無知の涙

おじさんの独り言

ハイスクール落ガキ 「初めての停学」

2008年10月19日 | 思い出

喫煙場所を確保した僕とフテブテ君。



そうして我が高校生活も1週間を迎えようとしていた。



友達はフテブテ君以外に誰もいない。
もちろん僕はクラスメイトに対して心を閉ざしているワケではない



そう、クラスメイトが僕に心を閉ざしているのだ。
というか、僕ら。
いやむしろ僕らっつーかフテブテ、オメーだよ原因は。



やはりあのフテブテ君の傍若無人な振る舞い
かなり周囲の警戒を強め、緊張状態なのである。



そこに今までムッツリしてた僕がフテブテ君と行動するようになったので、
もう僕はテロ支援国家くらいに周囲から警戒されるハメに。



このクラスで警戒すべきグループは3つ。



まず1グループ目は、
金髪のヤツとボウズ頭の2人組み。
腕っぷしは分からんが、とにかく目立っている。

2グループ目は、
地元ヤンキーグループ。
やはり地元だけあって派閥デカいし、
地元と絡むといろいろと厄介なのである。
別に自分たちの所有している土地でもないのに、
やたらとナワバリ意識が強いのもヤンキーの特徴である。



3グループ目は、
フテブテ君が一撃食らわせたヤツがいるグループ。
地元ではないが、この学校に近い地域から来ている。
けっこうタチが悪いことで有名。
地元群の次に人工割合が高い。




でもフテブテ君の強烈な一撃が効いているのは確か。
なにより被害に合っているヤツが仲間を連れて
仕返しに来ないのがそれを物語っている。




このままでは、いずれ必ず衝突する。

フテブテ君が彼に謝罪でもすれば事態も好転するんだろうけど。

・・・ないな。
フテブテ君は相変わらず態度デケーし、
とにかく喧嘩っぱやいし。

コレの何処がデビューなんだよ。
コレがデビューなら、みんなもうヤクザだよ。

コイツをイジめてた奴は、よっっぽど何か弱みを握ってたんだろ。


なんとか仲良くなる方法はないか。

なんでそこまで仲良くなりたがっていたのかと言うと、
1週間後に遠足があるのだ。


高校1年で遠足って・・・、とドン引きしたけど、
頭のか弱い学校だから仕方ない。


しかも行く先が、
パン工場の見学→アスレチック公園

そのパン工場→小学3年の校外授業
そのアスレチック→小学校の卒業旅行


でとっくに行きましたけど。

高校1年になって、パン工場で何を学べというのだ。


そんでその日もバックレ。
フテブテくんは単位を気にして来なかった。


帰り道にある駄菓子屋のベンチに座って、
チェリオを飲んでいると、


「コラッ!!オマエ何組だ!!」
と怒鳴り声。


ビックリして振り返ってみると、
例のバケモノ教師が立っている!!


ひいいいいいいい。


「おい!!生徒手帳を出せ!!」


すげーデカイ声。
サイレンか。

店のばあちゃんがオッタマゲてるよ。


僕は一刻も早く生徒手帳を出そうと
焦りまくってポケットをまさぐってると、
制服の内側ポケットからタバコがポロリんこ。

ひいいいいいいいいいいいい。
終わった。


「なんだこれ」とバケモノ教師。


「あ、オヤジに買って来いって頼まれたんです。」


「タバコ開いてるけどな」


「空いてるタバコを好むので」

そして・・・
もちろんガツーンと鉄拳を喰らい、
僕はめでたく停学第1号者となったのでした。


で、停学明けの日が恐ろしいことに遠足の日となり、
僕はフテブテくんしか友達のいないまま、
遠足にいかなければならなくなったのです。


 


限りなく鼠 2

2008年10月17日 | 思い出

そこにはパイプイスが10脚ほど並べられていて、
6人ほどの女性が座ってました。

その正面にはデカいホワイトボードがありました。


そこに座ってしばらく待つと、
一人の男が部屋に入ってきました。


どこにでもいそうな軽薄な感じの2枚目で、
服装はなんだかホストみたいな感じで、
やたら宝石類を身に着けてました。


うさんくさッ!!!


