昔勤めていた建築会社が、住宅メーカーの代理店販売をやっていた。
そのメーカーの特建材の担当課長に連絡する場合は、
必ず電話でのやり取りだけだった。
不在なら取りあえずFAXを入れておけば・・・と思いがちだが、
その担当課長はFAXでのやり取りは一切受け付けてくれなかった。
こちらの設計・現場監督の仲間内では、
「なんで〇〇課長は電話でしか受け付けてくれんのやろうか?」
「FAXで受け取った方が寸法・個数の間違いも無いやろうにね」
在る意見が出た。
「昔、FAXのやり取りで大失敗をやらかしたんじゃ?」
「たとえば?」
「個数を一桁間違えたみたいな。100個を1000個で発注したとか」
「寸法なら、500mm(50cm)を5000mm(5m)とか・・」
「FAXだと、証拠が残るやんか」
「なるほど、そういうこともあるか」
「電話でのやり取りなら、録音してない限り、『そうは聞いてない』『確かに貴方は〇〇と言った』って言い逃れ出来るじゃん」
「つまりは保身のために、直接電話だけしか受け付けないって訳か」
それが事実かは分からないが、そういう考えも一理である。
また、
十数年ぶりに取引を再開した美装屋の社長さんも、やり取りは電話だけだと言っていた。
「電話で直接依頼を受けない限り、仕事は受けん。それが一番確実」と言っていた。
確かに、
FAXでの連絡は一方方向の通信であると言える。こちらの用件だけを伝えたに過ぎない。
相手が受諾したかの確認は取れない。
そうそう、むかし連絡しにくい相手に夜中にFAXで用件を伝えた事があったなぁ。
後日相手から「電話してこんで、FAXで逃げて・・・」と笑いながら嫌味を言われたことがあったなぁ。
ライン、メール、などなど、いろいろ通信手段はあるものの、
やはり、人間相手の商売なら、
せもても直接話をする電話で、なのかも。
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