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先日、ソウル駐在時代の知り合いの家に遊びに行きました。
元某大手放送局のソウル特派員。ちょうど2002年日韓共催ワールドカップのころに5年ほど駐在していました。
子どもたちが日本人学校で同級生だったり、駐在員のテニスチームで毎週いっしょにテニスをしたりしていた関係で、今も付き合いがあります。
ご主人は、私より5つほど上で、66歳のときに退職。某放送局は、希望すれば70歳まで雇用延長があるというから恵まれている。
退職後、前立腺がんが見つかり、早期発見だったので完治。ただ、抗がん剤の副作用からか、肺結核を発症し、今も薬を飲んでいるんだそう。
70歳に近い今も、ボランティア活動などをしているというから、えらいものです。
「どんなボランティアですか」
「統合失調症の人の身のまわりのお世話」
「統合失調症?」
「早い話が精神病だね。いろんな手続きが自分ではできないから、代わりに役所に行って代行してあげたり…」
「そんなボランティアがあるんですね」
知りませんでした。
統合失調症という言葉、辞書によれば2002年から使われている言葉で、それ以前は精神分裂病といわれていたそう。たいへんな仕事だと思います。
ボランティアという言葉はどうなんだろう。
三省堂国語辞典の初版(1960年)には載っていない。
第4版(1992年)から立項され、第8版(2022年)の記述は、
ボランティア〔volunteer〕自発的に(無料で)社会事業に奉仕する(人/こと)。「ボランティア活動」
慈善とか奉仕ということばと似ているけれども、
じぜん【慈善】経済的に困っている人を、お金や物を出して助けること。
ほうし【奉仕】①社会・お客などのためにつくすこと。「社会に奉仕する・奉仕活動」②(略)
とあって、ややニュアンスが違う。
ボランティア活動が脚光を浴びたのは、阪神や東北の大震災のとき。「災害ボランティア」に手を挙げる人々がたくさんいました。保育園で働いていた私の次女も、何度も東北に足を運びました。
先日新宿でいっしょに飲んだ、やはりソウル時代の友人は、毎週日曜日に、「録音ボランティア」をしています。
視覚障がい者のために、小説を吹き込んでいるそうです。録音の希望の多い本は、一時代前の大衆小説。今は源氏鶏太の作品だとか。彼の場合、ソウルでは韓国人向けの日本語教材の声優をやっていましたから、セミプロ。それでも、視覚障がい者用の吹き込みにはいろいろと注意すべき点があるらしく、一定期間、研修を受けたそうです。
私も少し前から、地域の国際交流協会で外国人相手の、日本語教育ボランティアをしています。
ただこれが純粋にボランティアかというと、教えること自体が楽しいからであって、半分は自分のため。災害ボランティアや障がい者向けのボランティアとは、ちょって違う。
韓国では、日本よりもボランティアが盛んな気がします。韓国にはクリスチャンが多いですからね。ただ、クリスチャンの場合、布教活動とつながっていることが多く、真の目的は自分の属する教会の教勢拡大だったりして。
高校生の場合、大学受験時の内申書に書いて、受験を有利にしようという思惑もあったりする。日本大使館前の慰安婦集会には高校生がたくさん参加していましたが、この多くが内申書の「ボランティア経歴」欄に書くためだ、という報道を読んだことがあります。
韓国語でボランティアは「チャウォンポンサ」。漢字では自願奉仕です。
自願には、ボランティアの原義である「自発性」にニュアンスがよく出ているので、なかなかいい訳語ではないかと。
中国製か韓国製かわかりませんが、日本もこの漢字語を輸入すればいいのに。
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