どんな落としどころにするのかだけ楽しみだった鉄血最終回。
全滅エンドではなく、三日月とアキヒロが他のメンバーを逃がすためにザコどもを足止めして時間稼ぐが、ラスタルが「悪魔みたいで最早人間でない」とかいう理由で使用禁止のダインスレイブを軌道圏外から撃ち込んでバルバトスもグシオンも大破。
なんなんだよ。けっこう気合いいれてラストバトルやってたのに、結局はダインスレイブの文字通り横槍が入る展開かよ。途中からダインスレイブばっかりだな。戦闘シーン楽でいいよね。
アキヒロは最後にイオクを圧殺しながら事切れ、三日月もジュリエッタに襲い掛かりながら死亡。結局最初だけ威勢よくて、後半ほとんどなんもしてないジュリエッタがバルバトスの首をもいで終結。これほどまでに胸糞悪い戦争終結シーンもあまりないなぁ。
そんでAパート終わり、Bパート開始。マクギリスが起こした一連の騒動をマクギリスの件と呼称され、ラスタルとクーデリアの間に人間デブリ廃止の締結がなされ、クーデリアの組織の人間として生存した鉄火団の連中がしれっと活動している。最後の望みとして誰かがダインスレイブ使ったことをクーデリアにチクって、クーデリアがラスタルを失脚させるくらいのことしてくれるのかと期待したけど、無駄でした。ここらへんがイマイチ、ラスタル側を受け入れられない原因である。勝てば官軍とはよく言ったものである。
ラスタル側もラスタル側でザルすぎる。鉄火団の連中と知ってて放置しているのか。もう彼らのIDが書き換えられてるから手が出せないのか。
そこらへんのシーンでいつもの暗殺臭が漂い始めたので、あれ?ラスタル殺されんのか?と期待したけど、ラスタルではなく、もう一人のハゲ親父が射殺された。殺したのはオルガが射殺された現場にいた鉄火団のひとりである。彼だけは闘争をやめず、復讐を続けていた。
あんまりこういう救いのない展開好きじゃないけど、正直これはナイス!と思ってしまった。やられて、やり返してなんて意味がないことだけど、なんか今回ばっかしはどうにも胸糞悪くてこういう手段も肯定してしまう。できればラスタルとジュリエッタをやって欲しかったくらい。
作品テーマでもある、俺たちの居場所、については、もうとっくに手にしていたじゃないか、という三日月が死ぬ間際に気付くオチ。オルガが死んで、三日月が自分で考えるようになったからそのことに気付けたということか。
所詮ここよりも良い場所なんてない、今目の前にあるものを受け入れて満足するしかないんだよ。という、けっこうありきたりなメッセージ。オルガが死ななければ三日月はそれに気づかなかったなんて、悲しすぎる。そもそも三日月の謎のプレッシャーで、オルガは先へもっと先へと脅迫めいた追い詰められ方したわけだし。
2期はじめくらいの時点でここが俺たちの辿り着いた場所感あったでしょ。そこで、オルガがここが俺たちの目指していた場所だ、と三日月に言ってやればそれで済んだのではないか。なので1期で終わってた方が良かったんじゃない?という結論に到達せざるを得ない。
後ろ盾もない身寄りもない子供たちが自分たちで後ろ盾を確保し、地位も確立して仕事さばいてそこそこ食えていたわけだし。成功者である。
都合のよいことしか言わない胡散臭い大人を信用したらアカン、狡猾で力を持ってる大人とケンカしてはイカンという事ですね。
最後は三日月とヒロインの間にできた暁という子供が登場して終わり。
面白ければなんだって観るし、つまらなければ観ない、なのであんまり脚本が誰とか気にしない方であるが、今回ばっかしはヒドイなと思って調べて行くと、どうもこの脚本書いた人は、ガエリオが主人公向きの声という理由だけで、途中からそっちを正義の主人公扱いに変えたらしい。そんなことってあるの。作品を作る行為とはとりもなおさず自分と物事の距離を計る作業である、というような言葉を何かの本で見たことあるが、本当にそう思う。
道理で途中から不自然な展開が多くて、やけにGH、ガエリオが正義、マクギリスと鉄火団側が悪という見せ方に変わったと思ったらそういうことなのね。いや、作ってる人が好きなようにすれば良いんだけど、恐らくプラモもディスクもほとんど売れないと思うので、とばっちり受けた関係者の方は気の毒でしかない。あと2期始まりくらいの特番で鉄血推してた芸能人とか。
今後、外伝やら続編的なものが出てもいっさいスルーしようと思います。あとスパロボには参戦させないでね。出ても使わないけど。