お彼岸の今日,お墓参りに行きました。
この日は日暮里駅が一年でいちばん混み合う日。というのも,谷中(やなか)の一大寺院群がそばに控えているからです。うちの菩提寺も谷中にあります。
今日は早く着きすぎたこともあり,お天気がいいこともあり,いつもとは違うルートを通ってみることにしました。
谷中銀座。
全国に「~銀座」はたくさんありますが,谷中銀座は昔懐かしい下町の商店街として,外国人が見物にも来るところ。
「90歳のじいさんがやってるそば屋があるんだよ。」と兄。
「朝4時に開店で,そばがなくなるまでやるんだ。11時過ぎてるからもう閉まってるかな」
しばらく行くと
「お,やってる,やってる」
寺での待ち合わせまでまだ20分以上あるので,ちょっと覗いていくことに。
「らっしゃい」
「今日は遅くまで開けてますね」
「お彼岸だからね」
品書きは
かけ:200円
きつね,たぬき,とろろ…:250円
てんぷら:270円。
安い!
兄とその息子はてんぷらそば。私は…
「きつねにしようかな」
「そば? うどん?」(爺)
「そば」(犬)
(やはりここは東京だなあ→リンク)
「おじさん,おいくつですか」(犬)
「80だよ」(爺)
(?)
「もう一人のおじさんは?」(犬兄)
「ああ,今日は休みだよ」(爺)
いつもは二人でやっていて,もう一人のおじいさんが90歳なのだそうです。90歳と80歳…。
「あさ4時から客がいるんですか」(犬)
「朝帰りのお客さんさ。電車が無くなって飲み明かした人たちね。変なお客さんもいるけど,いろんな人がいて面白いよ」(爺)
ものの30秒できつねそばが出てきます。
「あとは学生さんね。貧乏な東大生がよく来るよ。ここいらは家賃が安いし,大学まで歩いていけるからね」(爺)
味は可もなく不可もなし。普通の立ち食いそばです。
「このあたりは古い家が多いですね」(犬兄)
「空襲で焼け残ったところもあるからね。でも3月10日は派手にやられたなあ」(爺)
話は突然60年以上遡ります。
「あの坂の上からみるとね,お寺のほうがずっと焼け野原だった」(爺)
「夕焼けだんだん坂ね」(犬兄)
「あの坂,夕焼けもいいけど,富士山もきれいに見えるよ」(爺)
(そういえば途中に富士見旅館っていうのがあったな)
「それ,年代物ですね」(犬)
壁に据えつけられた古めかしい木の箱。ガラス張りの内側に,小銭が5~6列に整然と並べて積んである。
「あ,これね。便利なんだよ。こうやるとね…」(爺)
箱のいちばん下にある右端のボタンを押して小銭を取り出す。
「40円。見なくても大丈夫」(爺)
説明を聞くと,手動のレジスターのようです。列は全部で6列あり,右から4つが十円玉。次が百円玉。いちばん左が50円玉。
右の4列は,筒の下の取り出し口の隙間が少しずつ違っていて,いちばん右は4枚出るようになっている。そして右から順に3枚,2枚,1枚分の隙間。百円と50円のところは1枚分。お釣りを渡すとき,必要な小銭がすばやく正確に取り出せるわけです。
「80円のお釣りなら,これ(50円玉)を一回,こっち(30円)を一回。百年前ぐらいに発明されたみたいだけどね,機械よりずっと早いよ」(爺)
(すばらしい…)
そばを食べおわると熱いお茶が出ます。
「今日は墓参りかい」(爺)
「ええ,埼玉から来たんです」(犬)
「学生さんも,遊びにおいで。この街,なかなか面白いから」(爺)
「はい」(犬兄息子)
(でも,わざわざ来ないよなあ)
「ところで,看板がないけど,店の名前は何」(犬兄)
「初音。またいらっしゃい」(爺)
「ごちそうさま」(3人)
この日は日暮里駅が一年でいちばん混み合う日。というのも,谷中(やなか)の一大寺院群がそばに控えているからです。うちの菩提寺も谷中にあります。
今日は早く着きすぎたこともあり,お天気がいいこともあり,いつもとは違うルートを通ってみることにしました。
谷中銀座。
全国に「~銀座」はたくさんありますが,谷中銀座は昔懐かしい下町の商店街として,外国人が見物にも来るところ。
「90歳のじいさんがやってるそば屋があるんだよ。」と兄。
「朝4時に開店で,そばがなくなるまでやるんだ。11時過ぎてるからもう閉まってるかな」
しばらく行くと
「お,やってる,やってる」
寺での待ち合わせまでまだ20分以上あるので,ちょっと覗いていくことに。
「らっしゃい」
「今日は遅くまで開けてますね」
「お彼岸だからね」
品書きは
かけ:200円
きつね,たぬき,とろろ…:250円
てんぷら:270円。
安い!
