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コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 22

2008-08-08 00:17:46 | 親子コミュニケーション

昨日のブログに静かにしない子どもたちのことを書きましたが、保育園や子ども会の集まりなど、さまざまな場面で先生やスタッフが苦心して「聞いてもらえる体制」作りをされているのを見てきました。
普段の家庭で使えるかどうか分かりませんが、ちょっとしたアイディアとして書いてみましょう。

まずは逆転の発想で、あちこちでおしゃべりして落ち着かない子どもたちに向かって先生が投げかけた言葉です。
「さぁみんな、今からは好きにおしゃべりしても良いからね。さぁ大きな声でワァーと叫ぼう。(ワァー)、よしじゃあもう一回、ワァー。(ワァー)よし、もう一回する?もう満足した?じゃあ、これからお話しするから聞いてください」

次は注目を集める方法で、簡単なゲームによって気持ちを引き込みます。
「じゃあ、これからゲームをします。拍手ゲームです。このタオルを投げて手を離している間だけ拍手してください。いいですか…」(以下、手を離したり、フェイントかけたりして、タオルをいろんな投げ方をする)
最初は雑談してた子らも、途中からでもルールが飲み込めるんで参加しだします。
拍手の音も伴ってるので、気づかない人はいませんしね。
そうして、みんながスタッフの方に集中したところで、話を始めます。

同じようなゲームをもうひとつ。
こちらは片方の手を空中に固定して、もう一方の手を上からゆっくりと下ろしていき、重なったところだけ手を打つというもの。
最初はゆっくり動かして「パン」と一拍だけだが、徐々に動かす方の手を早くして拍手の状態にする。
時々手を止めて、拍手をやめさせるメリハリをつける。
こちらも、スタッフの手の動きに集中しないといけないので、みなが一方に集中します。

次は家庭でも使える簡単な方法
「おしゃべりやめるのはイヤかもしれないから、そのままでも良いけど、目をつぶってみようか」
なかにはつわものもいるかもしれませんが、たいていは目をつぶると口も閉じていきます。

最後に、広い場所でじっと座れない小さい子どもらに対するちょっと強引なわざ。
「みんなじっとできないから、逆に動き回ろうか。先生の周りをぐるぐる回ってください。で、手をパンとたたいたらストップして寝転がる。じゃあ、スタート」
子どもらは喜んで走り回ります。
これを何回か繰り返して、疲れたころ、寝転がった状態で終わって
「じゃあ、今度はそこで座って目をつぶってみよう」
一気に鎮めるんじゃなく、ちょっと寝転がってクールダウンしてから、もう一度騒ぎ出す前に座らせるのがコツ。

行事などでは、スケジュールなどの時間管理もあるから、できるだけ早く静かにさせるのが大事でしょうが、「静かにしろ」と怒鳴るだけでは難しいですもんね。
そういうときの「おさえつけ感」を出さないこういう方法もいいと思います。

親子コミュニケーション 21 「私メッセージ」
親子コミュニケーション 20 「11~19のまとめ」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュ 番外編 5

2008-07-27 01:39:07 | 親子コミュニケーション

子どもを泣かせてしまった。

今日、知り合いのライブがあるので、見に行こうと思っていた。
いつもはライブスポットなので、酒の場だし夜も遅いから一人で行く。
しかし、今日はイベントの無料ライブ。
もし子どもがぐずっても、気軽に離れたりもできるし、2階の踊り場などから聴くこともできるし、ぜひこういう機会に「本物」に触れてほしいと思っていた。

そう、これは私のこだわりで、出張などですごい情景に出くわすと、それを子どもたちに生で見せてやりたいと思ってしまう。
福井の東尋房だったり、鳥取の砂丘だったり、言葉では伝えられないものを自分の感覚で味わってほしい。

だから、テレビやビデオで聞く音じゃなく、生で目の前で奏でられる楽器からあふれる音を一度聞いてほしいと思っていた。
そんな機会が現れたので、ぜひ連れて行ってやろうと。

