日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

星人の宿 アスパラなど野菜の夕食

2010-06-14 23:45:10 | 旅行記
すっかり、一年に2度は食べないと我慢できない食事となった、
ここ富良野麓郷は別天地のペンション和田さん。
むっちゃんと言う料理人と、その昭和一桁の野菜作りに長じた
お母様の力が合わさって、大地の力がお皿の上に現れます。

18時30分に夕食はスタート。
テーブルに待っていたのは、

・にんじんサラダ



春雨が間でヒゲを伸ばしてアクセント、ドレッシングと
相まって食の世界へ舌を誘います。

・カマンベールいも餅と海老豆とアスパラサーモン



口取りとでも申しましょうか、3品が長皿にちょんと載ってます。
白と茶色と緑に紅、彩りも美しいラインナップ。

・ジャガイモグラタン



こういうお皿が、絶品になるのは、やはりおいしい素材を、
シンプルな調理で仕上げてくれるからでしょう。チーズがかりかりと
表面で鳴って、塩味のアクセント。ほわっと身がふくらんでいるのは
雪室で一冬すごしたジャガイモさんの底力でしょう。

・イカとアスパラ炒め



今日のディナーで、唯一の変化球。
イカのうま味は、野菜のうま味と対極にいる気がします。
アスパラがじゃじゃ馬を乗りこなせるのか?とどきどきしながら
口に運ぶと、自己主張の強い素材同士が仲良くやってるような
面白さがありました。

・コーンスープ



忘れてました、これもペンション和田さんの名物料理。
挽きぐるみのコーンを飲んでいただきます!という
重量級の汁物。スイートな夢よりも、ぐっさり頬張る
初め人間的野性が楽しめます。

・アスパラ3種の愉悦



アスパラが食べたいから6月にうかがいます!と自己主張はする
ものです。
皮を削った軸に水気がしたたっているのは、夕方取り立ての
新鮮さの証拠。アスパラの生です。ほとばしりますよ。
そして、茹でのふうわり感は台湾の天然塩で。
さらに、天ぷらでうま味の凝縮も楽しみました。

一夜の夢とは言いつつ、胃の腑に落ち着く頃には
もはや幸せ満点の浮かれ気分。楽しかったねと
(めす)に話しかけるのでした。


食後少し部屋に戻って読書。
21時近くなって完全に暗くなったところで、
外へ出ます。
そう、ここは星人の宿。ほしびとのやど、です。
ぐるりを演習林に囲まれ、隣家の光さえ届くことない
富良野の牧草地で、新月の夜に見上げた空は、
まさに星降る夜。
天球をごろりと寝ころんで、宇宙の一端を担うのでした。



初夏の富良野へ アスパラ旅行 1日目の日中記

2010-06-14 00:17:30 | 旅行記

5時起床、現金なもので遊びならすぐ目覚める。
荷物は準備済み、日曜のダーウィンが来た!と龍馬伝を録画予約して
ロビーに下ります。
海に行くらしいマンションの若い夫婦と朝の挨拶をして、
MKタクシーが礼儀正しいお出迎え。
5時40分にスタートすると首都高も快適にすすみ、
(めす)が仕事中のザ・東京タワーズや遠くにスカイツリーも見える湾岸
ドライブは20分で羽田に到着。
お土産の野菜カリントウ・ちとせを買って、まだ6時30分より前。
開店を待ってスタバでモーニング、まずは一筆書いてます。
ちょっと眠いけど、ご機嫌なスタートです。

飛行機は揺れ一つ無く旭川空港へ到着。内側の席だったので窓の外は
見えませんでしたが、きっと美しい下北半島などを真下に眺めながらの
フライトだったに違いありません。

旭川空港は思っていたより混雑。トヨタレンタカーの迎車も満員です。
今日のお供はビッツ。ラッキーなことに6キロしか走っていいない、納車された
ばかりの新車、プレートナンバーも66とご機嫌です。

