無知の涙

おじさんの独り言

伝説の巨神イデオン

2011年11月07日 | 漫画やアニメ

図面屋Oさんから奨められて、イデオンの劇場版2作を観てみました。

ほとんど観た事なかったけど、有名な作品なので、なんとなく知ってます。

スパロボFとαにも出てきたし(確か)。でも非常に使いづらい機体だったので、ほとんど使わなかったけど。


そんなわけで、主人公がモノっそいアフロヘアーであるという事と、最後はみんな死ぬ結末である、というその2点は知ってる。

 

子供心にこの頭はないだろ・・・と思い、視聴する気にならなかったのを覚えてます。




実際に劇場版の2本を観た感想。うーんと唸ってしまうのが本音。


本編が何話なのか知らないけど、2本にまとめるのは無理があったのではないかと。単なるブツ切り総集編で、この2本から物語を読み取るのは大変難しい。よって、この2本を観ただけでイデオンを判断するのはフェアじゃないような気がする。作品として、とても詰まらないと思ったから。

なので感想というより、考察としたい。

 

まずこの物語は、主人公側(赤アフロ)の人種(以下、便宜的に地球人とする)とバッフクランと呼ばれる異星人の抗争を描いたものである。但し、地球人側はバッフ・クランに追われている主人公たちを厄介者と考え、進んで協力する気はない。よって主人公側はイデオンと、イデオンと共に発掘されたソロシップと呼ばれる戦艦のみでバッフ・クランと抗争している。

何故抗争をしているのかと言うと、地球人が移民した星で発掘したイデオンをバッフクランが奪おうとしているから。

何故バッフクランはイデオンを欲しがっているのか。第6文明人が残したものという以外は謎に包まれたイデオンであるが、バッフクランは【イデ】は無限エネルギーとし、その奪取を目論んでいる。

イデオン又はイデの力とは何か。イデオンは基本的に制御不能である。何故ならシステムを誰も理解できないからだ。なぜ動くのか、なぜ動かないのか、それすらも分からない。基本動作くらいは可能かと思ったが、敵に襲撃されているにも関わらずイデオンが動かない場面があった。

作中で分かる限りは、赤子などの純粋な心に呼応する。

イデは善き力で、人々を導こうとしている。

最後は登場人物に関しては敵、味方全てイデオンと敵の兵器の爆発で死ぬ。そしてその魂が何処かの星へ向かっている描写で終わる。魂となった人々は互いに理解をし合って、生前のような憎しみはない。エンディングの海の描写は彼らの魂が生み還った事を示唆しているのかもしれない。

ざっと観て思った事を羅列してみましたが、やはりよく分からない。

この終わり方がイデの導こうとした形なのか。いや、イデの意思で爆発したわけではないし、死がイデの導こうとした形なら、そもそも子供の生存本能に呼応しないような。

無限エネルギーのような物があるとすれば、それは神のような領域で、その無限エネルギーであるイデは戦意のない弱者の生存本能によって動かされる。いわば正当防衛的な戦い強いられていただけで、何かを何処かへ導こうという意思ではない。

ただ、争いをする2つの人種の母性に彗星が落ちてきて壊滅してしまう場面があったが、あれはイデの意思なのか。そうだとすると、イデは争いを起こす人種に死を与えているわけで、それは主人公たちも同じである。もちろん子供だって。まだ確固たる自我を持たぬ故に純粋であるというだけで、育って行けば同じようになる。

それにも関わらずイデが赤子を率先して守ろうとするのも疑問を感じる。根本的な解決策ではない。すると、イデは神のようなものではなく、ただ第6文明人が残した兵器であると言える。

その兵器は無限のエネルギーを持ち、それが時に意思のようなものを働かせる。それは第6文明人の箱舟であり、本来は第6文明人を異星人から守り、別の地に運ぶ為に作られたのではないだろうか。第6文明人は強い宗教的もので意思統一されていた民族で、高度な精神を備えていた。赤子と同調するのは、その為ではないか。

そして最後の場面。イデの爆発と共に人々は死に、肉体という境界を失った人々は互いを理解し、そして再び最初の生命となる。

結局は人々は肉体、すなわち生においては理解し合えぬものであり、争いを繰り返し、いつかは絶滅する。そしてまた最初に戻る、というメッセージなのだろうか。

 

難解な作品とは聞いていたけど、もう1回くらい観ないとダメですな。観る気しないけど。