犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

平成最後の夜

2019-04-30 23:04:47 | フィリピン
 平成最後の4月30日、娘たちは都内の渋谷と秋葉原を見学するそうな。

 私は、池袋でソウル時代の友人と夕食の約束をし、そのあと娘たちと合流することにしました。

 友人は、このブログにもしばしば登場するKさん。滞韓26年で、昨年、日本に帰国しました。

 五時に新大久保で待ち合わせ、以前行ったことのある「アジア食堂」に行きました。

 「この前、韓国人と食事をしたんですが、彼が『ここの韓国料理はうまい』といって連れてきてくれたのがここなんですよ」

  「ほんと?」

  「そのときはチキンしか食べませんでしたけど」

  「なんか信じられないなあ。この店、韓国料理と中国料理を区別できてないみたいだけど」

 この店は、アジアの8か国の料理を出しますが、いちおう、8か国が4グループに分かれていて、インド・ネパール料理、シンガポール・マレーシア料理、タイ・ベトナム料理、中国・韓国料理。

 タイ・ベトナムと、中国・韓国というくくりかたは、大雑把すぎます。

 このときはネパール料理を食べました。羊の干し肉の煮込みとネパール風餃子。前者はとても歯ごたえがありました。

  「7時に娘たちと池袋のフィリピンバーで会うんだけど、いっしょにいかが?」

  娘がフィリピン人男性と知り合ったいきさつをざっと話しました。

  「私がいっしょに行っちゃっていいんですか? 大事なお食事の場じゃないかと…」

 「そんなことないです。人が多いほうが楽しいから」 


 フィリピンバーには、今日行くことを予告していました。

  「フィリピン料理を作って待ってるよ」 


 ママからラインで連絡が来ていました。 行ってみると、客はなく、私たち4人の貸切状態。10連休中なので、お客さんは少ないのかもしれません。

 ママ以外にフィリピン人女性が一人。初めて見る顔です。

  「昨日から来てます。よろしく」

 「前にいた人は?」

  「ああ、2人ともやめた」 


 内紛でしょうか。こういう店はスタッフの入れ替わりが激しい。やめた2人のうちの1人はダニエルと同じ出身地だったのに、残念です。

  「ああ、この方ね。娘さんのボーイフレンド。お名前は?」

 「ダニエルです」 


 店の人とダニエルは、しばらくタガログ語でしゃべっていましたが、途中から英語になりました。

  「そろそろフィリピン料理が恋しくなったでしょう?」 

 お店で用意してくれたのは、シニガンスープとシシグでした。シニガンは具だくさんの野菜中心のスープ。シシグのほうは、豚肉の辛い炒め物。

  「アア、サン・ミゲル!」 


 ダニエルが目ざとく見つけました。 フィリピンの代表的なビールで乾杯したあと、キープしていたスコッチに移ります。

 ダニエルは、酒に強いらしく、飲んでもかわらない。

  「なんか、フィリピンの歌うたって!」 


 ここはカラオケもあります。

  「ぼく、一曲だけ、フィリピンの歌、うたえますよ」 とKさん。

 「アナックっていうんですけど、日本語でもカバーされてます。杉田二郎が」

 「古い! 40年ぐらい前ですね」

 「ダニエルも、これから日本語勉強するんでしょう。歌がいいわよ、日本語の勉強に」 


 ママさんは、歌で日本語を覚えたそうです。

 そのうち韓国語の歌も歌ったりして、日本語、タガログ語、英語、韓国語が乱れ飛ぶ、何が何だかわからない雰囲気の中で、平成最後の夜が更けていきました。 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本観光 | トップ | 令和の幕開け »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

フィリピン」カテゴリの最新記事