25日の深夜12時近く、職場から帰宅した(ふさおまき)氏(45)は、
うどんを湯がいた熱湯を捨てようとしたところ、鍋の取っ手が折れ、
足に火傷を負った。流水で30分冷やしたあと、自宅近くの病院で受診し、
軽度の症状との診断を受けた。
今回取っ手が折れたのは、B社の直径25センチの大鍋。
半切れドーナッツ型の持ち手が左右についている。
持ち手内側の穴に、鍋側の金属が引っかかって支える方式だが、
長年使用しているうちに、この引っかかる部分がゆるんだらしい。
その夜おまき氏は、冷凍讃岐うどんをまんべんなく湯がくため、
水を5リットル以上いれて沸騰させていた。
うどんがゆであがると、急いで水で締めようと
レンジから左に1メートル離れた流し台に鍋を移動させるため
取っ手を鍋つかみグローブをはめて握った。
落下したのは、握った直後だと思われる。
レンジから少し浮かした時点で、グローブ越しに取っ手が
揺れるのを感じ、5キロ以上ある鍋の重みが急に軽くなった。
落下を確信すると、半身を下げ、鍋を押し出して体から離そうとした。
ただ、この数週間左手首に炎症があり、ほとんど右手だけで支えていたうえ、
外れ始めた取っ手を通して力を加えても思うままに鍋を投げ出す方向を
コントロールできず、右の膝下から足首にかけて10㎝ほどに
熱湯をあびてしまった。
おもわず「危ない」と短く叫んだのをよく覚えている。
落下後は直ぐに隣室にいた(めす)が様子を見に駆けつけ、
氷嚢を準備、おまき氏は風呂場に行って湯のかかった膝下を
シャワーで冷やした。
初期の鋭い痛みが治まると、ネットで火傷の治療法を検索し、
火傷後は冷やすのが第一ではあるが、皮膚表面からどの程度の
影響を受けているか次第で予後の状況も異なるため、
できるだけ早い受診を勧めると、複数の記述を読んだ。
幸い、自宅から1キロほどの所に、何度か通院したことのある
救急指定病院を知っていたため、急いで電話。
当直の看護士さんから、丁寧な口調で、流水で30分冷やしてから
受診するようにとの指示を受け、アドバイス通りにしたあと、
歩いてその初台N病院に向かった。
暗い夜道はいつもより遠く感じられたとおまき氏は話すが、
到着したN病院はさすがに救急施設、他にも治療を求めた
患者が来院していた。
最初は看護士による問診があり、しばらくして当直の男性医師が
現れた。火傷の上を厚めのタオルで覆った上、アイスパックをあて
包帯で固定した応急手当を誉められながらの診断では、
皮膚表面だけの火傷としてはもっとも軽傷であること、
水疱ができているので破れないようにしておいたほうがいいとのこと、
とにかく今晩は良く冷やして、明日もう一度状況を見せに
来るようにとの話しがあった。
ゲル状で青い色の塗り薬を塗布、
来院時は遙か遠くに感じられた距離が、帰宅時は普段の昼間と変わらぬ
ものに変わったのが、医療の不思議と直接的な治療の意味
以外ををかたるようであった。
・・・・・・
なんか、客観描写にはなりきりませんね。
新聞の記事というのはやはりその道のプロが
書くもんだと改めて思います。
以上、長々とした、これからの人生、鍋の取っ手は疑って
かかるを誓うルポでした。