を花粉を出した雄しべが囲んでいます。
前回見たデンパークの両性花風の花は 雄しべがこれほどハッキリしてませんでした。
「ヒサカキには、両性花も咲かせる株があるということです。 この枝には、雄花と両性花が見られますので、雄花両性花同株(雄性両全性同株)ということになります。」(なかなかの植物ルーム「ヒサカキ 両性花」)
「従来、ヒサカキは雌雄異株とされていましたが、 雄花だけつける雄株、雌花だけつける雌株の他に、雄花と両性花をつける両全個体が存在していること(個体群中の数%程度)、さらに、花粉を全く生産していない雄しべ状の器官と雌しべを持ち合わせた花(雄性機能の存在しない花)があることが確認され、報告されています。 (真鍋 徹 1993 原生林及び二次林におけるヒサカキの個体群動態と再生産特性)」 (同上)
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これは、 たぶん、雄花の花粉を放出したあとの花と思われるのですが、釣り鐘型だった花弁も 最終的にはこんなに開いて終わるんですね
なお、ヒサカキの学名は Eurya japonica で、 「青森県を除く本州〜沖縄の山地の林床にごくふつうに生える。」(松江の花図鑑)とあります。