もう、うさんくさ発見器みたいなモノがあったら、
完全にメーター振り切るよ。
ボンッ!て爆発するよ、ベタに。

こ・・・こいつプロだ。
うさんくささのプロだ。


思わずうさんくさいで賞でもあげたくなりましたが、
まぁここまで来たからには一通り説明を聞かないと、
僕だって引っ込みつきません。


説明が始まりました。


もうほとんど覚えてませんが、
何かの商品を自腹で買って、
それを友達や知り合いに売る。
値段は自分で決めていいから、
利幅が多ければ多いほど儲けるとか。


要するにネズミ講


なんか高校生の頃に、
中学の同級生がネズミ講やってる
という噂が流れ、
その時に大体の概要まで聞いていたから予備知識はありました。


くだらねー。
ホントにこんなコトやってる奴いんだ。


リチャードに悪いけど、
そっから僕は完全に敵意むきだし


うさんくさマンも僕の敵意に気づいたらしく、
なんとなく意識し始めてるのが分かった。


んでも、あの話術というか、
アレは無駄にスゴイですね。

これで月に何百万も儲けて、
ポルシェがどーとか、マンションがこーとか。

僕以外の女の子はすっかりノリ気でしたもん。

タチの悪い新興宗教みたいで、
すんげー気持ち悪かった。


「この中に僕の話を全く信じてない人がいますが、
 私の言ったことは真実です」


僕のコトを言ってるのである。

「何か質問はありますか?」
うさんくさマンはそう続けた。


僕は真っ先に挙手した。

「それって要するに友達や知り合いを騙せってコト?」


その質問を聞いたうさんくさマンは、
フゥと溜め息一つ吐いてからこう言った。

「騙すわけではない。
 これはその人達にとっても有益な話です。
 その商品を元に、彼らも利益を上げれば問題ない」


「それを騙すっつってんだよ。 
 利幅の分だけ誰かが痛い目に合ってんだよ。
 人を騙せない優しい人がよ」


「おやおや、あなたは心優しい人なのですか」
と言って薄い笑みを浮かべた。


「俺のこと言ってんじゃねーよ!!
 アンタがそこまで儲けてる裏で泣いてる人達のこと言ってんだバーカ」


僕にバカと言われて、
明らかに奴の顔色が変わった。


「君みたいな貧乏人にバカと言われたくない」


なんで貧乏人だって分かったんだ!!
ガーン。
確かにパンクロッカー全盛期だったので、
ボロボロのジーンズにボロボロの革ジャンだったけど。


「確かに俺は貧乏だけど、アンタみたいに落ちぶれる気はないよ」


「落ちぶれる・・?私のどこが落ちぶれてるって言うんだ!!」
だいぶバケの皮が剥がれてきたうさんくさマン


「それが分かってねーから、落ちぶれてるっつてんだよ」
僕にもよく分からなかったけど、
なんとなくそう思ったのだ。


ただ、理屈はどうあれ、コイツ絶対に間違ってるのだ。


この世界で生きていると、
決して交わることのない線
というものを度々感じることがある。
死ぬまでけっして交わることのない線たち。



結局、そのあと僕はさっさと一人で部屋を出て、
実に苦労して家まで帰りました。


ただリチャードが残念でならなかった。
こんなペテンに騙されるような人だったとは。
それ


限りなく鼠

2008年10月12日 | 思い出

タイトルからして、

鼠先輩に関する話のようなニュアンスでいて、
アンニュイなアイツって感じですが、

そこは残念、先日の振り込め詐欺に続く話でし。

でし?です
(夜勤でモーレツ眠い)

騙す側と、騙される側、
これはもう誰がなんつっても、騙す側が悪い

もうね、ホント死んでくださいレベル。

でも、騙す奴はいなくならない。

人間の世界は不思議なもので、
ある種の法則により、

必ずそういう奴が何%かの割合で、
絶対に発生するのだ。

だから不良はいつの時代にもいるし、
イジメは絶対になくならないし、
ダマす奴も必ず存在するのである。

そんで僕はどっちかと言えば、
ダマされる側。

生まれたての小鹿くらいに純情な感情はカラ回りなので、
ホントに社会に出てからは何度もそういう悪の手に捕まりそうになりました。

最初の悪の手は、
18歳のときでした。

東京モーターショーの警備をやるコトになり、
わざわざ千葉くんだりまで足を運び続けた日々。

このモーターショーの警備については、
いろいろ面白いコトがあったので、
いずれ機会があれば記事にしようと思ってます。

男女合わせて20名くらいのメンバーがいたのですが、
イベントという特殊な環境だったせいか、
男女問わずけっこうみんな仲良しになって、
毎晩 海浜幕張駅前の居酒屋でドンチャン騒ぎしてました。
大学生が多かったので、そんなノリです。

で、そのメンバーの中で3つ年上の男性の方と、
特に親しくなったのです。

何故かその人は自分のことを
リチャードと呼ばせたがる人でした。

なんでリチャードなのかは全っ然わかりません。
モロ日本人で、リチャード的な要素は一つも無いし。

でも仕方ないので、リチャードと呼んでましたよ。
これはもう悶絶級に恥ずかしかった。

仕事中とかに、リチャードと呼ぶんですよ?
「さん」とか付けられると恥ずかしいらしく、怒るし。

「あっ、リチャード、隊長が呼んでますよ」
英語の授業か。

これだけだと、リチャードって
けっこうイタイ人物
に思われそうですが、そんなコトはなく、

面白いし、面倒見いいし、性格いいし、
で僕はけっこう慕ってました。
ホント、リチャードって呼ばせたがりさえしなければ
かなり理想の先輩だったのです。

話が逸れましたが、
バイトが終わりかけた頃にリチャードから言われました。
いい仕事があるんだけど、一緒にやらない?と。

とうぜん僕はその仕事内容について聞きました。

でもリチャードは説明してくれません。
その代わりにこう言いました。

「今度、その仕事の説明会があるから、
 参加してくれないか?」
と。

もうその時点で、
僕の直感がかなりウサンクサイ警報を出してました。

でも慕ってた先輩だし、
ムゲに断るわけにもいかないので、
とりあえず話しだけは聞いてみることに。

それから何日か経った夜、
僕はリチャードの車で千葉にある松戸というトコに連れてかれました。

けっこうな距離です。
時間も遅かったし、やっぱ断れば良かったと後悔しました。

で、なんか一軒屋に到着して、
家の中に入りました。

つづく

 


