犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

技能実習生

2018-12-04 23:51:32 | 大阪暮らし

 大阪では、ときどきインドネシア料理の店に行きます。

 その中でも通勤途中にある中津のバグース(すばらしいという意味)に行くことが多い。

 こ
の日も仕事が終わって一人で行きました。

 カウンターで銀杏のチップスをつまみに生ビールを飲んでいると、となりに東南アジア系の青年が座りました。インドネシア人のようです。店主とインドネシア語で話しています。よく聞き取れませんが、この店には始めてきた様子。話しかけてみると、日本語も上手でした。

「留学生ですか」


「いえ、働いています」


「技能実習生ですか」


「そうです。池田にある工場で働いています」


 今話題の技能実習生でした。ニュースでは、すごい低賃金で働かされているという話をよく聞きます。

「給料はいいですか」

「まあまあです。月10万円ぐらい」

 10万円をまあまあといえるかどうか。

「足りますか」

「家は会社の寮だし、電気や水道も会社が払ってくれます。食事は自分で作りますから」


「職場にインドネシア人はいますか」


「はい、8人います。いっしょに住んでいます」


「同じ部屋で?」


「いえ、部屋は一人ひとり別です」


「技能実習生になるのには、お金が必要だったでしょう」


 ニュースでは、仲介業者に大金を払って、借金をしている実習生が多いらしい。

「はい。高校を卒業して、二年間貯めたお金で払いました。借金はしていません」

彼は22歳。五人兄弟の長男で、下に弟2人、妹2人がいるそうな。

「インドネシアにお金を送るんですか」


「はい」


「たとえば3万円送ると、インドネシアでは何が買えますか」


「そうですね。バイクが買えます」


「バイク? そんなに安いんですか? 中古?」


「いえ、新車です。でも最新型じゃなくて、5年前ぐらいのモデルなら」


「いつもいくらぐらい送るんですか?」


「この前は17万円送りました」


「じゃ、バイクが5台買えますね」


 インドネシアのご家族は、この長男を頼もしく思っていることでしょう。

 彼がたまたま恵まれているのか、マスコミで報道されている事例が偏っているのか。技能実習生にもいろいろあることがわかりました。

「いつまで日本にいるんですか?」

「来年の7月です」


「それまで一生懸命働いて、たくさん稼いでくださいね」


「はい、頑張ります」


追加で頼んで一緒に食べた鶏のココナツソース煮(料理名は忘れました)は私が払い、ラインのアドレスを交換して別れました。


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