長女は部活があるのを知っていたし、すでに出かけていた。
次女は最近家族で出かけるよりパソコンでチャットしている方が良い様で「行かない」と一言。
長男は「おねえちゃんが居るなら、暑いから家に居る」
次男も「ぼくも家で遊んどく」

それらの反応にキレてしまった。
その心理は単純明快
「せっかく、自分が良かれと思って誘っているのに」

そう、それはあくまでこちらの「良かれ」の押し付けであって、子どもにはその価値は分からないし、「行こうか」だけではどんな思いが込められているかはしるよしがない。
なのに、好意を無駄にされたというような屈辱感や、言うことを聞いてもらえなかった気持ちや、そんな感情の波に飲まれ、怒りの気持ちだけが湧き出してしまう。
子どもが駄々をこねるのとなんら変わりがない。

ここには伝え方の問題がある。
「私はこう思っている」というメッセージなしで、当然来るという思い込みでもって投げかけている。

子どもらは一度部屋を出て行ったが、まずは次男が「ぼくは行くわ」と擦り寄ってきた。
そのまま怒りが収まらないこともあるのだろうが、ちょっと一息ついて、自分の接し方にも問題があると内省しだしていたので、「じゃあ一緒に行こう」と受け止めてみる。
「お兄ちゃんも行くって言ってた」というので、「じゃあ呼んできてあげて」と次男を送り出す。
部屋に戻ってきた長男に「一緒に行こうか」というとうなずき、大泣きしだした。

子どもが原因で怒らせたときは、まずは謝らせるまで次の話はしないのだが、今回はこちらの接し方の問題もあると分かっているので、そこはなし。
「お父さんは、すっごい音楽を聴いてほしいと思ったんや」ということを伝える。
その気持ちが伝わったのか、あるいは怒ってるお父さんが怖いから何とかしようとしたのかはわからないが、「聴きたい」と声を振り絞った。

結局次女は置いて、連れ合いを含め4人で会場に向かった。
道中ですでに二人の息子はふざけあって機嫌を直している。
暑い中の野外ライブだったが、おとなしく聞いていた。
(次男の方はさすがに30分超えると遊びだしたが)

帰りにいろいろ感想をたずね、教えてもらった。
まぁ、音楽はまだ分からないだろうが、何かに触れてくれていたらいいなと。

それよりも、いつもここで偉そうなことを言っているが、実際まだまだできんよなと。
いや、下手に「自分はコミュニケーション上手だ」と錯覚するよりは、こうして「だから育ててもらわんとな」と振り返らせてもらうことが大事。

ということで、息子よ、ごめん。

親子コミュニケーション 21 「私メッセージ」
親子コミュニケーション 20 「11~19のまとめ」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


 


親子コミュ 番外編 4

2008-07-23 23:56:48 | 親子コミュニケーション

保育園で朝に見かけた風景です。

ベテランの保育士さんが子どもを抱きながら、子どもを送ってきたお母さんたちと談笑しています。
抱かれている子はすごくぐずって、「おかあさーん」と外に向かって泣いてますから、そこで談笑しているお母さんの子ではないんでしょうね。

その保育士さんがこう言ってました。
「○○くんも、良く育ってきたなぁ。こんなに自分を主張して、大きな声で泣いて。個性的に育ってくれたわ」

多分、若い保育士さんや(この保育士さんもまだ若いですよ。もう子もちのママさんですが…)若いお母さんだと、朝の忙しい、ましてや他の子どもたちの面倒も見ないといけない時に、からだ全体で暴れる子どもに、余裕をなくし、困ってしまうと思います。

しっかり抱きしめる。
泣くことをやめさせようとしない。
余裕を持って受け止める。

だからこそ、この子はこれだけ泣いて自己主張させてもらえたんだと思います。

残念ながら、私もじっと見ているわけにはいかないんで、その場を去りましたから、その後その子がどういう態度をとったかは分かりません。

私は子どもを4人ともこの園にお願いしてますので、他の園がどうかは知りませんし、ある意味これで当たり前なのかもしれません。
でも、こうしてこの保育士さんがこの子にかまっていられる状況は、園が作り出してくれているんでしょうし、いい園だと思ってます。

