まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

男子校

2010-02-21 20:35:26 | 過去の出来事

高校の3年間は男子校だった。
浜松にあるその私立高校は当時は県下でも有名なツッパリ高校。
滑り止めで受けることの多いこの高校は頭のいい奴もいたが、何故かみんなガラが悪い。
やくざの予備軍のような連中もたくさんいた。
根はみんな良い奴だったが・・・
トイレで煙草は当たり前。
万引きやバイク事故などで、停学処分者は後を絶たなかった。
掃除はみんなサボってほとんどしないので、教室はメチャクチャ汚い。
エロ本は当然のようにみんな学校に持って来て、それは特に先生も注意しなかった。
とても勤まりませんと辞表を出す先生もいて、残った先生は腕っ節の強い先生ばかりだった。
それでも、卒業式のあとは、お宮参りを恐れて先生たちはそそくさと帰って行く。
そんな中、見かけは大人しそうな国語担当のN山先生がいた。
大人しそうな先生なので、生徒は最初舐めてかかって、ある生徒がひどくバカにした発言をした。
怒ったN先生はその生徒の足くびを拙み、なんと、2階の窓から生徒を逆さ吊りに・・・
今、そんなことをしたら大問題になるところだ。
N山先生は見かけによらず国士舘出身で、あとでいろいろな武勇伝をきいた。
生徒がやくざから生徒手帳を取り上げられ、金を要求されたことがあった。
N山先生は単身乗り込んで行って、やくざと話をつけて生徒手帳を取り返して来たそうだ。
ちょっと恐かったけど、なかなか楽しい3年間だった。
みんな女子とはほとんど交流もなく卒業するので、女心は分らない生徒が多かったと思う。


卒業してから何年かして、3年の時の担任のI井先生と会う機会があった。
そのときは、母校はすでに共学になっていた。
「女の子は何かあるとすぐに口をきいてくれなかったり、やりにくいよ。男子校の方がよかった」
I井先生はそうおっしゃってました。
女心がわからなかったのは生徒だけではなかったようだ。