さて、今回のヨコハマさんぽ(散歩)
さいごに
おとずれた 馬車道は、
文明開化グルメの
発しょう(祥)の地です
文明開化・食のシンボルは、牛なべ(鍋)
で、
「牛鍋食はねば ひらけぬやつ」
と
うたわれて、
「新時代人」を名のる人の
しきん(試金)石 でした。
それまで、肉をとおざけていた・日本人ですが、
牛なべ(鍋)から
肉食に
めざめていった
そうです
この牛なべ(鍋)屋を チェーンてんかい(展開)し、
大当たりをとった
明治時代の実ぎょう(業)家が、
木村しょうへい(荘平)
と
いう人なのですが、
その荘平の娘である、木村あけぼの(曙)
っていう女の子に、
うちのチットは
前から
関心を いだいています
木村荘平が社長をつとめる・「いろは牛鍋店」は、
さいせいき(最盛期)には、
20もの支店を
もっていました
「いろは大王」とよばれた・荘平は、支店のかんり(管理)を
それぞれ
おめかけ(妾)さんたちに
まかせ、
商売を かく(拡)大
「牛肉食って、精力絶倫」を、
まさに
地でいく男でした
この、いろは大王が作った・30人の子どもの
長女が、
木村あけぼの(曙)
です。
チット
が、あけぼのに注目したのは、彼女が「かわいいお嬢さん」だから、
では ありません
彼女が、
若くして小説を書き
当時、
「才女」の名を
ほしいままにして いたからです
あけぼの
は 父に似て、「想像力」と「行動力」のある
女の子でした
しかし、
父のぎせい(犠牲)になり、
19さいで
死んでしまいました
あけぼのは
お父さんに、
ゆめ(夢)だった・留学を 反対され、
好きだった東大生と
別れさせられ、
知らない男に
とつがされ、
夫の浮気に
苦しんで、
りこん(離婚)したあげく、病にたおれ、
しつい(失意)のうちに
亡くなったのでした・・。
生前、父おや(親)の荘平は、
あけぼのと
同い年くらいの若い娘を
次々
めかけにとり、
一方で、
娘のあけぼのを
てってい・かんり(徹底管理)しました
「つけ文をする男がいた。」というだけで、かみ(髪)を切られた
日、
あけぼのは
父のことを
にくんだはずです。
そんな・あけぼの
が書いた、小説の主人公は、
留学のゆめ(夢)をかなえ
けんこう(健康)な体で
自由に羽ばたく
みずからの
分身でした
クリンは この話をきき、あけぼの
が
かわいそうで
なりませんでした。。
そして、
お父さんの荘平に、
晩年
バチが当たっていればいいな
と
思いました
しらべてみると、荘平は エビスビールの社長になったり
、
政界に進出したり
しながら、
67さいまで
生きているのですが、
荘平・亡き後!
「いろは帝国」は、子どもたちによって、一気に
つぶされていきました
あとつぎの「荘蔵」は、売上金を使いまくって
店をとうさん(倒産)させ
次の「荘太」と
「荘五」と
「荘十」は、
文学にぼっとう(没頭)・・
「荘六」は弁士になり、
「荘七」は役者、
「荘八」はさし(挿)絵画家、
「荘九」も画家
「荘十二(そとじ)」は 映画かんとく(監督)
と
好きな道にすすんで、
だれも
牛なべ屋の実家を
かえりみませんでした。。
この
すばらしい
兄弟のれんけい(連携)プレーには、
お姉ちゃんのあけぼの
も、浮かばれたことでしょう
(みんな、
女ぐるいのお父さんのこと、
キライだったにちがいありません!)
(横浜散歩・完)