9月26日から11月26日まで上野の東京国立博物館で開催されている『運慶展』を見てきた。
運慶は平安時代から鎌倉時代の激動期に活動した。現在運慶の作品は31体が残されているが、今回はそのうち22体が集結し、運慶の父や息子などの関連作合計80点余りが展示されている。
運慶の作品がこれほど多く集結するのは初めてである。
『トイストーリー』の世界観のように仏像たちが人がいなくなった館内で動きだし、おしゃべりをしていたとしたらどんな会話を交わすだろう。
ちょっと想像してみた
大日如来「えー わたくし大日如来は運慶の最初の作品と言われています。地元東京からやってきました。800年も人前では座ってます。ちょっと立ってみたいな。よっこらしょ…」
阿弥陀如来「わたしもずっと座りっぱなしです。初めまして、不動明や観音菩薩ら6人で神奈川から来ました。鎌倉があったところなので仲間が多いんですよ」
毘沙門天「このたび静岡から来ました。毘沙門天です」
餓鬼A「おい、毘沙門天、ずっとオレ踏まれてるけど、そろそろ足どけてくんねえかな」
毘沙門天「あ、これはすまない」
餓鬼B「オレたち何にも悪いことしてねえのに800年も踏まれっぱなしだよ」
毘沙門天「おたくはどちらから?」
聖観音菩薩「愛知から1人で来たでよ、仲間がいっぱいおって嬉しゅうてかんわ。それにしても向こうで騒いでる小さいのは何ですか?」
重源上人「あれは和歌山から来た6人の童子たちですがな」
聖観音菩薩「生意気そうな顔してますなあ」
重源上人「申し遅れました。奈良の東大寺から来ました。いっつも大仏にでかい顔されてますけど、しばらく顔合わせへんからせいせいしますわ」
仏頭「みんな胴体があってよろしいなあ」
重源上人「あら? 仏はん、首だけになってしもて、胴体どないしはりましたん?」
仏頭「江戸時代の火事で焼けてしもたんや」
重源上人「そら、災難やったなあ…」
仏頭「こっちにおる二人のお坊さんは同じ興福寺から来た無若と世親や」
無若「二人とも胴体があってよかったですわ」
世親「仏はんも顔だけやのうて胴体も残っとったら重要文化財やのうて国宝やったかもしれませんなあ」
仏頭「それを言わんといて」
な~んて話してるかも。(^_^;)
運慶展は内部のレントゲン写真などもあり、その凄さを改めて思い知りました。
グーグル検索にてヒットし、小一時間で読めます。
勿論スマホでもOKです。
少し難解ですが歴史ミステリーとして面白いです。
北円堂は無著世親像を収蔵する
古都奈良・興福寺の八角円堂です。