犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

慰安婦詐欺裁判、2つ

2023-01-14 23:25:38 | 慰安婦問題

写真:水曜集会で演説する尹美香

 韓国で、元慰安婦を食い物にしていた支援団体の責任者に関する裁判が、最近になって進展をみせています。

 1つは正義連(旧挺対協)の代表(理事長)だった尹美香(ユン・ミヒャン)関連の裁判。

 尹美香は野党(当時は与党)共に民主党の比例代表として国会議員に当選、その後、共に民主党を除名されましたが、現在も無所属で国会議員を続けています。

 韓国の新聞報道(聯合、中央日報、朝鮮日報など)によれば、1月6日、ソウル西部地裁で開かれた論告求刑公判で、検察は被告尹美香に対し、懲役5年を求刑したそうです。

 罪状は、多岐にわたります。

 2015~19年、管轄官庁に登録することなく団体口座で計41億ウォンの寄付を集めたり、元慰安婦金福童(キム・ボクドン)さんの葬儀費や海外戦時性暴力被害者支援などの名目で、個人口座で寄付を募り1億7000万ウォン(約1780万円)を集めたこと(寄付金品法違反)

 2011~20年、個人口座で集めた元慰安婦の葬儀費など1億ウォンを私的な用途に使ったこと(業務上横領)

 2013年~20年、「戦争と女性人権博物館」(挺対協が運営)に、学芸員を置いていないにもかかわらず勤務しているように装い、文化体育観光部とソウル市から約3億ウォンの補助金を不正に受給したこと(補助金管理法違反)

 吉元玉(キル・ウォノク)さんの認知症を利用して、吉さんが受け取った女性人権賞の賞金や国民から集めた募金など、1億ウォンのうち7920万ウォン(約830万円)を正義記憶財団に寄付させたこと(準詐欺)。

 慰安婦被害者施設を相場より高値で取得したこと(業務上背任)

 尹美香が起訴されたのは2020年9月のこと。そこから結審まで2年4か月もかかったのは、裁判所が時の政権(文在寅政権)の顔色をうかがっていたからでしょう。

 裁判が動き出したのは、政権交代の影響もあったんだと思います。

 判決は2月7日(10日という報道もあり)に下されるそうです。

 もし有罪になっても控訴・上告するでしょうから、最高裁まで行く可能性が強い。そうなると尹美香は残りの任期1年4か月を全うし、その間、国会議員としての手厚い待遇を受け続けることになります。

 裁判所はてきぱきと審理を進め、尹美香を早く投獄してほしいものです。

暴かれる「慰安婦募金ビジネス」

 もう一つは、慰安婦の居住施設、ナヌムの家を巡る裁判です。

「聯合ニュース」によれば、1月12日、水原地裁城南支部で「ナヌムの家」への補助金を不正受給したとして地方財政法違反の罪などで起訴されていた安信権(アン・シングォン)所長に対する判決公判が開かれ、安被告に対し、懲役2年6か月の実刑判決が言い渡されたとのことです。

 また、同施設の運営母体である「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」には、寄付金品法違反で、罰金1000万ウォン(約105万円)の判決が下されました。

 訴状によれば、安被告らは2013~14年、「慰安婦被害者資料の管理」の名目で受け取った補助金を職員に給与として支給してから返金させる方式で補助金1800万ウォンを着服。

 また、特定業者に12億ウォン相当の工事を依頼する過程で入札に関する資料を偽造し、7億ウォンの工事補助金を地方自治体から不正に受給。

 さらに書類を偽造し、死亡した慰安婦被害者の遺産約6000万ウォンを法人に寄付させたということです。

「ナヌムの家」への疑惑

 安信権は、「帝国の慰安婦裁判」の実質的な原告でもあります。

『帝国の慰安婦』という本が名誉棄損だと言って、著者朴裕河教授を、出版差し止め訴訟、民事訴訟、刑事訴訟で訴え、刑事訴訟は8年経った今も最高裁で留め置かれたままです。

 安信権の有罪判決を契機に、「帝国の慰安婦裁判」で一日も早く朴裕河教授の無罪判決が出ることを、切に願っています。

朴裕河ー『帝国の慰安婦』訴訟と韓日関係に関する記者会見

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