
写真:ハ・テギョン保険研修院長(韓国経済新聞より)
著書『帝国の慰安婦』が元慰安婦から名誉棄損で訴えられていた民事裁判の控訴審判決で、1月22日に朴裕河名誉教授に逆転無罪判決が下されたことは、前にお伝えしました。
朴裕河名誉教授の法廷闘争
「朝鮮日報」によれば、この判決に対し原告側は上告せず、2月19日に朴名誉教授の無罪が確定したとのことです。
朝鮮日報2月21日付
11年踏みつけにされた「学問の自由」… 「議論の代わりに学者を悪魔化する誤り」
法廷闘争は実に10年7か月の長きに渡りました。
すでに刑事訴訟では最高裁での無罪が確定しており、民事を含めてすべての係争が終結したのかというと、そうではない。
『帝国の慰安婦』に対する「出版禁止仮処分」の取消を求める訴えが残っているそうです。こちらも刑事・民事裁判の判決から、取り消されることが確実ですが、迅速に判断を下してほしいものです。
判決確定の2日後、ある政治家が朴名誉教授に謝罪しました。
「韓国経済新聞」2月21日付
ハ・テギョン「魔女狩りを傍観・学問の自由にそっぽ」…朴裕河教授に「謝罪」
与党「国民の力」から三期連続当選した元国会議員、ハ・テギョン保険研修院長は21日、自身の個人のSNSを通じて「政治家の卑怯さに対する謝罪」という文を掲載した。
ハ院長は「遅すぎたが『帝国の慰安婦』の著者パク・ユハ教授に丁重に謝罪する」と切り出した。
彼は「11年前、慰安婦に対し異なる視角を持ったという理由で朴教授が大衆と言論から猛烈な批判を受け、裁判にまでなったとき、私は「学界で評価され解決すべきであって、裁判所の判事が結論を出す問題ではない」、「学問の自由は保障されなければならない」という所信をもっていた」と書いた。
さらに「しかし、こうした立場を公に表明できなかった。慰安婦問題があまりにも微妙な問題であり、これに伴う大衆的反日狂風が恐かった」、「意見表明したら骨も拾えないほどに(=徹底的に)批判され、窒息死するほどの雰囲気が恐かったからだ」と付け加えた。
ハ院長は「当時、朴教授が魔女狩りの対象になっている姿を見ても傍観するしかなかった私がとても情けなかった」、「2021年に似たような論争があった「5.18歴史歪曲処罰法」に対しては、強く反対した」と説明した。
続けて「あらためて朴教授にお祝いの言葉を送る一方、政治家かつ同時代の知識人として、当時学問の自由を守れなかった自分を反省し、謝罪する」と再度頭を下げた。(以下略)
本人が言うように、遅すぎるうえに、「学問の自由が保障されるべきだと思っていたのに言えなかった」なんて、証拠もない。
まあ、判決後、だんまりを決め込んでいるおおぜいの政治家、学者、作家たちよりはマシという程度でしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます