次は、韓国で出ている日本語の教材にあった例文です。
この本は、説明が複雑ではない。
誤用ではないけれども、ちょっと不自然な感じがしませんか。
な形容詞(形容動詞)の否定形の例文です。「複雑だ」という「な形容詞」の否定形は「複雑ではない」で正しい。でも、ふつう日本語でこういう言い方はしないですね。
この本は、説明が簡潔だ。
とか、もっとシンプルに
この本は、説明がわかりやすい。
というんじゃないでしょうか。
これ、韓国語に直訳すると、非常に自然な表現になります。
イチェグン ソルミョンイ ポクチャッパジアンタ
たぶん、韓国人が韓国語で例文を考えて、それを日本語に直訳したんでしょう。
では、これはどうでしょう。
だれかから必要のないものをもらったとき、日本人は直接「要らない」とは言わない。「結構です」と言う。
なんか、「直接」の使い方がおかしいなあ。ふつうは、
「私がかわりに渡しておきましょうか。」
「いえ、自分で直接渡します。」
のように、人を介してではなく、自分が、というときに使うことが多いと思います。さきほどの例は、「直接」ではなく「直接的」を使って、
「要らない」という直接的な表現は使わない。
としたほうが日本語としては自然。しかし、これもまた、韓国語に翻訳すると実に自然な表現なんですね。
韓国人がよく使う表現に、コミンハダというのがあります。コミンを漢字で書くと苦悶。でも、意味は日本語の苦悶ほどに強くなく、「悩む」と訳すことが多いです。
ところが、韓国人は単に「考える」程度のときでも、このコミンハダを使う。それで、日本語なら
対策を考えてみました。
とでも言うべきところを、
対策を悩んでみました。
などと言ってしまう。このあたりになると、不自然を通り越して誤用と言っていいのではないかと思います。
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