犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ネパール語

2019-04-20 23:41:36 | 言葉
 私の部署に、この4月から新入社員が入りました。キャリア採用で、31歳のメキシコ人。日本の大学を卒業し、ある業界紙で、日本語で記事を書いていたというから、日本語はペラペラ、読み書きも日本人並みです。

「スペインにも住んでの?」


「はい。小さい時は、おばあさんの田舎のガリシア地方で育ちました」


「スペインとメキシコは、同じスペイン語でも、少し違うんだよね」


「そうですね。ただ、ガリシアは、スペイン語ではなく、ガリシア語です」


「カタルーニャ語みたいな?」


「バルセロナとは場所が違います。北西の、ポルトガルの近くです。だから、ポルトガル語とも似ています」


「じゃポルトガル語もできるの?」


「はい、わかります。マドリードに行ったときは、ガリシア出身ということで、よくいじめられました」


「へえ、地域差別?」


「ええ、ガリシアは被差別地域なんです。バスクと同じで」


「バスクは有名だね。フランコが爆撃したときのことを、ピカソがゲルニカに描いたよね。バルセロナで見た」


「よくご存じですね。よく、サグラダファミリア教会について聞かれるのですが、私はまだバルセロナには行ったことがなくて」


「いつからメキシコに?」


「小学生からです。父の仕事の関係で、メキシコとスペインを行ったり来たりしてました」


「スペイン語以外にできる言葉はあるの?」


「ポルトガル語、イタリア語、フランス語、英語…、そうだ、ネパール語もできます」


「ネパール語! なんでまた」


「日本語学校に通っていたとき、中国人や韓国人が多かったのですが、あまり友達ができませんでした。でも、ネパール人たちが僕に対してとてもフレンドリーなので、友達になったんです」


「今、日本にネパール人が多いらしいね。この前調べたら、日本で日本語を学んでいるネパール人は、ネパール国内で学んでいる人の3倍だって」


「そうですか? 去年、カトマンズに行ったとき、町じゅう日本語学校の看板だらけでしたよ」


「ふーん、最近増えたのかな」


 私が見た、ネパール国内での日本語学習者数の数字(4,262人)は、2015年のもの。それでも2012年にくらべて55%増ですから、その後も急増していて不思議ではありません。
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