子どもの頃、母が縫う服には必ずポケットがついていた。
既製服にポケットがないと、別布でつけてくれていた。
洗ってアイロンをかけたハンカチと、きちんとたたんだちり紙。
(そうそう、ポケットティッシュが普及する少し前…)
それは「子どもが必ず持って出かけるもの」で、
だからポケットはないと困るものだったけれど、
今の子どもたちはGPS携帯のほうが大事なんだろうか。
冬のコートなら、深くて大きいポケットは絶対必要条件。
婦人服はポケットがなかったり、あっても飾りだったりするが、
電車の切符とか、見るまでに少し時間のある映画のチケットなど、
ちょっとしまっておけるポケットがあればいいのにと、
今でもわたしはよく思う。
25年くらい前に『あんしんポケット』という童話を書いた。
男の子が町でみつけた「ポケット屋」という店。
いろんな便利なポケットを、1枚いくらで売っていて、
おじいさんが服にぺたんとつけてくれるのだ。
鍵つき、オルゴールつき、アイスクリーム用、焼き芋用…。
どこにいても手紙を配達してもらえる「ゆうびんポケット」なんか、
「いそがしいひとに ひょうばんがいいね」。
しかし郵便どころか、いまや電話もテレビも音楽もポケットに入る。
わずか四半世紀でそんな時代になるとは想像もしなかった。
ポケットといえば、有袋動物にも心惹かれる。
コアラ、ウォンバット、フクロモモンガ、フクロギツネ。
便利な袋を持っているにしては、みんな不器用そうで、どこか不憫で、
「おいおい大丈夫かい」と言いたくなる動物ばかりだ。
オポッサム、タスマニアデビル、フクロオオカミ、それから
猫の親戚でもなく猫とは似ても似つかないフクロネコ。
わたしはドラエモンは有袋類と認めていないが、
(もちろん猫の一種とも認めていません)
ふつうの猫だって、おなかに小さい袋がついていたら、
さらに可愛いんじゃないかと思う。
(「こーら、真鈴っ! そのポッケのおねずを出しなさいっ!」)
おてつだいねこさんのエプロン姿は、どうもそのあたりから
思いついたのではないか、という気がする。
有袋動物でも、カンガルーにはさほど魅力を感じない。
どうしてだろう。
たぶん、あんまり堂々としすぎているから、でしょうね。
(画像は、たまにうちに出没するフクロネコ)
既製服にポケットがないと、別布でつけてくれていた。
洗ってアイロンをかけたハンカチと、きちんとたたんだちり紙。
(そうそう、ポケットティッシュが普及する少し前…)
それは「子どもが必ず持って出かけるもの」で、
だからポケットはないと困るものだったけれど、
今の子どもたちはGPS携帯のほうが大事なんだろうか。
冬のコートなら、深くて大きいポケットは絶対必要条件。
婦人服はポケットがなかったり、あっても飾りだったりするが、
電車の切符とか、見るまでに少し時間のある映画のチケットなど、
ちょっとしまっておけるポケットがあればいいのにと、
今でもわたしはよく思う。
25年くらい前に『あんしんポケット』という童話を書いた。
男の子が町でみつけた「ポケット屋」という店。
いろんな便利なポケットを、1枚いくらで売っていて、
おじいさんが服にぺたんとつけてくれるのだ。
鍵つき、オルゴールつき、アイスクリーム用、焼き芋用…。
どこにいても手紙を配達してもらえる「ゆうびんポケット」なんか、
「いそがしいひとに ひょうばんがいいね」。
しかし郵便どころか、いまや電話もテレビも音楽もポケットに入る。
わずか四半世紀でそんな時代になるとは想像もしなかった。
ポケットといえば、有袋動物にも心惹かれる。
コアラ、ウォンバット、フクロモモンガ、フクロギツネ。
便利な袋を持っているにしては、みんな不器用そうで、どこか不憫で、
「おいおい大丈夫かい」と言いたくなる動物ばかりだ。
オポッサム、タスマニアデビル、フクロオオカミ、それから
猫の親戚でもなく猫とは似ても似つかないフクロネコ。
わたしはドラエモンは有袋類と認めていないが、
(もちろん猫の一種とも認めていません)
ふつうの猫だって、おなかに小さい袋がついていたら、
さらに可愛いんじゃないかと思う。
(「こーら、真鈴っ! そのポッケのおねずを出しなさいっ!」)
おてつだいねこさんのエプロン姿は、どうもそのあたりから
思いついたのではないか、という気がする。
有袋動物でも、カンガルーにはさほど魅力を感じない。
どうしてだろう。
たぶん、あんまり堂々としすぎているから、でしょうね。
(画像は、たまにうちに出没するフクロネコ)