アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ウグイスカグラ - 安城デンパーク

2020-03-28 16:50:13 | みんなの花図鑑

ウグイスカグラ(鶯神楽)はスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。




学名: Lonicera gracilipes
種小名の gracilipes は 「細長い柄(脚)の」の意だそうだから、花冠が漏斗状に細長いことにちなんだものか。




あるいは「葉腋から長さ1-2cmになる細長い花柄を出し、長さ2-8mmの苞をつけ、先端に1花、ときに2花を下垂する。」(wiki)
とあるから、「細長い花柄」のことを指しているのかも。




雄しべ5本。 雌しべ1個。


コバノミツバツツジ - 愛知県緑化センター

2020-03-28 09:34:48 | みんなの花図鑑

センター周辺の(コバノ)ミツバツツジがあちらにもこちらにも 明るい紫の花を咲かせていました。




「落葉で葉が展開する前に開花するので、花が目立つ。昔の松山の春は、ヒサカキの香りに始まり、続いてコバノミツバツツジの開花であでやかになったものであるが、・・・」 (岡山理大植物雑学事典「コバノミツバツツジ」3. 花)
「ヒサカキの香りに始まり・・・」ってとこがいいですね













アオモジ - 愛知県緑化センター

2020-03-27 20:08:41 | みんなの花図鑑

緑化センター実習園内と その周囲の雑木林のアオモジが とうとう開花しました (^^)/




この大豆を重ねたような丸い球が アオモジの蕾です。 この蕾の状態が長かったですねぇ、 JA産直の園芸コーナーで切り花として売られていたのは 1月の中旬でしたものねぇ






アオモジはクスノキ科の落葉小高木です。
アオモジとよく似た花が咲く木に、 クロモジ、 ダンコウバイ、 アブラチャンがあります。
アオモジだけ ハマビワ属で、他は皆 クロモジ属に属します。




このあたりでは アオモジが多いのですが、 緑化センター(豊田市) で このアオモジの写真を撮っていたとき 名古屋から来られた方が「あの~、それは何という木ですか?」と尋ねられました。




私 「アオモジといって クスノキ科の木で クロモジなどの仲間です。」
尋ね人「あぁ、爪楊枝の クロモジですか、 クロモジなら 瀬戸や犬山のほうでみたことがあるんですが」





「なるほど~ 同じ愛知県でも、 三河と尾張では 多少、植生が違うんでしょうねぇ
この辺では クロモジ 見たことありません」
そのときは、そう言って、別れたものの 気になって調べたら 愛知県緑化センターにも クロモジ ありました~~~ (´∀`)



カエデ - 岡崎南公園

2020-03-27 11:01:22 | みんなの花図鑑

各地のカエデの花が咲きだしました。 イロハモミジとかハウチワカエデとか・・・ 種類は分からないのですが、 雄花が咲いています。





カエデ類の花は雌雄異花で、 一つの株に 雄花が先に咲き、花粉を放出し落下したあと、少数の雌花が咲くタイプと ・・・




雌花が先に咲いて他の株の花粉を受粉し、柱頭がしおれてから、雄花が咲くタイプとがあるようです。




この株は どうも 雄花先熟のタイプのようです。いまは 雄花ばかり目立ちます。




多分もう少ししたら、翼果の形をした子房を持った雌花が咲きだすと思われます。


アオキ(雌花) ‐ 安城デンパーク

2020-03-27 07:46:46 | みんなの花図鑑

アオキの花の観察、第2回は 雌花 です。
この雌株、赤い実が生っていて 同時に 花が咲いています。




昨年3~4月に咲いた花が結実し、12月~2月ころ赤くなります。ところが、この実あまりおいしくないと見えて 鳥がなかなか食べてくれなくていつまでも木に残っています。 で、いま3月になると 今年の花が咲いて 両者が 別の枝で ご対面というわけです。




さて果実になるためには、雌株だけでは不十分で、近くに雄株がないと 結実しません。 この雌株は鉄砲山(以前からあった雑木林の丘)で撮ったものですが、前回の雄株は ここから100mは離れた場所にあります。




ハエや蛾やアリが 雄花の花粉を運んでくれるおかげで受粉するわけですが、媒介昆虫が アオキの雄花に留まった後 100m離れたアオキの雌花に飛来する確率は そう高いとは思えません。 たぶん もっと近くに 別の雄株があるのでしょう。(未確認)




アオキの雌花は、4枚の花弁の中に緑色の花盤があるところまでは 雄花と同じですが、 雌しべが立ち上がっています。
抹茶色をしたゼリー菓子のようです (^^)/




花弁の上にあるのは 柱頭と花柱部分です。 子房は 花弁より下に、同じ抹茶色をして、あります(子房下位といいます)。




花弁の赤紫色をした内側は よくみると舌のようにざらついています。


モクレン3種 - 愛知県緑化センター

2020-03-26 22:43:54 | みんなの花図鑑

コブシに続いて、モクレンたちです。 まず シモクレンの仲間。




背の高い木が豪快に咲いています。




シモクレンの隣には、 ずっと色の濃いモクレンがもう一本 立っています。




そのモクレンの隣には さらに背の高いサクラが立っています。





先ほどの色の濃いモクレン、 低いところにあった花です。 ワインレッドみたいな赤です。





こんなハクモクレン(?)も満開でした。 この木も背が高いです。




花弁基部近くが赤いので ハイブリッドかな?