宿泊はいつもの富良野麓郷にいある「星人の宿 ペンション和田」さんですが、
まずは車を逆方向に向かわせます。旭川空港から北向きに20キロほど、
上野ガーデンが初夏北海道の旅、最初の目的地です。
倉本 總先生のドラマ・風のガーデンの作庭をした上野さんの本拠地として
一躍有名になったと思ってたのですが、それは一般的な話。どうやらイングリッシュ
ガーデンに興味がある人には早くから知られた存在だったそうです。
花は燐として色とりどり。大小形もさまざま、高さも目の高さに花開いたり、
足元にそっと色を添えていたり。
そのうえ、25度を越えようかという快晴の陽気に、緑は輝いて美しいこと
この上ないお庭を堪能できました。
庭から続く裏の山にも汗を少しかきつつ登頂、ぐるりを見渡し、
北海道の水田地帯のぬるみをながめました。

先を急ぐ旅ではありませんが、10時30分~1時間ちょっとをガーデンで過ごすと、
朝ごはん抜きの腹はグーグー鳴り出しました。
でも、お腹がちょっと減ったくらいが実は私の運転時。というのもお腹がくちて
血が胃にまわると、瞼が下がってしまいます。といって、腹がすきすぎると
気が短くなって(めす)に迷惑をかけます。
あと1時間くらいは大丈夫と踏んで、車の方向を南へ旋回して、美馬牛にむかいます。
この、美しい土地の名前の由来はそのうち調べようと思いつつ、
減り腹に負けて、彼女が調べた、CAFE・GOSH(ゴーシュ)へ直行、焼き板の壁が落ち着く
眺めのいいお店です。
部屋の中はいっぱいで案内されたのはテラス、これが今日の昼には最高のシチュエーション。
風が渡り、丸く膨らんだ陽気な空気は緑のしたでくるっと回って薫をつけて
座っているだけで、初夏の季節をまとった感じがしました。
白い清潔なブラウスを着たすっぴんの店員さんは、実に明るい笑顔で
今日のメニューを教えてくれます。
勧められた、BLTオープンサンドに朝取りアスパラソテー添えのランチセットを私が
頼み、(めす)はキーマカレーをたのみました。
そして、両方とも見事なホームラン、かっ飛ばしたできに食べるほうも満面の笑みと
なるほどでした。
なんといっても、パンが美味しい。イギリスパンでもしっとりとした白肌に支えられた
生地に軽い酸味のドレッシングがかかったレタスがたっぷりと乗り、ベーコンは
白金の名店・歩人(ほびと)の厚切りにした燻香漂う逸品、そしてアスパラは
元気に大地の緑を主張して、主役がみんな個性的で、それを正しくパンが包み込んで
くれていました。
そして、コーヒーはブラジルの契約農園から入れた豆を丁寧に選別したと
言っているだけあって、雑見の無い苦味がマジックを口の中にかけてくれて
陶酔という午後を与えてくれるのでした。
ああ、北の大地の緑に酔って、ご機嫌な午後でありました。

そしてまた、新車のビッツはタイヤも新しいので軽快に走ってくれて
富良野へ入ります。
目指すのは六花亭がこの春にたてた、お菓子屋さんとレストランに
坂本直行氏の美術館もある、ブドウ畑にたたずむ大きな木と硝子のお店です。
お菓子をたんと買ったのはもちろんですが、
特筆すべきはそのテラス。机も何も置かず、ただ、テラス。広々と十勝岳に向かって
開いているのです。海の向こうの山脈といった風情で、テラスがあることで
風景がより大きく見えるのです。

ああ、気持ちいいよ、北海道。
どこへ行っても今日は気持ちが洋々としてきます。
その後も市内に新しくできた、農産物と特産品レストランが集まった
富良野マルシェを覗いて、仕上げは富良野生協でSBスープカレーの
緑箱を買って16時。
麓郷街道を駆け上がり、まだ明るい牧草地の一軒宿・ペンション和田さんへと
到着したのでした。

四方の山から聞こえてくる春ゼミと鳥達のに包まれて、しばしお昼ね。
いよいよ、美味しい野菜ディナーと、新月の夜の満点星を迎えます。

まずはここまで。