字は女の子に学べ2

2008年10月08日 | 思い出

そのとき僕は、

とあるアルバイトをしていて、

そのバイトでは当番制で日誌をつけなくてはならなかった。

だいたい週1のペースで順番が来る。
半年ほど経ったある日、僕はそのノートを読み返してみた。

21才の時だ。
やはり自分の字のヘタさ加減に呆れるばかり。

そうして何度も読み返しているうちに、
あるコトに気付く。

なんで女子って、みんな同じ字なんだ?

多少のクセはあるが、
ホントに女子って同じような字を書く。

そして上手くはないが、ヘタではない。
眉をしかめなくても読める。

そのとき女子は全部で3人いた。
ヒドイ言い方かもしれないが、
頭の出来は僕と五分五分。
良くはない。

僕は字というものは、
知性5割、鍛練3割、血2割
で成り立っているのだと思っていた。

しかしこの女の子たち3人が、
同じような字を書き、
決してヘタではないんだから、
字というのはコツ9割なんじゃないか?

そう言えば、
中学の時だって、高校の時だって、
確かに女の子ってみんな同じ字だった。

同じクラスの女の子の字を全て見たワケではないが、
卒業文集とかで大部分は目を通したつもりだ。
8割は同じと言っても過言ではない。


つまり、字が圧倒的に下手な女の子って
ホトンドいないことになる。

(もちろん正統な字の上手さではないが)

そこには学力の差も、性格の違いも関係ない。
もちろん体格の差だって関係あるまい。
誰かにきちんと習っているワケでもない(と思う)のに、
みんなが同じような系統の字へ、
同じように辿り着いているのだ。


これってスゲー。

つまり、この女の子の字をマネしてれば、
意外とアッサリとミミズ字から脱却できるのではないか?

とにかくマネしてみるコトに。

日報に書かれてる女の子たちの字を、
気持ち悪いくらい見つめてみる

1、全体的に右上がり
2、字は小さめ
3、筆圧は弱い


最初はなかなか思うようにいかない。
だが、何日か練習してる内に字の骨格が変化してきた。

2週間ほど過ぎた頃には、
かなり女の子文字に変化。

これだけでも今までの僕の字から見れば
格段の進歩。

ただ、キモい。

こんな巨体が女の子の字を書いてるのだ。
完全に 目覚めちゃった系 で見られた。

だがコツは掴んだ。
確かに字を斜めに書くコトにより、ラインが直線を描ける。

横まっすぐに直線を書くのって、意外と難しいのだ。

ここからオリジナルに高めてゆく必要がある。
やっぱ女の子の字を書いてるのは恥ずかしい。

仕事先、バンドで書く詩、手紙、
あらゆる執筆をする機会を練習だと思い、
何年か過ぎていった。

自分なりの字を書くコツも見えてきた。

1、やはり右斜めバランス
2、筆圧は強く
3、字は大きく
4、形は逆三角形


こんな感じ。

でも、たまーに急いで書いたり、
全くヤル気のないときとかに字を書くと、
昔のままのミミズ字だったりして、
ちょっと青ざめるときがあります。

 


字は女の子に学べ

2008年10月05日 | 思い出
ホントごくたま~に

字うまいね

と言ってもらえるコトがある。

冗談で言ってるだけだろうから、
あまり真に受けて喜ばないようにしてます。

決してウマくはない。
でも!
ウマくなった。

これは自信もって言える。

10代の頃は、ホントにヒドかった

一度なんて、目の悪い母親から、

干からびた大量のミミズの死体

と間違われましたから。
机の落書きっす。

ろくでなしBLUESと書いていたのですが、

「あれ?おかしいわね…取れないわ、このミミズ」 

字だから。
あんたの息子が書いた字ですから。

まぁ学生の頃は、周りの連中も同レベルだったので、
自分の字のヘタさというのは、
そんなに気にしませんでした。

木を隠すなら森というワケです。

でも社会に出ると、そうも言ってられない。

接客業が多かったので、
お客さんの領収書の宛名も書かないといけないし、
報告書だって手書き。

とにかくミミズの死体が人の目に曝されるのです。

領収書を書く時が死んだ。

お客さんが僕の字を見ながら、
ちょっと残念そうな目になるッス。

お客さんと僕の間の空気がヨドムっす。

字を上手く書きたい!
領収書をちゃんと書きたい!

こうして修業が始まり、早2年が過ぎました

つづく