性格と血液型には何の関係もないというのが心理学の定説である。
にもかかわらず血液型性格判断を信じている人は多いのは、それだけ血液型に関する情報が社会に氾濫しているからである。
人々が血液型性格判断を信じてしまう心理は心理学的に説明できる。
その一つ目がラべリング理論。
ある人物の特性は、その人の行為そのものより、周囲からのラべリング(レッテル貼り)によって形成されるようになる。血液型性格判断によってラべリングされることにより、その行動がクローズアップされ、それは本人の行動も影響を受けるようになる。
二つ目はバーナム効果(またはフリーサイズ効果) 誰にでも当てはまるあいまいで一般的な性格を表す記述を自分だけに当てはまる性格だととらえてしまう現象。
例えば、「ロマンチストな面をもっている」とか「明るく振舞っていても心では不安を感じている」などの診断は誰もが適切な判断だと思ってしまう。
こうして何となく当たっているように感じる血液型性格診断は、その後の人間の注意と注目度によってさらに強固になっていく。
人々が血液型性格診断によって「A型は几帳面だ」と思っていると、A型の人が几帳面な行動をした時ばかりに注目し、A型の人が几帳面でないな行動をしたときにはほとんど意識を向けなくなります。
さらに、記憶の方でも、A型の人が几帳面な行動をしたときばかり覚えていて、そうでない行動をしても記憶に残りにくいという現象まで起こってしまう。
人はいったん便利な物差しを手に入れるとその物差しでは計れないことには目をつむり、都合よく計れるものだけを持ち出してきて、その物差しが正確であると思いこんでしまう。
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