まあどうにかなるさ

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食品ロス

2019-02-02 21:01:14 | 社会問題

明日は節分。ここ何年か恵方巻を食べるのがすっかり定着したように思う。
だが、この恵方巻は、時期を過ぎると大量の売れ残りが廃棄処分となり、問題となっている。農林水産省は、あまり作り過ぎないようにと、業界へ異例の通達を出したそうだ。毎年、恵方巻の廃棄処分は推定10億円分に上る。
日本で廃棄処分になる食品は年間646万トン、これは東京都が1年間に消費する食品の量に匹敵する。世界で年間に援助される量が380万トンなので、その倍である。
食品ロスは日本だけではない。世界中で1年で捨てられる食品の量はおよそ13億トン、これは食品総量の3分の1に当たる。
日本での食品ロスの主な要因は業界の商習慣だ。スーパーやコンビニなどの小売店では欠品を許さない。機会損失により本来売り上げがあったはずの数字が失われるからである。メーカーが欠品を出すと、売価保障というペナルティーが科せられる。ひどい場合は取引停止に追い込まれる。メーカーとしては食品ロスを覚悟して多く作らないと商売が続けられないのだ。
3分の1ルールという奇妙な業界の商習慣もある。これは、製造から賞味期限の最初の3分の1までを小売店への納品期限、次の3分の1までを消費者への販売期限とする慣習である。たとえば、賞味期間が3カ月の食品ならば、製造してから1カ月以内に小売店に納品し、次の2カ月の間に消費者に売らなければならない。その期限を過ぎると、返品や廃棄処分となる。海外でも一定のルールはあるが、日本のこの3分の1ルールは最も厳しいという。特に廃棄処分が多いのはクリスマスケーキや恵方巻などの期間限定品だ。
コンビニでは、賞味期限が近くなった弁当などの安売りを事実上認めておらず、売れ残りが大量に廃棄される。
食品ロスは業界による廃棄処分が要因であり、消費者は関係ないと考える人が多いかもしれないが、消費者にも廃棄処分を減らすことはできる。
よくスーパーなどで、パンなどの食品を棚の奥から取る人を見かける。賞味期限がなるべく長い商品を買いたいと考えるからだと思うが、この行為は間違いなく廃棄処分を増やしている。賞味期限が近付くと増々売れなくなり、やがて売れ残ってしまう。そしてこれは廃棄処分を増やすだけではなく、値段の上昇にも繋がるのである。例えば1割売れ残ると、売る側としては1割値上げせざるを得ない。
食品ロスは全て消費者がそのコストを払っているのだ。



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