子どもが育っていくのといっしょに、保育士さんも育っています(16年も通ってたら、中堅先生の新人のころも知ってますしね 笑)そうして、親も育ててもらってるんですね。

 

親子コミュニケーション 21 「私メッセージ」
親子コミュニケーション 20 「11~19のまとめ」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュ 番外編 3

2008-07-12 00:18:28 | 親子コミュニケーション

今日、小学生の長男が学校を休んだ。
「頭が痛い…」
本当に頭痛もあるのだろうが、学校に行きたくない理由もあるかもしれない。
連れ合いからもその原因らしい話も聞いている。
とりあえず、「遅刻させます」と学校に連絡し、ちょっと休ませてもう一度学校に行くよう促したが、最終的に「休む」という結論をした。

とまあ、ここまでは良くあることだが、夜一緒に寝ているときに展開があった。

Kくん「ねられへん…」
「うん、昼間いっぱい寝たからなぁ」
Kくん「…」
ちょっと悩んでいるような顔をしている。
「なんか考えて寝られへんのか?」
Kくん「うん」
「お話できるか?」

ちょっとの間をおいてから話し始めた。

Kくん「あのな、嘘ついてしまうことがあるねん。いっぱいいっぱい、この口から嘘が出てくるねん」
「そうかぁ、いっぱいいっぱい嘘が出てくるんや」
Kくん「うん…」

今日の休みのことも気にしてるのかなと思い

「おとうさんやおかあさんにも嘘ついてるんか?」

Kくんはしまったという顔をして黙り込んだ。
このままでは詰問になり、追い詰めてしまうかもしれないと思った。
それは望むことではないので、切り口を変えてみる。

「いっぱい嘘が出てくるんやなぁ。それをあかんと思ってるんや」
Kくん「うん…」
「一個嘘をついたら、それをかくそうとまた嘘ついてしまうのかな」
Kくん「うん…」
「そういうとき、すぐに『ごめん、今嘘ついてしもた』って謝れへんかなぁ」
Kくん「嘘ついたの怒られるのが怖いねん…」
「怒られるのが怖いのか」

誘導したつもりはなかったが、「怒られるのが怖い」という今一番心配している気持ちが出てきた。
もうちょっと大きな子なら、自分から出てきた「怒られるのが怖い」という感情を自分でじっくり味わってもらうのも良いんだが、ここはちょっと不安を取り除いてやることをしてみようと思った。

「嘘ついて、怒られたくないからまた嘘ついちゃうんやなぁ。そうやってどんどん嘘をついちゃうんやなぁ。それは良くわかるわ。
 でも、おとうさんやおかあさんや先生は、すぐに『嘘ついてしまった』って自分で気づいて、謝る方がうれしいから、怒らへんと思う。お友達とかは子ども同士やからわからへんけどな。
 怒られんとこと思ったら、いっぱいいっぱい嘘ついてしまうんやろ。それってきっとばれるからなぁ。
 ばれたほうが怒られるんとちゃうかな。」

目をそむけながらも静かに聞いているようなので、ちょっとここで確認作業

「いま、お話聞いててどう思う?」
Kくん「謝った方が良いと思う」

まぁ普通に考えても「謝る」という答えにたどりつくのが普通だし、頭のきれるこの子だから優等生的に解答したのかもしれない。
しかし、こちらから「謝るようにしなさい」と押し付けるのではなく、「お父さんはこう思う」というところでととめておき、自分で結論にたどり着かせた。

最後に
「よー、お話してくれたな」と手をつかみ、頭をなでておいた。
「もう寝られるか?」と聞いたら「うん」と答えたので、そのまま寝かしつけた。

実際、つぎに誤魔化したくなる出来事があったときに、どういう風に転がるかはわからないが、無理やり学校に行かさず、「受けてあげる」ことで話してみる関係を作ってやれたのなら良かったんじゃないかと思う。

