あらすじ
Wデートなのに、まだ目的地にも着いてないのに、
猛ダッシュですれ違う4人。
そして思ったより長くなってメンドくさくなってきた!
会ってから1時間も経たないうちに、既に半死半生の3人。
それをよそに1人盛り上がるW。
W、お前だけでも生きてくれ!
全く希望はないのだろうが、僕はそんな捨て身の心意気で
Wを応援することに決めた。 もうヤケクソである。
相変わらず歩み寄ろうとしないA子と、
遺言かのようにポツリポツリと会話しながら目的地へ向かう。
そしてようやく映画館に到着した。
着いた!早く観よう!さぁ観よう!!
映画が始まっちまえば、とりあえず会話の無さに苦悩する必要はない。
そしてMとA子が何を観るのか相談する。
M「ねー何にする?」
A子「そーだねー、なんか感動的な映画がいいねー」
さんざん時間かけて選んだのが、
バットマン!
なんで!?
うん、まぁ、いいけど!
この際バットでもグローブなんでもいいさ。
もうなんなら、ただのオッサンでもいいよ。
ほれほれ、決まったら立ち止まらない!
さっさと行く、ホラ!
気を急かして受け付けに行く。
代金を払おうとした瞬間、僕は凍り付いた。
隣にいたA子が受け付けをスルーして進んでゆく。
完全に金を払う気ないのである。
Wは笑顔でMの分のチケットを買い、渡していやがる。
こっ・・お、落ち着け。怒るな!
耐えろ、俺。
そうだ、今日の晩ゴハンはハンバーグだって言ってたな!
頑張れ、これが終わればハンバーグが待ってるんだ!
もう誰の為でもないよ、ハンバーグの為にガンバレ!キャッホーイ!
ワケの分からない現実逃避をしながら、
A子のぶんのチケットを購入し、A子に渡す。
たぶん僕の顔は泣き笑いの表情だっただろう。
はぁ、疲れた。なんだこの疲労感は。
映画が始まったら寝よう。
ジュースさえ買わずに館内に入ろうとするが、
WがMにジュースを買い与えてる。
ちょっ、もー!オメェよぉぉ!
もー余計なコトすんなや!
ほら!A子が見てる!
私には?的な目で俺を見ている。
な、なんだ、このプレッシャーは。
「ハハハ!なんか飲む?」プレッシャーに負ける男。
「ペプシ」とA子。
ペプシ?
思春期の乙女が男にペプシ頼むか?
僕だって夏祭りの時くらいしか飲まないよ。
まぁ、いいけどね!
そしてに入って愕然とする。
なんと満席。
おもっきし立ち見。
立ち見で映画見たのは後にも先にもそれだけ。
すごい人気。
いやがおうでも期待してしまう。
そうさ!!コレでオモシロければ、
僕は今日起こったコトの全てを赦し、受け入れよう。
そして笑顔で帰ろう、あのハンバーグの元へ。
そうして映画が始まったが、これが
と
に
か
く
ツ
マ
ら
ん。
もう、ひどい。
これなら、ただのオッサンの方がオモシロいよ。
3000円だして入って、ペプシ買わされて、
2時間立ち見で、あげくオモシロくない!
あ、イテ!
イテテテテテ。
心が痛い。
つづく