中原中也へ捧げる詩 2016年09月20日 23時28分03秒 | オマージュ集 ひとつの不穏と、ひとつの耄碌とが、夜の街に踊っている。 彼の重く垂れた眼が、黒く濡れながら光っている。 世界は、もう終わってしまったのだ。 街路を往来する人々の声は、 幻のように生まれては消え、 土の匂いと共鳴しては、 沈黙へと成り変わる。 彼の悲しみは、 それだけ 深く、かつ昏かった。 彼の開き過ぎた眼が、 あらゆる光をその中に吸い取ってしまって、 彼にと . . . 本文を読む