今回のポイントは最初は嘘をつくことへの畏怖(悪いことをしたら地獄に行くと言うことを聞いている)から、話しているうちに変わってきた、その時点での「怒られるのが怖い」という感情を聞いてやるということかな。
もうひとつは、「こうしなさい」と教えるんじゃなく「こうしてくれたらうれしいな」という伝え方。

余裕がないと、なかなかこういう受け答えはできませんが、ちょっと心がけておくことで…ね。


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 21

2008-07-10 23:35:54 | 親子コミュニケーション

今まで書いてきたちょっとした心がけを、実際によく見かける場面で考えてみたいと思います。
こういうときはどうしたら良いのというご質問をいただいたりしますので、そんな一例になればと思います。

今回は、ショッピングセンターでの一場面。

お菓子売り場で子どもが「これ買って~」とぐずる場面ってよくありますよね。
さてどうしますか?

「はい、わかりました」と買ってあげますか。
これで済むなら子どもも万々歳ですし、問題ないですね。
しかし、いつも要求どおりにしているわけにもいきません。

「駄目」「買いません」ストレートですね。
これでわかってくれれば言うことありません。
しかし実際は「いやぁ、買って~」とますます声を大きくして要求してくるんじゃないでしょうか。
それはこちらも「困る」状況ですから、どんどん「何とかしたくなってくる」
その「何とかしたくなる」気持ちが強いと、「駄目って言ってるでしょ!」と怒鳴ってしまったり、あるいは手を上げてしまったり…
そんなはずじゃなかったんじゃないでしょうか。

「今日はやめとこう。明日にしよ、明日に」よく使う方法じゃないですかね。
「じゃあ絶対明日な」と子どもは結構その場は引いてくれます。
しかし、これが毎日続くと、子どもも誤魔化されませんし、下手すれば押さえ込んでいたもの、我慢していたものがそのときの気分で一気に噴出し、手のつけられなくなることになりかねません。

そこで、まずそのときの子どもの「気持ちを受け止める」ことをしてあげればどうでしょうか。
「そうか、これ買って欲しいんや」と一度受け止める。
子どもとしても、一度受け止めてくれるからこちらの話を聞こうとしてくれます。
まぁ、一回ではなかなか子どもも引きませんので
「そう、買って欲しいんや。これ買って」とまた要求に移るでしょう。
そこは根気強く
「そうか、これ買って欲しいんや」とだけ繰り返す。
たまに「○○ちゃんはこれを買って欲しいんやね」と名前も入れて、しっかりと受け止める。
そうやって受け入れていることを子どもが感じているようならば、こちらの思いを話してやります。
「おかあさんは、今日は買わない方が良いと思ってる」
「おかあさんは、もうすぐご飯だからおやつはいらないと思ってる」
「おかあさんは、明日にした方が良いと思うな」

そう、以前書いた「私メッセージ」というやつです。

こういう方法を使っても、なかなかこちらの思いを聞いてはくれないでしょうが、最初から押さえつける・締め付ける態度を示すよりも、子どもとの間に「いい関係」が築けるはずです。
また、相手の気持ちを受け止めることを心がけて訓練することは、自分の気持ちを受け止める訓練にもなりますし、「私メッセージ」はそうした自分の気持ちを相手に伝える訓練になります。

今回、「お菓子」という例なので、「お菓子を手に入れる」という目的を果たすまでは子どももなかなか折れないでしょうが(子どもにとっては大きな問題ですもんね)、こうした日常の場面に心がけることで、「親子コミュニケーション」にとって一歩進んだものになっていけると思います。

親子コミュニケーション 20 「11~19のまとめ」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 20

2008-07-07 02:42:23 | 親子コミュニケーション

このテーマももう20回目になります。
途中、番外編も加えましたから、実際のトピックはもう少しありますね。
ではここで一度まとめておきましょう。
前回のまとめで使った、大きく三つに分けたテーマと、複合したものの「その他」の4つに分けてみます。

