(閑猫堂は通常営業に戻ります♪)
<3月15日>
昨日は、東京電力の「計画停電」が始まるというので、
準備万端ととのえ、いつでもいらっしゃい、と待っていたら
結局この地域は回避されたようで、やや拍子抜けの感じ。
覚悟しているんだから、やるならやってくれたほうが良い。
正確に予告どおり来て、3時間で終わるんだったら、
これほど親切な停電はないし、みんなすすんで協力するのに。
きょうはどうなのか、情報がどこに出ているのか、
誰にきけばわかるのかもわからないから困る。
いや、うちなんか困らないけど、通勤の人、通院の人、
出かけねばならない人は本当に困るでしょう。
さて、準備万端というのは何かというと・・
さいわい、照明と暖房には支障がない。
炊飯器や電子レンジのかわりはガスでできる。
あとは・・前にも書いたけど、
わが家の場合、電気がないと、電話が使えない。
部品に電気が必要なガス給湯器とお風呂が使えない。
それと、ポンプがモーターのため、家の中で水が出ない。
水はバケツの汲み置きでいいや、と思っていたが、
Mが長いホースを持ってきて、仮設水道をこしらえてくれた。
もともと公共の水道施設は存在しない地域である。
沢の上流に取水口を作り、そこから裏庭の貯水タンクまで、
水はずーっとパイプを通って流れてくる。
タンクの脇にパイプの継ぎ目があり、手動で切り替えて、
ふだんは1日に1時間くらいタンクに注水し、
あとの23時間はそのまま池を経由して下流に流している。
その継ぎ目にホースの一端をつなぎ、
もう一端をずるずると裏の窓から引き込み、
台所の流しの蛇口に紐でくくりつけると、
きわめて原始的な「かけ流し水道」のできあがり。
この水はもちろん、手元で止めることができない。
だばだばと流れっぱなしである。
おもてで見れば、頼りないかぼそい流れにすぎないが、
家の中に持ってくると、けっこう音がうるさい。
ときどき「あ、水出てる、止めなきゃ!」と思い、
「あ、そうか、止まんないんだ・・」と思う。
考えてみれば、これ、水道というより、川ですからね。
川の一部が、ちょいと寄り道して台所を通っている。
ステンレス流し台で、春の小川が、だばだば踊る。
慣れるまで、しばらくかかりそう。