アオキ(雄花) ‐ 安城デンパーク

2020-03-26 08:02:27 | みんなの花図鑑

雌雄異株の樹、こんどは アオキの花を観察してみましょう。 第1回は 雄花です。




アオキの学名は Aucuba japonica。
直前の ヒサカキの学名同様、 種小名に japonica が使われています。
アオキには 広義のアオキと狭義のアオキがあるらしく、 分布を見ると、「[アオキ(広義)] 北海道南部〜沖縄の照葉樹林内に多いが、明るい雑木林や植林地にも生える。」
アオキ(狭義)も「東北〜四国東部に分布。」(松江の花図鑑) とあります。




もっとも 分布に関しては「 ・関東以西の山地や林内に広く分布するミズキ科の常緑低木。」(庭木図鑑 植木ペディア「あおき」) とする記載もあります。




いずれにしても 「もっとも日陰に強い庭木として知られ、家の北側など条件の悪い場所に使われることが多い。」(同上)




「雄株の花序は大きく、花の数も多い。雄しべは4本で、雌しべの痕跡がある。」(樹木図鑑「アオキ」)




花弁は 通常4枚あり、紫色をしていることが多いです。
中央に緑色の花盤があります。 雌しべの名残りです。
雄しべは 4本あります。 葯は小さいです(控え目です)。
アオキは 雄花も雌花も 花弁内側の紫色と花盤の緑色の対比が美しいです。

ヒサカキ(雌花と両性花)‐ 岡崎市南公園

2020-03-25 20:23:55 | みんなの花図鑑

デンパークで 典型的な雌花が見つからなかったので、急遽、南公園に行ってきました。 ↑ これが 典型的な雌花です。




雄花が壺形~釣り鐘型をしていたのに対し、 雌花はチューリップのやや開いた形をしています。大きさは 雄花よりやや小さいことが多いです。




花弁の中には 雌しべしかありません。さっぱりしたものです。
柱頭は3つに分かれています。
キラリと光る水玉状のものは 蜜でしょう。




横顔です。




花によっては ウメのように開いている雌花もあります。その場合も花弁の内側はローションの膜でおおわれているように見えます。



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つぎに、別の株の花です。

この花は 両性花の状態です。雌しべの柱頭が3つに分かれ、周囲を花粉を出した雄しべが囲んでいます。




前回見たデンパークの両性花風の花は 雄しべがこれほどハッキリしてませんでした。




「ヒサカキには、両性花も咲かせる株があるということです。 この枝には、雄花と両性花が見られますので、雄花両性花同株(雄性両全性同株)ということになります。」(なかなかの植物ルーム「ヒサカキ 両性花」)




「従来、ヒサカキは雌雄異株とされていましたが、 雄花だけつける雄株、雌花だけつける雌株の他に、雄花と両性花をつける両全個体が存在していること(個体群中の数%程度)、さらに、花粉を全く生産していない雄しべ状の器官と雌しべを持ち合わせた花(雄性機能の存在しない花)があることが確認され、報告されています。 (真鍋 徹 1993 原生林及び二次林におけるヒサカキの個体群動態と再生産特性)」 (同上)



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これは、 たぶん、雄花の花粉を放出したあとの花と思われるのですが、釣り鐘型だった花弁も 最終的にはこんなに開いて終わるんですね
なお、ヒサカキの学名は Eurya japonica で、 「青森県を除く本州〜沖縄の山地の林床にごくふつうに生える。」(松江の花図鑑)とあります。

ヒサカキ(雌花?) - 安城デンパーク

2020-03-25 15:18:19 | みんなの花図鑑

ヒサカキの花、雄花ばかりでは 何なので、デンパークに 雌花があったと思って、また、行ってきました。
デンパークの鉄砲山で いぜん雌株を見た記憶があったのです。
少し探し回って みつけたのがこれです。




ですが、 どうも典型的な 雌花ではないようです。というのも、中央から 2つに割れためしべの柱頭がのぞいていますが、その周囲に 雄しべらしきものがあります。




同じ株の別の枝ですが、 これなど 雄しべのほうがはっきり見えます。




でも、これなど、柱頭が3つに割れて 子房まではっきり見えます。 おしべがあるから両性花ではないかとおっしゃるかもしれませんが、たぶん この雄しべは退化して花粉を放出しないのではないかと思います。それで 典型的ではないけれど、雌花としておきます。