一.こちらの態度
 13-雰囲気を変えてみる
 14-追い詰めないで、逃げ道を作ってあげる
 15-手をつなごう(態度の変化)
 16-今ある状態を認めてあげる
 18-抱っこに見る成長

二.話し方・伝え方

三.聞き方
 11-待つ・最後まで聞いてあげることによる尊重
 12-沈黙もだいじにしてあげる
 
四.その他
 10-1から9のまとめ
 17-「いただきます」いのちの考え方
 19-自分の気持ちも大事にする(葛藤の原因)
 番外編1 兄弟げんかに対する態度1
 番外編2 兄弟げんかに対する態度2

こうして振り返ると、最初は前回の続きで「聞き方」について書き、その後「態度」について書いてますね。
ここ10回では「話し方・伝え方」は書いていないようです。
今後はもうちょっとバランスを考えて見ますね。


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 19

2008-07-04 00:06:54 | 親子コミュニケーション

先週、ふと出会ったお母さんとちょっと立ち話。
私の長男とその方の娘さんが保育園からの同級生で、保育園の役員も一緒にさせていただいた。

その中でふと漏らされた言葉が印象的だった。
「子どものことを思って、一生懸命仕事や役を引き受けてがんばってるけど、ふと振り返ったら子どもを置き去りにしてるって気づくときがある」

私が出会うお母さん方は、保育園で一緒になるパターンが多いですから、お仕事を持たれている方が多いです。
朝子どもを保育園に預けて、働きに出て、夕方ぎりぎりになって子供を迎えに行く。
帰ったら帰ったで、食事の用意や家事全般。
そこには「家族のため、子どものため」という「心の支え」を頼りにしておられますが、なかなか余裕はないですよね。

保育園の先生と話すこともあるのですが、その先生にも子どもさんが居られて、朝、別の保育園に預けて、夕方ぎりぎりに迎えに行かれる。
当然、そのあと家のこともしなければなりません。
「いつも、(保育園の)子どものことを大事にしてくれてますね」と声をかけると「自分の子どものことはぜんぜんできてへんけどね」と。

理想としては、ゆっくり自分の子どもと向き合って、共に笑い共に悲しみ、同じ時間をすごしていくことだと思います。
でも、そうできないことを悲しみ、ふっとため息をついてしまう。
頭では「こどものため」と言い聞かせているけれども、理想との差に苦しんでしまう。

私も、そういう「理想と現実」に差があることで「葛藤」を感じ、それが苦しみになっていたことがあります。
あるいは、その苦しみをなんとかごまかそうと、自分で自分を偽り、気持ちを押し殺していたこともあります。

ただ、カウンセリングを学びだしたときに「理想を高いところに置く」ことで「葛藤」し、また「現実を良しとしない」ことで「葛藤」していることを知りました。
このことを解決して「葛藤」を無くそうということはとても難しいのですが、こういうことで「葛藤」があるんだなと一旦押さえることで、大きく気持ちの持ちようが変わった気がします。

ほんとうはこうありたいんだけど(理想)、今はこうなるしかないんだな(現実)

と、一度自分の気持ちを受け止めてあげる。

子どもと一緒にいたいんだけど、そう思って今はがんばってるんだな。
がんばってるけど、ちょっとしんどいなぁ。
あぁ、しんどいと思ってる自分なんだ。


実は自分でこういうことに気づいていくのはなかなか難しくて、他の人に自分の気持ちを聞いてもらうことで、ゆっくりゆっくりと気づいていけます。
こういう「聞いてもらう」ことで自分の内なる声に気づいていく作業…これがカウンセリングの大事なことですね。
決して、何かを解決したり、指針を与えてもらうことじゃないんです。

そういう、楽にいろいろ話しができる機会…
なにかそういうことができればいいなと思っています。

私の先輩方は、各地でそういう活動をいろいろされていますので、いずれ紹介したりネットワーク化していければ、と思っています。

 

