ティーダ「これが最後かもしれないだろ?
だからちゃんと話しておきたいんだ」
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ユウナ「笑いながら、旅、したいんだ」
ワッカ「シンが何もかも奪っていきやがる!」
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ルールー「シンは私たち人間の罪であり、私たち人間への罰なの」
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スピラという世界にザナルカンドと呼ばれる都市があった。
その都市は繁栄を極め、技術力において最高の水準を誇る都市であった。
ただザナルカンドは戦闘に機械技術は持ち込まず、
召喚魔法によって外敵を退けていた。
そのザナルカンドに対抗する存在として、
高度な機械文明を持つベベルと呼ばれる都市があった。
このベベルは軍事的にも機械を利用していた。
ベベルはザナルカンドへ侵攻を開始した。
機械を軍事に取り入れ、特化したベベルにザナルカンドが勝てるわけもなく、
後にナギ平原と呼ばれる地帯での戦闘ではザナルカンド軍はほぼ壊滅してしまう。
追い詰められたザナルカンドの統治者エボンは、
ザナルカンドの住民全てを【祈り子】とし、
シンと呼ばれる大きな力を生み出した。
シンは全てを壊滅させた。
ザナルカンド、ベベル、スピラにある全てを-------
------それから1000年が経った。
1000年前のシンによる大破壊の後、
人々は一部を除き、機械を使うことを禁じた。
それは【エボンの教え】と称され、人々の生活に浸透していった。
ある一部の、アルベドと呼ばれる民族を除いて。
機械を禁じた人々の生活はとても質素なものとなった。
自然と共に生き、自然に還ってゆく。
いくつか都市と呼べるものはあったが、
ほとんどは小さな村が点在するだけである。
進化というDNAを与えられた人間であるから、
しだいに村も大きくなり始める。
すると、シンが現れ、全てを奪っていった。
かろうじて生き残った者は、
住む場所を失い、家族を失った。
そう、あの大破壊から1000年経った世界にも、
シンは生き続け、破壊を繰り返しているのである。
スピラに生きる全ての者が、
絶えずシンの恐怖に脅かされて生活しているのであった。
だが、人間たちもただシンに降伏しているだけではない。
実際に1000年の間にシンは幾度か倒されている。
シンを倒す方法は、召喚師による、【究極召喚】。
ただこの1つだけである。
召喚師は護衛であるガードと共にスピラ各地にある寺院を巡り、
そこに眠る祈り子と対峙し、召喚魔法を授かる。
旅の終着地点は、かのザナルカンドであり、
最初にシンを倒し、自ら後世に究極召喚を伝えるべく祈り子と化したユウナレスカに
己の力を認めてもらえれば、【究極召喚】を授かることができる。
ただ、その【究極召喚】を使ってシンを倒した召喚師は、
例外なく死ぬことになる。
そうして命を賭けてまで倒したはずのシンも、再び蘇ってしまう。
理由は分からない。
これがスピラ全てを飲み込む【死の螺旋】である。
絶望に暮れる人々にエボン教はこう説き続ける。
全ての人々がエボンを讃え、祈りを捧げ、
召喚士たちの旅を支えることにより、
いずれ罪は償われ『シン』は消滅する。
偽りなのか、真実なのか。
信じる者、信じない者、
どちらにしても誰もがシンのいない世界が来ることを祈っている。
たとえ数ヶ月でもシンのいない暮らしを人々は待っている。
それに応える為に、召喚師はシンを倒せないことを知りつつも、
己の命を賭し、シンの活動を少しだけ止めるである。
シンのいない期間を、人々は『ナギ節』と呼んだ。
いつか『永遠のナギ節』が訪れることを願って。
--------時は戻り、1000年前のシンによるザナルカンド崩壊の夜。
この物語の主人公であるティーダはシンと接触し、
1000年後のスピラへと飛ばされてしまう。
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ティーダは全く自分の知らない世界に戸惑い、
大きな波に流されるように過ごすなかで、
一人の新米召喚師に会う。
その新米召喚師の名はユウナ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/97/3ee224c91aa5af79076d78ba0e837a98.jpg)
一番最初にシンを倒したユウナレスカの名を受け継ぎ、
10年前にシンを倒した偉大なる召喚師・ブラスカの娘。
そしてそのユウナのガードである、ワッカにルールー、
人間と違う種族、ロンゾ族のキマリ。
1000年前のティーダを知る謎の男、アーロン。
エボンの教えに反するアルベド族の少女、リュック。
ティーダもユウナのガードになり、
彼らと共に旅をする決心をする。
いつかザナルカンドへ帰る為に。
旅をするなかでティーダは、
ユウナの純粋でひたむきな心に惹かれてゆく。
ユウナもティーダに惹かれてゆくが、
シンを倒すという事は、自分の死を意味する。
それが分かっていて誰かを好きになることなど出来るはずもなかった。
「笑いながら、旅、したいんだ」
そう言って微笑むユウナ。
自分はもちろん、周りの人々も旅路の果てにユウナの死があることを知っている。
みんなユウナを愛していた。
その献身的で純粋な心に誰もが癒された。
だからユウナは周りを暗くさせない為に、気丈に振舞っていた。
ユウナはとうに自分の死を受け入れ、覚悟を決めていたのであった。
ティーダはまだ目的の達成がユウナの死を意味することを知らなかった。
そしてティーダにとって、もう1つの問題。
1000年前のザナルカンドへの帰還。
(ちなみに1000年後の世界にあるザナルカンドは遺跡になっている)
シンと接触したことにより、1000年後のスピラへ送られたのだから、
もう1度シンと接触すれば1000年前へ帰れるかもしれない。
そうして再びシンと接触するティーダであったが、
ザナルカンドへ戻ることは叶わなかった。
それどころかシンが自分の父親であることを知る。
ティーダの父親、名はジェクト。
自由奔放で威勢の良い人物。
悪く言えば傲慢で高飛車。
人並外れた身体能力を持つ。
ティーダはこの父親が大嫌いだった。
いつも自分を見下すような言動は彼の中でトラウマとなっている。
その大嫌いな父親はティーダが子供頃に行方不明になった。
そして2度と帰って来なかった。
「あんなやつ、死んじゃえばいいんだ」
少年は母に言った。
ジェクトを心から愛した母親は悲しみに明け暮れ、
後を追うように死んだ。
ますますティーダは父親のことが嫌いになった。
ジェクトの行方不明の真相は、
ティーダと同じであった。
シンと接触し、1000後のスピラへ飛ばされたのである。
そしてブラスカ、アーロンと共にシンを倒したのである。
その際にジェクトはシンに取り込まれてしまう。
そしてジェクトが新たなシンとなり、
何代目かのシンとして蘇ったのであった。
アーロンはティーダに言った。
「ジェクトはお前に殺されたがっている」
こんなにも人々を殺し、奪い、苦しめ、悲しませているのが自分の父親。
大嫌いな父親。
「おまえ!!なんなんだよっ!!」
何度目かのシンとの接触の後、ティーダは叫んだ。
だがティーダは葛藤を続ける中で、
親父がどれほど自分を案じ、愛してくれていたのか知るようになる。
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果てることのない死の螺旋に生を見つける物語。
それがファイナル・ファンタジー10。
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