兄とその息子はてんぷらそば。私は…
「きつねにしようかな」
「そば? うどん?」(爺)
「そば」(犬)
(やはりここは東京だなあ→リンク)
「おじさん,おいくつですか」(犬)
「80だよ」(爺)
(?)
「もう一人のおじさんは?」(犬兄)
「ああ,今日は休みだよ」(爺)
いつもは二人でやっていて,もう一人のおじいさんが90歳なのだそうです。90歳と80歳…。
「あさ4時から客がいるんですか」(犬)
「朝帰りのお客さんさ。電車が無くなって飲み明かした人たちね。変なお客さんもいるけど,いろんな人がいて面白いよ」(爺)
ものの30秒できつねそばが出てきます。
「あとは学生さんね。貧乏な東大生がよく来るよ。ここいらは家賃が安いし,大学まで歩いていけるからね」(爺)
味は可もなく不可もなし。普通の立ち食いそばです。
「このあたりは古い家が多いですね」(犬兄)
「空襲で焼け残ったところもあるからね。でも3月10日は派手にやられたなあ」(爺)
話は突然60年以上遡ります。
「あの坂の上からみるとね,お寺のほうがずっと焼け野原だった」(爺)
「夕焼けだんだん坂ね」(犬兄)
「あの坂,夕焼けもいいけど,富士山もきれいに見えるよ」(爺)
(そういえば途中に富士見旅館っていうのがあったな)
「それ,年代物ですね」(犬)
壁に据えつけられた古めかしい木の箱。ガラス張りの内側に,小銭が5~6列に整然と並べて積んである。
「あ,これね。便利なんだよ。こうやるとね…」(爺)
箱のいちばん下にある右端のボタンを押して小銭を取り出す。
「40円。見なくても大丈夫」(爺)
説明を聞くと,手動のレジスターのようです。列は全部で6列あり,右から4つが十円玉。次が百円玉。いちばん左が50円玉。
右の4列は,筒の下の取り出し口の隙間が少しずつ違っていて,いちばん右は4枚出るようになっている。そして右から順に3枚,2枚,1枚分の隙間。百円と50円のところは1枚分。お釣りを渡すとき,必要な小銭がすばやく正確に取り出せるわけです。
「80円のお釣りなら,これ(50円玉)を一回,こっち(30円)を一回。百年前ぐらいに発明されたみたいだけどね,機械よりずっと早いよ」(爺)
(すばらしい…)
そばを食べおわると熱いお茶が出ます。
「今日は墓参りかい」(爺)
「ええ,埼玉から来たんです」(犬)
「学生さんも,遊びにおいで。この街,なかなか面白いから」(爺)
「はい」(犬兄息子)
(でも,わざわざ来ないよなあ)
「ところで,看板がないけど,店の名前は何」(犬兄)
「初音。またいらっしゃい」(爺)
「ごちそうさま」(3人)
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