親子コミュニケーション 18 「抱っこのすすめ」
親子コミュニケーション 17 「いただきますの意味」
親子コミュニケーション 16 「今のあなたでいい」
親子コミュニケーション 15 「手をつなごう」
親子コミュニケーション 14 「逃げ道」
親子コミュニケーション 13 「違った雰囲気」
親子コミュニケーション 12 「沈黙も大事に」
親子コミュニケーション 11 「尊重してあげる」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ18

2008-06-26 00:36:50 | 親子コミュニケーション

今日は単純に「抱っこ」

保育園に子どもを迎えに行ったとき、先にいた別のお母さんが子どものいる部屋の入り口で、しゃがんで両手を広げるのを見た。
次の瞬間、部屋の中から子どもが飛び出してきてお母さんに飛びつく。
あまりの勢いにお母さんはしりもちをつくが、親子でニコニコ笑っている。
ただそれだけの光景が、私にはうれしかった。

ふと後ろを見ると、今度は別のお母さんがまだ生後半年くらいの赤ちゃんを抱っこひもで抱きかかえている。
赤ちゃんはもうまかせっきりで、幸せそうな顔をしている。
お母さんも笑っている。
ただそれだけの光景に、私もつられて笑顔になる。

前にカウンセリングの集まりで聞いたことがある話。
それに少し私の感じたことを加えたもの。

最初は子どもを包み込むように抱っこする。
子どもは親のふところで安心している。

次に、向かい合わせでお互いの顔が見えるように抱っこする。
子どもは親の顔を見て、目の前にいることに安心する。
まだ親と子だけの世界だ。

もう少し成長するとおんぶをせがみだす。
これは親と同じ視線で同じ方向を見ることになる。
親と一緒に、目の前の世界を知っていく。

さらに成長しだすと、肩車をせがむ。
これは親を超えて、親より遠くを望もうとする意思の表れだ。

もしかしたらこじつけなのかもしれないが…
私はこういう意味もあるんじゃないかなと思う。

どうせいつかは抱っこもせがまなくなるんですから、今のうちに精一杯抱っこしてあげましょうよ。

親子コミュニケーション 17 「いただきますの意味」
親子コミュニケーション 16 「今のあなたでいい」
親子コミュニケーション 15 「手をつなごう」
親子コミュニケーション 14 「逃げ道」
親子コミュニケーション 13 「違った雰囲気」
親子コミュニケーション 12 「沈黙も大事に」
親子コミュニケーション 11 「尊重してあげる」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ17

2008-06-24 16:49:26 | 親子コミュニケーション

今回書きますことは、仏教の考え方を中心としますので、他宗の信仰や道徳的な考え方とは違う部分もあるかもしれません。
まぁ、ひとつの考え方としてお読みください。

食事の時に「いただきます」「ごちそうさま」って言いますよね。
保育園・幼稚園や学校でもこれは当たり前に教えています。
おうちではどうでしょう。
もし、していないご家庭があるようでしたら、ぜひ食事の挨拶を家族全員でしてあげて欲しいと思います。

昔と比べても仕方ないのですが、食事の時に家族がそろうというのは当たり目であり、また重要なことでした。
しかし、だんだん仕事の時間というものが、かならずしも朝から夕方というものではなくなってきましたし、そういう人に合わせてショッピングセンターやいろんなお店が深夜営業や終夜営業しています。
と同時に、共働きなども増えてくると、なかなか家族揃って食事とはいきませんね。

で、子どもだけ先に食べさせてしまう時もあるでしょう。
そんな事情でも、この「いただきます」だけは一緒に言ってあげて欲しいんです。

じつはこの「いただきます」という言葉には深い意味があります。
私は仏教の教えを聞かせていただいているものですが、食事というものは「ほかのいのち」を奪う行為だと教えられています。
牛や豚、鳥や魚、米や野菜にしても、ほんとうは連綿と続いていくはずのいのちを、そこで断ち切って「いただいている」んですね。

また、それらを育てたり獲ったりしている人たちのおかげ、流通で運んでくれる人のおかげ、販売するお店屋さんのおかげ、料理してくれるひとのおかげ、食材を買うためのお金を稼いでくれるひとのおかげ…自分が食べるという事の裏に、これだけの「おかげ」がいるんです。

