コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

支援活動のために

2014-01-02 18:52:36 | 発達障がい支援

新しい年を迎えました

このブログも相変わらず細々でも続けていこうと思います。
昨年は書き損なっているネタが山ほどあるのですが、いずれご縁があれば振り返ってみます。

今回は、早めに書いておきたいと思っていたことを、正月休みを利用して記しておきます。


昨年から少しずつはじめた発達障害支援の活動ですが、おかげさまで優れた支援者、当事者の皆様とご縁が出来、一緒に研修などをさせていただくことで多くの学びをいただいています。
そのことが、自分の子どもとの接し方に多くのプラスを与えてくれます。

その一方で、「知ってきている」ことからしでかしてしまう失敗がいくつかあります。
昨年の出来事です。

息子は発達障害の特性があり、時々困った行動をします。
特に、「人の話をしっかり聴かない」「自分の思い込みが強く、一度思いこんだら曲げない」という傾向です。
昔はなかなか聞き入れないことにイライラしたものです。

先日、習い事のことで連れ合いも含め年末の日程について話していました。

息子「明日はレッスンがあるから行く」
母「年末やからもうレッスンないよ」
息子「先週、先生がまた来週なって言わはったもん」

レッスンは事前に申し込んで料金を支払う形。
何回分も申し込んでるかは、母が一番知っている
ただ、基礎連、リハ連、ボーカルトレーニングなど、種類は多い。
一番重要なのはリハ連で、これに出ないと公演に出にくくなる。

母「電話して聞いたけど”リハ連”は先週で終わりですって」
息子「でも先生は来週っていわはったから、あるもん」

この時点で、私は「また思い込みから抜け出せなくなっている、いつもの特性が出ている」と判断
こういうときは正面から言うのでなく、ワンステップずつ理解させてやることが大事だ。

私「お母さんはメールで確認してくれはったよな」
息子「うん」
私「○○の人は、レッスンは無いですって言わはったんやな」
息子「先生は来週会うって言わはった」
息子「明日、行って確かめてくる」

あまりにしつこいんで、もうこれは本人が納得するしかないな、と。

私「お父さんもお母さんもついて行けへんで」
息子「自分でバスで行くし大丈夫」

その夜、不安がよぎる。
明日、練習スタジオに行って、誰もいなかったらどういう気持ちになるんだろう。
絶対あるって行った手前、ばつが悪くなるんじゃないだろうか。
幼い頃、息子はショッピング中に迷子になっても動じず、こちらが困っているとも思わず、どんどん自分の好きなところへ行った。
当然、自分は迷子だとは思いもしない。
家に帰りたくないと思ったら、そのまま繁華街をふらふらしかねない。
「明日は仕事の都合つけて、練習スタジオまで一緒に行ってやろう」

翌日、兄が電話して確認してくれた
「今日の基礎レッスンはありますか?」
返事は「ありますよ」

息子が正しかったのだ。
母が電話した時に、先方が「リハ連はなくても基礎連はありますよ」とか言ってくれていたら話は早かったかもしれない。
大人がないと言って、息子はあると言っている
根拠は先生が「また来週」と言ったと言う事だけなので、その先生の勘違いもありえる、ましてや事務局はないと言っているのだ
息子はいつも思い込みが激しく、頑として譲らない

発達障害特性を意識し、先回りしてあれこれ配慮してしまう…
これはとても恐ろしいことだ。
「息子は発達障害だから」という枠付け。

 

支援のためには相手を理解し、特性を理解し、配慮が必要になります。
配慮がないことで、厳しい言葉を浴びせてしまい、コミュニケーションを苦手にし、どんどん追い込んでいく社会…それをなんとかしようとして行っている支援活動。
しかし、そのことに天狗になってしまい、相手のことを信用せず、思い込みで関わってしまうことのなんと恐ろしいことでしょうか。


息子にはあやまりました。
「ほら、自分が正しかったやろ」と鼻高々です
(その態度にイラっときたりしますが 笑)


なかなか一筋縄ではいかず、こちらも失敗ばかりですが、お互いに学びあい育ちあい、支援活動を広げて行きたいなと。
今年はいろいろと実践的に動く年になりそうです。
失敗を糧としながら

 自立を望む発達障害の当事者支援団体 アズウィッシュ