そういうことを、いつか一度、子どもに話してあげて欲しいと思います。

最近、信じがたいような事件をよく耳にします。
他人を傷つける、親でさえ殺してしまう…
自分と関係ない存在だと思うからじゃないでしょうか。
自分だけで生きていると思うからじゃないでしょうか。

自分が今ここにいるということだけで、どれだけのおかげがあるか。
どれだけ「いただいて」今ここにいるか。

食事の言葉を大事にして、その意味を聞くだけで、「いのち」を大事にする一歩になると思います。

私の子どもは、保育園が仏教園であることと、私たち両親が仏教徒であるので、外食の時でもこの言葉を言ってから食べます。
「みほとけと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。
 ふかくごおんをよろこび、ありがたくいただきます」

今週末に、京都の華光会館で行われる「日曜礼拝」に、私が講師としてこの話をします。
幼児から大人まで、幅広く参加されていますし、子どもだけの話し合いやゲームの時間、大人の座談会もあります。
よければご参加ください。
また、このときの話はコラムにまとめてアップしようと思ってます。

親子コミュニケーション 16 「今のあなたでいい」
親子コミュニケーション 15 「手をつなごう」
親子コミュニケーション 14 「逃げ道」
親子コミュニケーション 13 「違った雰囲気」
親子コミュニケーション 12 「沈黙も大事に」
親子コミュニケーション 11 「尊重してあげる」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」


親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 16

2008-06-13 00:36:13 | 親子コミュニケーション

今日の話は、私の中でもまだ結論が出ていない話。
というか、私としての方針は決まってるんだけど、それが他人に薦めるのがいいのかどうかが微妙。

それはスパルタがいいのか、緩いのがいいのか。

私は基本的に緩い方。
出来ないことがあっても、それが今のその子の姿であれば無理をさせようとしない。
勉強であれ、スポーツであれ。

しかし、厳しく育てられたおかげで才能を開花させてる人もいるし…

たとえばスポーツだと、根性論でなくとも「あきらめるな」「がんばれ」というのは普通だし、「自分で限界を決めるな」というのもわかる。
世間で一流と呼ばれるアスリートはそういうところで努力して頑張って、その記録や地位にたどり着いたんだろう。
しかし、私はふと考えてしまう。

すでに、その人なりに一生懸命やっていることを、他人から見て「まだがんばれる、もっとがんばれ」と言われてどうだろう。
「あぁ、これだけやってもまだ認めてもらえないんだ」という気持ちになると傷つくんじゃないだろうか。

成功した人の話を聞くと、そこを乗り越えたって言うのはわかるんだろうけど、その一握りの人よりも、もっと大勢の傷つき挫折してきた人がいるんじゃないだろうか。
そう思うと、安易に「がんばれ」と今の姿以上のことを求めるのはしたくない。

かといって、みんなで手をつないで同時にゴールさせるような競争じゃない競争も疑問だ。
みんな一緒にしようと言うのは、勝ち負けがあると、「負けはだめ」という考え方がそこにあるんじゃないだろうか。
勝ち負けをつけた上で、「負けてもいい」という考え方。
そのときのその子の姿・状態を認める。

「こうであって欲しい」という親の願いはあるだろうし、当然だけど、そうじゃない時にそれを責めるのじゃなく、「今はこうなんだと」認める考え方。

それは決してあきらめの薦めじゃなくて、「今のあなたでいい」ということ。

ちょっと巧く言葉になってないけど、もしなにか感じることがあれば、「おかしいんじゃない」って言うのも含めて反応があれば、それに応える形で言葉にまとまってくると思います。

 

親子コミュニケーション 15 「手をつなごう」
親子コミュニケーション 14 「逃げ道」
親子コミュニケーション 13 「違った雰囲気」
親子コミュニケーション 12 「沈黙も大事に」
親子コミュニケーション 11 「尊重してあげる」
親子コミュニケーション 10 「1~9のまとめ」